第3話


結局あのまま入学式は続いた。なんか理事長が生徒の自主性を重んじるとか話していたけど、あれはヤバいでしょ……



「続いて生徒会長からの挨拶です、姫沢さん宜しくお願いします」

「は〜い♪」


間延びした声が体育館の中に響く。


壇上に一人の女子生徒が上がってきた。


金髪でツインテールをして、これまた滅茶苦茶美女。この学園めっちゃ可愛い人多いなぁ。


会長はマイクをスタンドから取り外し、少し前に出てきた。


「は〜い、私が会長の姫沢唯で~す。宜しく〜」


そうとだけ言って、マイクを片付け、自分の席へと戻っていった。


(え、それだけ!?)


周りのみんなも思っているようで、僕と同じように戸惑っている。


「次に生徒会からの学校説明です、生徒会の皆さんお願いします」


進行を務める生徒や二、三年生はさも当たり前のように振る舞っている。高校ではこれが普通なのか?


生徒会の面々が出てきて丁寧に学校の案内を始める。が、真面目でしっかりとした説明なんだけど、もう疲れて何も頭に入ってこない。


「以上で学校説明を終わります」

「ありがとうございました。最後に副会長からの挨拶です、神咲詩乃さん宜しくお願いします」


まだあるのか………


というか会長が先に挨拶したんだしもういいじゃん。それに、順番的にも最後に会長持ってこない?


副会長が礼をして真ん中に立つ。


うん、またもや美人だ。今回は清楚系で真面目そうだぞ?……うんフラグだな


「1年生の皆さんご入学おめでとうございます。私は二年、副会長の神咲詩乃です。この学園は生徒の自由な意志を尊重する学園であることはご存知でしたか?文化祭や体育祭といった行事はもちろん、部活動などでも生徒が主体となって活動していきます。ただし、これは自由であるとは異なります。あくまでも社会的規範を守らなければなりません」



僕はその話を聞いてこう思った。




今の生徒会はオッケーなの!?



「この学園には様々なクラスがあります。まず学力が優秀であるURクラスの皆さん。このクラスからは東大、京大、早田、王慶など、様々な難関国公立大学や私立大学の合格者が多数輩出されています。さらにそれだけではなく、ハーバード大学といった世界でもトップの大学に進学する人もいます。勉学は難しいですが、それ以上の先生方のサポートもついています。頑張ってください。NRクラスの皆さんも全国的に見ればかなり上位の人達ばかりです。中学校のときと比べ高校では急に成績がのびることが多いですSRクラスなんかに負けないように頑張ってください。次にSPクラスの皆さん。全国有数のトップ選手が集まってきていると思います。このクラスからはオリンピック選手やメジャーにいった生徒たちもたくさんいますね。日々ライバルと競い合い、鍛錬を重ね、日本を代表する選手になれるよう頑張って下さい。最後にShefクラスの皆さん。このクラスからは三ツ星レストランのシェフや料理長にまで上り詰めた人など世界に通用する料理人を多数輩出しています。アイデアを凝らして、世界中を笑顔にできるようなシェフになれるよう頑張って下さい。長くなりましたが、この学園をどうぞ宜しくお願いします。生徒会副会長、神咲詩乃」


副会長は深々とお辞儀をする。その瞬間盛大な拍手が降り注いだ。


僕達の心の中は全員一致しているだろう。



この子が会長でよくない?、と







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