第104話 覇王妃さまのお昼の情事?(7)

 今なら覇王妃さま自身が、籍(殿)に優しく振る舞えることが可能だから、身隠れしないで出てくるようにと、己の主さまを誘うのだよ。


 う~ん、でもさ?


 まあ、見ての通りだ。いくら覇王妃さまが、優しい声音で愛おしい籍を呼ぼうが、彼は只今、学舎にて勉学の途についている最中──。


 だからいくら覇王妃さまが優しく、囁く、甘えるような声色で呼び誘うが。彼女の主さまは、必ずと言って良い程、今の今に、屋敷へと帰宅をして、『羽~。ただいま~』と、優しく声音で覇王妃さまを呼ぶようなことはないのだ。


 と、いうか?



 覇王妃さま自身も多分? 只今籍が学舎──。秦学園のハイスクールへといることは了承……。彼女自身も知っているような気がするのだが?



 だってさ、覇王妃さまが、このお時間に、籍の所持するパソコンの液晶モニター画面から。彼女の住む亡者、黄泉の世界から。現世の世界を興味津々に覗き、観察を『フムフム』、『なるほど?』と、独り言を漏らしながら覗くのは今始まったことではないのだ。



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