第14話
「どうした?元気ないな、二人とも」
聡志が二人揃って、机にうつぶしている様子を見てつぶやく。
「成瀬は家庭教師、朱里は塾に入れられたんだって」
「あー、それでか、何点取ったんだ?」
「……百点」
俺は消え入りそうな声で答えた
「……ん?合計でか?」
聡志は本当に驚いた表情をして、久保の方を見る。久保は小さく頷いき、聡志は顔を手で覆った。
「あ、そうだ、聡志に家庭教師をやってもらったらいいや」
俺はハッとして机から体を起こした。
「いや、無理だ…。ほぼほぼバイトで埋まってるし、それに俺が家庭教師をするって言っても親が許さないだろ…顔も割れてるんだし」
「それもそうか……」
俺はまた机に顔をつける。
「いつからなんだ?」
「家庭教師が見つかり次第だってよ」
「そうか、できるだけ早く見つかるといいな」
「なんでだよ!一生見つからなくていいわ!」
「見つかったわよ〜!家庭教師!」
家に帰ると母さんが嬉しそうに報告してきた。
「もう!?」
「うん、良かったね〜!」
「は〜、そうですね〜」
俺は心にもない返事をする。こんなに早く見つかるのは想定外だった。
「ということで明日来てくれることになったから。部屋、片付けときなさいよ〜」
「明日かよ、…はぁ」
俺はそう適当に返事をして、自分の部屋に向かった。
(優しそうな人だったらいいな……じゃないと死ぬ)
俺はベッドに寝転がる。そのままウトウトして寝てしまった。
「あ、そうだ。なー君に同じ学校の人だよ〜っ伝えるの忘れてた」
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