辞める理由
***注意 今回は愚痴回です***
私は、現在書いている『ハイペリオン戦記』の完結後、しばらく間をおいてウェブ小説界隈から撤退する予定です。
『ハイペリオン戦記』も当初予定していたストーリーを大幅に削り、なんとか完結させようと考えており、撤退時期は遅くとも年内になるかと思います。
私がこういう決断をするに至ったのには、ある出来事があります。
それは、とある小説投稿サイトのコンテストでの出来事です。
そこは比較的新しくできたサイトで、私はそのプレオープン時期から参加していました。このときに連載を開始したのが『ハイペリオン戦記』です。
サイトオープンからしばらく経った時、そのサイトで「歴史・時代小説」を対象にしたコンテストを開催しました。私はそれまで歴史時代小説を書いたことはありませんでしたが、ちょっと面白そうだったので、思い切ってコンテスト用に小説を投稿することにしました。
書きたい題材も決まり、執筆に必要な資料が多くて苦労しましたが、なんとか長編小説を1本書き上げることができました。
物語は平安時代〜江戸時代、そして昭和の終わりまでの約千年間、時代とともに輪廻転生を繰り返す男女の巡り合いがテーマになるもので、書き上がった後に読み返してみてもややファンタジーっぽく、純粋な歴史時代小説とは呼べないかもしれませんが、悪くないという手応えを感じていました。
投稿を終え、他の作者さんがどんな小説を書いているのかを見てみましたが、結構しっかりした小説を書いている方もいれば、ラノベ風時代劇と書いている方、〇〇が女の子だったら、みたいな小説も多かったように思います。
中でも新撰組は一番人気で、多くの作者さんが題材として取り上げていました。
そして、募集締め切りの直後、サイトで応募状況を確認しました。
応募の条件は、以下の2つです。
・文字数が10万文字以上であること
・ジャンルを「歴史/時代」に設定していること
テーマを絞ったせいか、同サイトの小説コンテストに比べて参加者は少なく、中には締め切り過ぎても10万文字超えてない作品もいくつかありました。通常のコンテストでは1000作を超えていましたが、応募条件を満たしている作品は400作もありませんでした。
自作に対する手応えとライバルの少なさから、大賞は獲れないまでもある程度結果を残せるのではないか、と多少なりとも期待をしていました。
しかし、1次選考通過者の発表があったとき、愕然としました。
万年1次選考落ちが続いていた私にとって、通過者の中に名前がなかったことは「ああ、またか」と思い、慣れもあってそれほどショックを受けたりはしませんでした。
1人で何作も1次選考を通過している人が何人かいました。中には5作以上も名前が並んでいる人もいました。だいぶ不自然な結果のようにも思いましたが、「1人1作」と制限されていないのですから、こういうことが起こっても仕方ないと思いました。
問題は「応募条件を満たしていない作品が1次選考を通過していた」ということです。
さきほどコンテストの募集条件に「ジャンルを歴史/時代に設定していること」と書きましたが、1次通過作品の中にジャンルが「現代ファンタジー」の作品が1本ありました。
案の定、ネットでも大荒れだったようです。もうこうなってしまっては、せっかく歴史・時代小説大賞とした意味がありません。
ネットでの荒れ方の影響かどうかはわかりませんが、その作品は2次選考で落選となっていました。
これは作者が悪いわけではなく、明らかに運営側のミスでしょう。カテゴリーエラー作品が応募されてきたら、それは「募集要項を満たしていない」ということで1次で落選させればいいだけです。それをしないのは、通常の選考以外にもなにか意図があったのではないか、とネットでは盛んに考察されていました。
中には、他サイトで固定ファンのついている作者を引っ張ってこようとしているのではないか、といった意見まで飛び交っていました。
私の小説は大して読まれることもなく、落選しました。
仮に私の小説が「これは歴史小説ではない、ファンタジーだ」と判断されたのが落選の結果だたとしても、カテゴリーエラー作品が1次を通過しているのだから、説明がつきません。
それでも、自分の小説がそこまで悪いとは思いませんでした。他の作者さんの作品を読んでも、決して劣っているとは考えられませんでした。
そこで、投稿サイトでの小説を消し、Word形式に整えて、日本ファンタジーノベル大賞に応募してみることにしました。
日本ファンタジーノベル大賞を選んだのは、私の書いた小説がファンタジー色が強い歴史時代小説だったことがありました。それ以外にも、日本ファンタジーノベル大賞は、「ファンタジー」と銘打っているものの、剣と魔法のいわゆるハイ・ファンタジーは受賞せず、広義のファンタジー作品を対象にしている傾向があります。
そのままでは原稿枚数がわずかに足りなかったので、新たにエピローグを追加しましたが、大筋のストーリーは変更しませんでした。日本ファンタジーノベル大賞でも1次で落ちるようであれば、小説投稿サイトの選考の仕方は正しいということになりますし、2次選考以降に進んだのであれば、小説投稿サイトの選考は間違っていた、という証明になる。そう考え、私は応募しました。
結果は2次選考落選。
つまり、1次選考は通過しました。
「たかが1次選考通っただけじゃないか」と思うかもしれません。
それでも、自分の中で結論が出ました。
自分は、このサイトにいるべきではない。
そう思うと、すぐに既存作品の公開を停止し、代表作である『ハイペリオン戦記』をカクヨムへと移しました。
カクヨムでも、マイペースながら連載をしながら、公募用の小説も並行して執筆していました。
ところが、どちらのペースも上がりません。
片方を書けば、もう片方は「書いた気」になってしまい、結局どちらのペースも遅れる一方です。そこで、重要な方だけを残そう、と思い、公募に絞ることにしました。
とはいえ、いきなり作品を打ち切るわけにもいかず、やはり作り出したからには、とりあえずでも完結させたい、と考え、自作の完結を早めることになったわけです。
結局、今でも小説投稿サイトのコンテストで1次選考落ちした理由がわかりません。
ただ、「サイトの求めているもの」ではなかった、という結論を自分なりに出しました。
選考を通過した人の作品を見ても、どこかウェブ小説的な文体、ウェブ小説でよくあるキャラクターでしかありません。
そのサイトが求めているのはウェブ小説であって、一般小説ではない。私の目にはそう映りました。
もう済んだ話で、結論も出ていますから、これ以上例の投稿サイトのことを取り上げるつもりはありません。ちょっと調べれば、どのサイトのどの賞で起こった出来事かは、すぐに分かると思います。
愚痴になってしまったので、今回はここまでです。
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