第34話 アリスに襲われそうになる

「へへへ、それでね、それでねぇ〜お父様がね、へへへ♪ おかしいの♪」


俺とアリスは食事の後たくさん喋ってすっかり気分が良くなって、何故か同じ部屋で二人きりになっていた。


なんか、アリスの雰囲気が変わった。陽気に訳のわからん話を続けている。


気のせいだろうか? さっきから同じ話を5回位聞いているような気がする。


「お父様ったら、『うさぎおいし、かの山』って歌が好きなんだけど、うさぎって美味しいんだと思ってたの、そしたらね、そしたらね、美味しいじゃなくて、追っかけるという意味だったの、うふ、うふふふ♪」


ベッドでぽよんぽよんと弾んでご機嫌のアリス。


ぽよんぽよんとはずむと胸もつられて弾む。


アリスは童顔の癖にGカップ位ある。


普段なら脱兎の如く逃げ出すシチュエーションだ。


なのに俺はアリスってほんとに可愛い女の子だなと思ってしまった。


「ねえ、ノア君、一緒のお布団に入ろうよ」


はっ?


これは俺を誘っている?


アリスは例によって俺を誘っている。


普段なら断固拒否だが、この日の俺はどうかしていた。


今から考えるとお酒が俺の理性を狂わせていた。


「私、ノア君のこと大好きだよ。」


「アリス……」


「私、ノア君ならいいよ」


そう言ってお布団に顔を埋める。


俺は不覚にもアリスに魅入られた。


制服姿で短いスカートの丈のアリスはエロかった。


いや、俺がエロくなってるんだ。


だが、俺はギリギリのところで頭にリリーの顔が頭に浮かんだ。


「アリス、俺、アリスには手を出せない。俺は復讐するまで恋はしない」


「そっか……やっぱりリリーさんのこと忘れられないんだね。そんなノア君が好きなんだけどね」


「アリス、ごめん」


アリスは潜ったお布団の中からこう言った。


「じゃあ、さ、一緒にお布団の中で寝よ。私、他の部屋まで行く元気ないかも」


「うん、わかった。俺ももう眠いから」


それで俺はアリスとお布団の中に入り、一緒に寝た。


☆☆☆


あくる日、目が覚める。


なんか柔らかい物を感じた。


すぐ近くに人肌を感じた。


そして右手に何か柔らかいモノが。


ついモミモミしてしまう。


とても柔らかくてそれでいてしっかりした弾力もあって、て?


これ絶対おっぱいだ。


「しまったぁ!」


俺はついアリスと同じお布団で寝てしまった。


しかも何故か俺は全裸らしい。


目を開けると目の前に銀髪の可愛い全裸の女の子が。


更に俺は危険なことがわかってしまった。


体位とこのもの凄く柔らかくて気持ちいい感触から俺の左手はアリスの二つの太ももの中にあるのでは?


「う、ううん。ノア君、大好き♪」


アリスは寝ぼけた声でそう言うと更に俺にしがみついてきた。


そして更に足を俺に包まるようにぎゅっとして来た。


俺の左手の掌がアリスの大事なところのすぐ近くにない?


ちょっと指を伸ばすと届いてしまわない?


「う、ううん。えへ」


アリスは更にモゾモゾと動く。


太ももの左手が気持ち良すぎる。


いや、更に距離が近づいてしまったのでは?


アリスのイケナイ所に?


俺の心の中で天使と悪魔が猛喧嘩をしている。


だが、俺の理性は辛うじて勝った。


「アリス、起きて!」


俺の叫びで目が覚めたのか、アリスが目をゴシゴシして俺を見る。


そして、自分の裸と俺を交互に見る。


「ノア君は悪くないの。私が悪いの、私がアル君を誘惑したからね」


そう言って、アリスはジリジリと俺に顔を近づけて来る。


「アリス、ね? こういうことはちゃんと恋人同士になってからね。学校で教わったよね?」


「心配しないで、私勉強出来なくて学校行ってないから♪」


「嫌、そういう問題じゃなくて!!」


「今更、ここまでしたら、責任とって♪」


いや、アリスは勘違いしている。


「ねえ、アリス。勘違いしてない? その、俺、アリスに何もしてないよ」


「えっ?」


アリスはなんかお腹に手をやると。


「本当だ。ノア君感がない。何にもしなかったんだね?」


「そうだよ。俺はそんな男じゃない」


いや、さっきおっぱい揉んだことは秘密にしとこ。


「ノア君……」


アリスは俺のお腹にぎゅっと抱きついて来た。


「ノア君、ごめんね。でもね。今からね……しよ」


「きゃー。やだーロリババアに襲われるーーーーー!!!!」


俺の渾身の叫びにアリスが一日中むすっとしたのは言うまでもない。

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