第9話 このシステム頭おかしい

「う、ん」


俺は目が覚めた。


どうもグレートベアの階の階層主と戦って疲れ果てたんだろう。


無理もない。


最初、安息の間に戻れない事がわかった時はもう詰んだかと思った。


今後先に進むにはある程度実力をつけてから、考えて進む必要があるな。


普通のダンジョンで元の階層に戻れないとかあり得ない。


ここが最果てのダンジョンだからか?


おそらく最深部は特殊なんだろう。


しかし、その割に最初出てきた魔物がホワイトウルフ、Bクラスの魔物というのも奇妙だ。


ランク分け不能、というより度を超えたレベルの新種と遭遇してもおかしくない筈だ。


そんな事を思いながら腹が減ったのでグレートベアの生肉にかぶりつく。


血抜きはしたが、生臭く、獣臭く、血と同じくゲロ不味だ。


せめて火が使えればいいが、魔力0の俺には永遠に無理だ。


生きるためだけの食事を終えると俺はスキルチケットの宝箱に目をやった。


そこでようやく気がついた。


「スキル複数どれでも選びたい放題って頭おかしいレベルで美味しいじゃないか?」


だが、俺に魔力があったならな。という事に思い至り、一人で勝手に凹む。


普通、スキルは一人せいぜい1つか2つ。


能力によって異なるが、たいていの場合一つだ。


それが複数。


それも選びたい放題。


一体いくつ貰えるんだ?


だが、普通に考えると全部取って脱出するより死ぬ確率の方が遥かに高い事に気がつき、苦笑する。


まあ、とにかくチケットを取るか。


俺は宝箱を開けた。以前と同様天の声が聞こえた。


『スキルチケットを入手しました。以下のスキル一覧から好きなスキルを一つ選んでください。


Sランクスキル


神級風魔法、神級火魔法、神級土魔法、神級水魔法、神級氷魔法、神級雷魔法、神級治癒魔法、神級錬金魔法、神級製薬魔法。神級召喚魔法。


Aランクスキル


詠唱破棄、無詠唱、収納魔法、隠蔽、鑑定、探知、探査。


Bランクスキル


風火魔法耐性、火魔法耐性、土魔法耐性、水魔法耐性、氷魔法耐性、雷魔法耐性、毒耐性、麻痺耐性、魅了耐性、身体強化、魔力強化。


Cランクスキル


加速、並列詠唱、視力強化、聴力強化、敏捷強化、筋力強化、器用強化。


Dランクスキル


剣術、槍術、斧術、弓術、格闘術』


やはりSランクのスキルまで取り放題か。


まあ、俺は魔力0だからSランクに興味ないが、普通のレベルの魔力あったらな。


英雄になれるな。


父以上の。


家族の仕打ち、リリーにした仕打ちに再びはらわたが煮えくりかえる。


だが、しばらくして気持ちを落ち着かせた。


今は生きる事に専念しないと。


生き残らなければ復讐はできない。


俺は慎重に考えて身体強化のスキルを手に入れた。


そしてステータスボードを確認する。




【スキル】


武術言語Lv3 レベルアップに必要なポイント1000


剣術Lv3 レベルアップに必要なポイント200


身体強化Lv1 レベルアップに必要なポイント50


所持スキルポイント 2000


まずは武術言語だな。


実感として一番効果があるように思える。


剣術は確かに知らない筈の剣技が使えて便利だが、武術言語は力ずくで強い感じだ。


スキルレベルを割り振る。




【スキル】


武術言語Lv4 レベルアップに必要なポイント1250


剣術Lv3 レベルアップに必要なポイント200


身体強化Lv3 レベルアップに必要なポイント 200


所持スキルポイント 850




スキルポイントは温存する。体感として武術言語の威力が大きいからだ。


だが俺は見かけないものをステータスボードに見た。


こんな表示、あったっけ?


スキルポイントの表示の右上に→の表示がある。


俺はそれをタップした。


!?


俺は驚いた。


何故なら。


【スキルレベルの効果】


【HP】81+(武術言語49x身体強化2)=211<2節>145<1節>


【MP】0+(武術言語0x身体強化0)=0


【魔力】0+(武術言語0x身体強化0)=0


【腕力】57+(武術言語34x身体強化2)=149<2節>103<1節>


【防御】57+(武術言語34x身体強化2)=149<2節>103<1節>


【敏捷】11+(武術言語7x身体強化1)=18<2節>15<1節>


【器用】16+(武術言語10x身体強化1)=26<2節>22<1節>


【スキル効果】


武術言語+60%(2節)。+40%(1節)


身体強化+3%


な、なんだこれ?

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る