第10話 スキル巫術を覚えた

スキルボードの裏側を見た俺は慌てて身体強化にポイントを振った。


武術言語と身体強化の効果が乗算。


身体強化の効果はレベルあたり1%だった。だがレベルあたり10%の破格の能力の武術言語とは乗算になる。


例え1%でもその効果は絶大だ。


今のスキル効果は。


【スキルレベルの効果】


【HP】81+(武術言語49x身体強化5)=326<2節>241<1節>


【MP】0+(武術言語0x身体強化0)=0


【魔力】0+(武術言語0x身体強化0)=0


【腕力】57+(武術言語34x身体強化3)=159<2節>126<1節>


【防御】57+(武術言語34x身体強化3)=159<2節>126<1節>


【敏捷】11+(武術言語7x身体強化1)=18<2節>15<1節>


【器用】16+(武術言語10x身体強化1)=26<2節>22<1節>


【スキル効果】


武術言語+60%(2節)。+40%(1節)


身体強化+6%




敏捷さが低いのが気になるな。


器用さはあまり気にならない。


剣術のスキルのおかげかもしれない。


だが、Bクラスの魔物に武術言語を使っておきながらここまで苦戦した原因は敏捷さが原因だと思う。


まあ、Bクラスの魔物にレベル10で勝てるのは凄くおかしいんだけど。


俺は前回の経験から安息の間から次のダンジョンに進まず、グレートベアの階層に戻り、レベリングを行った。


あれ程苦戦したグレートベアも今では楽勝だ。


ちなみに安息の間の階層主は復活していた。


どうもダンジョンは一定期間で魔物が復活し、安息の間の前の階層主は階層へ戻ると再び復活するようだ。


そうしてスキルポイントを稼いで1日。


いや、太陽が出ていないからわからんのだけど、体感で1日を終えると階層主を倒す。


階層主を倒すと天の声が聞こえた。


『レベル12になりました。スキル【火の巫術】を覚えました』


火の巫術?


何だそれ?


俺は慌てて安息の間に入るとステータスボードを見た。


【名前】ノア・ユングリング


【能力】空気を読む


【レベル】12


【HP】81


【MP】0


【魔力】0


【腕力】57


【防御】57


【敏捷】11


【器用】16


【スキル】


武術言語Lv4


火の巫術Lv1


身体能力Lv6


剣術Lv3


【所持スキルポイント】3000




俺は謎のスキル火の巫術をタップした。


【火の巫術】空気を読んで、火の能力を符に込めるスキル。対価は1枚HP1。


どういうことだ?


俺は武術言語を使う時のように符と火をイメージした。


すると。


『我は炎、汝の敵を討つ刃なり』


俺は武術言語と同じ要領で空間に現れた文字を読んだ。


「我は炎、汝の敵を討つ刃なり」


そう言うと、目の前に一枚の符が現れた。


『符に自身の名を名乗り、彼はなんぞ? と問えば、符はその力を発揮する』


武術言語の時と同じように簡単に説明がある。


俺は早速試してみた。


ちなみにダンジョンは最強強度を誇るアドマンタイト並みに頑丈だ。


どんなに強力な魔法を使っても平気だ。


俺は固唾を飲むと唱えた。


「ノア・ユングリングが問う、彼はなんぞ?」


『我は炎、汝の敵を打ち砕く燃え盛る炎。汝の敵を打ち砕く刃なり』


符が俺の手を離れ、宙に舞うと、突然炎が立ち昇り、ダンジョンの壁を焼いた。


「……す、すげえ」


それはまるでファイヤーボールのような威力だった。


俺は火の巫術をLv3まで上げると、50枚符を作った。


大体一晩睡眠を取ると100%回復するから問題ない。


☆☆☆


「は?」


俺は素っ頓狂な声を出していた。


俺は符の威力を試したくて、安息の間を出るとすぐに階層主の部屋のドアを開けた。


案の定階層主のグレートベア10匹は復活していた。


そして符を使う。


「ノア・ユングリングが問う、彼はなんぞ?」


『我は炎、汝の敵を打ち砕く燃え盛る炎。汝の敵を打ち砕く刃なり』


階層主の部屋は炎で包まれた。


炎の威力はスキルのレベルを上げたら更に強くなった。


グレードベア達は何が起きたのか認識できないうちに黒焦げの焼き肉、いや炭になった。


あんなに苦労したグレートベア10匹の階層主は巫術の符1枚で瞬殺だった。

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