第31話
「生徒会で〜す♪」
いつものように俺が朝拉致られるとではなく今回は放課後部活動中に奴らはやって来た。今日は会長がいるようだ。俺は生徒会にまた何か嫌がらせされそうなので早々に退散した。ま、今日家庭教師もあるしもう帰ろうっと。
「何ですか、今日は」
久保が嫌そうに尋ねた。
「ねぇ、この部活、何人?」
会長が指をクルクルさせながら久保に尋ねた。
「4人ですけど…?」
パチンッと会長は指を鳴らして、ニヤリと笑った。
「この家庭科部ll廃部ね♪」
「「「えぇぇええっ!!!」」」
部室内に全員の声が重なった。
「どうしてなんですか!?」
久保は立ち上がって、会長の前まで来て尋ねた。
「だって〜、もともと部活は5人以上いないと成立しない決まりだよ〜?まぁ、今年から6人になったけど♪まぁどのみち足りないよね?」
「うぐっ…」
久保はバツが悪くなったのか、聡志の方を見た。
「……そういえば、どうしてこの部活成立したんだ?」
聡志はふと疑問に思ったのか、そう呟いた。
確かに5人以上部員がいないと成立しない部活が出来ている。これは非常におかしいことだ。
「確か…部員集めたのって成瀬だったよな」
「あ、そうそう」
確か設立当時は成瀬が急に部員集まったから部活するぞ!ってな感じで始まったんだっけ?
「じゃあ成瀬、これってどういう…あれ?いない」
「成瀬なら生徒会来た瞬間に帰ったぞ」
「はぁ!?じゃあどうやって生徒会に説明するんだよ!」
「はいは〜い、取り敢えず一週間以内に部員6人集まらなかったらこの部廃部だから、じゃよろしくね〜」
そう言って、会長は出ていった。
「一週間って、無理でしょそんなの」
「ふっ、我らにかかればこんなの余裕…」
「朱里、もう塾の時間じゃないか?」
「…えっ!?嘘っ!帰らなきゃ!」
朱里は急いで帰る支度をして「では、さらばだ」と言いながら走って帰っていった。
取り残された二人は、閑散としている部室を見て
「「帰るか…」」
と、同時に呟いた。まぁ、成瀬のことだし何かしらしてくれるでしょ…超絶不安だけど。
「そういえば聡志、山岸さんは?」
「部活中、テニス部」
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