92 大人と優しい

 こんにちは。


 いつもインコが亡くなると血尿を出すのですが、今回はまだ赤く染まっていません。って何の報告?

 今まで何度も見送って来たけれど、こればっかりはいつまで経っても、どれだけ経験しても慣れないですが、今のところご飯も食べれているし、眠れています……というか起きたくない。夢であってほしいから。


 今日も桜が咲いているのに家に閉じこもって、ずっとぬか床の手入れと裁縫をしていました。何かやっていないと落ち着かなくて。


 そんなこんなのボロボロライフを過ごしている訳ですが、夜に久しぶりにとある方と会話をしました。オンラインですが。

 

 彼は私がネットで歌の配信をしていた時、リスナーさんとして知り合ったのがきっかけ。

 一度私の地元にも遊びに来てくれて遊んだり。配信自体は短い間しかしていなかったのだけど、それでもなんだかんだで結構長間、覚えていてくれる事、繋がっていようと思ってくれる事に感謝です。

 彼は時々、今日みたいに聞いて欲しい事があると連絡をくれて二人で話し込む。不思議な関係と言えば本当に不思議な関係だと思う。年齢も性別も違う。毎日のようにSNSなどで交流し続けている訳でもない。

 でも時々どうしているかなぁ~って思い出して、何も連絡が無いなら元気に頑張っているんだろうなぁ~って思う。


 そもそもがとても良い子で、包み隠さず話してくれる彼の性格をまるっと無責任に評価すると善良すぎるくらい善良な好青年。心から幸せになって欲しいと思っている。

 そんな彼がモヤモヤした時の話し相手に選んでくれているのだから、私も人畜無害として胸を張っていいだろう、きっと。


 今日はなんとも漠然として普遍的なテーマから始まった。

 毎日仕事と睡眠だけの繰り返しで、生きている意味が分からない。素敵なことが欲しい。というような内容だった。

 新社会人として一年過ごし、そのなかで色んな心境や環境の変化でそう感じるようになることは、全く同じではないにしろ私も身に覚えがある。至極当然というか、同じような経験は大人なら多少は抱いた事がある感情じゃないかなぁと。

 

 彼にとって私は「彼が思う“ステキな暮らし”を実践している人」らしい。

 私はそんな大そうな者じゃない。毎日地面をのたうちながら後悔という軌跡を残し前進するものの後退の方が多い人生だ。でも彼が私の事をそう思うように、私にも“ステキな暮らし”を実践していた人を知っている。

 それがひぃちゃんだけど。なので彼女の料理の話やステキを見つけて拡散するセンサーと発信力を話したり、私が思うアレコレを話したり。

 

 そのうちに彼の中にもともと有ったけれど、輪郭が無かった解決策が姿を現す。

 何に不満を持っていて、不安を感じていて、どうしたら自分自身が自分に価値を見出せるか。

 結局一時間とちょっと話して、私はおしゃべりに付き合っただけで、答えは彼がもっていたのだけど。


 彼は最初よりも声がワントーン軽くなって、会話を終えた。


 彼は私の事を大人だと言うのだけど、私は……大人じゃないからなぁ。精神年齢……というかヘタレな部分ばっかりだからなぁ。

 先日、超有名ニュース番組のキャスターが自分の事を「全然大人じゃない、精神年齢が低い」と言っていて、そういう職業についている方でもそういうものなのかと感嘆した。みんな一緒なんでしょうね。

 無理をして大人である振舞いを続ける。少しの我慢や無理をして大人でいないといけない事を知っているから。だから人の目には「大人」に映り「大人」になる。

「優しい」も同じだと思う。「あの人優しい」という評価は、心の中でどれだけドロドロとした事を考え唾を吐きかけていたとしても、死ぬまで「優しい」言動を続けたのなら真実は「優しい人」なのだ。優しくない人には、結局「優しい仮面」を続ける事は無理。

 まぁ私の「ヘタレ」はきっと自他とも認めるものなので、表も裏も無くヘタレですが。


 とは言っても、彼が話して良かったと、(解決できて)流石だわ、と感謝を口にしてくれることによって、すり減り過ぎてきれいさっぱり無くなっていた私の存在意義の様なものが浮き上がっていて、きっと彼以上に、彼との会話に感謝をしている。


 人と人のコミュニケーションとは斯くものだなぁと、当たり前すぎて思わなくなってしまった事をじんわりと感じました。

 感謝をする事、頼る事、頼られる事……って、人が人として生きるために大切なことですね。


 彼の計画が上手くいきますように。

 本当にいつも人の為に何ができるかを考えている良い子なんだなぁと、心が洗われる。


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