第28話
「はぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
人生が憂鬱だわ〜、勉強とか嫌だわ〜
俺は家庭教師に来た副会長を見て深い深い溜息を吐いた。
「こんにちは」
俺の溜息に一瞬戸惑いを感じたようだが、副会長はニコニコと挨拶をしてきた。
俺は家に招いて俺の部屋にへと案内をする。
「ここが俺の部屋な。あ、そうだ茶淹れろとか母さん言ってたな…。副会長、紅茶でいい?」
「あ、うん」
「じゃあテスト作ってきたから、これしてね?」
そう言って、副会長は10枚の紙を渡してきた。
「え?これ全部?」
全て両面印刷されている。もちろん解答用紙はない
「うん」
え、鬼かよ…
家庭教師初日とは思えないほどの量だな…
「こんなにする必要あるのか?」
「今まで習ってきた総復習だからね」
まじかよ…数2まであんのかよ
「それじゃあ始めて」
「はいはい」
俺はテスト用紙を見る
が、何一つ分からん。あ〜もういいや適当にかこ
「…それにしても広い部屋だね」
副会長は俺の部屋を見渡して感嘆するように言葉を漏らした。俺の部屋は自分で言うのもなんだがかなり広い。大型テレビにソファや冷蔵庫などが広々と置かれている。
「なぁ休憩していい?」
「まだ開始3分も経ってないよ…?」
「ちぇっ、」
優しい副会長様なら許してくれると思ったのに。
「出来たぁー!」
俺は腕をあげて倒れ込む。
「お疲れ様、採点するまで休憩していいよ」
「うっしゃぁー!」
俺は直ぐに立ち上がってある部屋に入った。
「よし、採点完了」
私は少し伸びをして体をほぐす。
成瀬くんの出来ははっきり言ってそんなに良くはない。国語と社会と理科は全然で数学はできているところは満点で、出来ていないところは全く、英語は和訳はできているけど文章を書くとなると文法はグチャグチャだ。
(思ってたよりヤバイかも…)
「成瀬くん出来たよーーってあれ?」
まだ、何処かに行ってから帰ってきていないようだ。さっき出ていったドアを開ける。
「いるー?成瀬く……」
「ん?」
そこに成瀬くんはいて、思いっ切り目が合った。それだけなら良かったのだが、問題はーー
「きゃあぁーー!!」
彼が全裸であったことだ。
しかも、しっかりと下の方まで見てしまったのだ。
私はその場に倒れ込んだ。
「お?大丈夫か?」
俺は急に倒れ込んだ副会長を覗き込む。
「どうしたの!?」
悲鳴を聞きつけたのか真奈が俺の部屋のドアを勢いよく開けた。
「あ…」
片方には全裸の男、片方は悲鳴をあげて倒れ込んだ女。
「……っ!何やってんのよ、お兄ぃ!!」
うんうん、誤解されたな
俺はそっとドアを閉めた。次からシャワー浴びるときは鍵かけよ
ドンドンとドアの叩く音を無視して着替え始めた。
「はいはい、うるせーよ」
俺は全身着替え終わって未だ激しく音のなるドアを開ける。
「うるさいじゃないよ!!」
開けた途端真奈が叫びながら飛び掛かってくる。そして俺の胸ぐらを摑んで前後に激しく揺らしてくる。
「お、おい…やめ、」
「何やってるのよ!変態!犯罪者!」
「いやいや、被害者だろ、俺は」
「どこがよ!」
真奈は俺の頭をポカポカと殴って…いや、ボコボコか?まぁ、かなり強めに殴ってきているということだ。
「あ、あ〜!真奈ちゃん、落ち着いて!」
ここでようやく正気に戻った副会長が真奈を止めに入る。
「いやいや、こんなクソお兄ぃは制裁するべきだよ!」
「クソ、お兄ぃ…?」
俺は膝から崩れ落ちた。天使のような妹からクソ、クソ、クソお兄ぃだと……?あ〜、人生終了で〜す!もう、いいです…
俺は部屋の隅っこに蹲った。
「ど、どうしたのかな?」
「さぁ?それより大丈夫だった?」
「え…あ、えっと\\\」
副会長は先程のことを思い出したのか顔を真っ赤にさせてしどろもどろになる。
「やっぱりぶち殺す!」
真奈は叫んで蹲っている俺に飛びかかった。
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