第2話





「お前なぁ、初日から忘れ物ってなぁ?」


俺はすぐに職員室に呼び出しをくらい、今松永先生と対面して椅子に座らされている。


「あ、持ってきてますよ?」

「………はぁ?じゃあ出せよ」


松永先生は訳もわからないような顔をして、催促する。いや、流石に初日から忘れ物はヤバいだろ。俺でもそう思うわ。


俺は鞄からノートを取り出す。




「やってないですけどいいですか?」



俺はニッコリして言った。そうしたら先生もニッコリして


「三者面談するから、お母様にそう伝えて」

「申し訳御座いませんでした」


三者面談というワードを聞いた瞬間俺は華麗なる土下座をした。


「おい、流石に土下座は…」

「申し訳ございませんでした!『ヤル気』はあったんです!先生がどうしても、ダセというのなら放課後にでも、『シ』ますから!」

「おいおい!なんか卑猥に聞こえるぞ!?」


先生は立ち上がってオロオロとする。周りの目が痛いのであろう。


「俺は(宿題を)ヤりたいです!先生!」

「も、もう、分かったから、教室に戻れ」


松永先生は顔を真っ赤にして俺を追い出した。


出る時に横目で先生の方を見るとはげの教頭に怒られていた。ザマァ〜見ろ今野郎!












学校初日ということで何もすることもなく淡々と時間が流れていき、帰りのホームルームとなった。


「明日は入学式だ。先輩になるんだ。それに相応しい態度を取るようにな」


先生はそう言ってホームルームを締め括った。


この学園は何故か入学式と始業式がずれていて一日早く俺たちは1年より先に学園に来ているのだ。


それにしても先輩らしい態度か……


俺は明日に備えて準備することにした。









次の日、入学式当日



僕の名前は山本和也。至って平凡な冴えない男だ。でも今日こそはそんな自分を変えていきたいと思う。


なぜなら今日から高校生。高校デビューと笑われるかもしれないが自分を変えるなら今しかない。だってせっかく頑張って中学校の面子と誰も被らない千夜一学園に入ったのだから。…親に感謝だね。


だから僕は今日から




眼鏡からコンタクトにしたんだ!  ※モブです



僕は体育館に入り、決められた席に着く。そろそろ式が始まる時間だ。


(ん?となりが居ないぞ?遅刻か?)


初日から遅刻ってありえないよな。もしかして式の途中に扉から急に来て、ヤンキーです!みたいな感じなのかな?


そんなこんなしている内に新入生の紹介が始まった。紹介と言っても名前が呼ばれて返事をするだけだ


あ行から順に名前が呼ばれていく。


そして、



「山田和人さん…………ん?山田さーん?」


最初に出欠を取っていないので欠席なのかも分からず先生方も困ってしまっている。


と、その時



バン!!とした音と共に生徒が入ってきた。


その生徒は緑髪でツンツン爆発みたいな髪をしていて、サングラスをかけたヤバいやつだった。


(まさか、あいつが山田!?うっわ、ヤバい奴だ!入学早々ついてないな……ん?)


よく見るとその後ろに誰かがいる。3…人?


一人は眼帯をつけて、黒いマントのようなものを羽織っている美女。って、可愛いな!二度見どころか3度見してしていまう程可愛い。もしかして山田の彼女か?


その後ろに眼鏡の縁を上下させてなんかやたらと賢そうアピールをしている長身の男。


最後に恥ずかしそうにシャキーンのポーズをしている金髪の男



え?どいつが山田?名前的に女じゃないから……??


「どけ」


体育館中がざわめく中、さらにもう一人現れた。さっきの眼鏡をかけた男より一回り大きく、筋肉もゴリラ並にあり、トサカみたいな髪の毛をしている男。


「あ~ん!?なんだとゴラぁ!?」


緑髪の奴はその大男にメンチをきる。体格差がかなりあるのに流石ヤンキー、物怖じけない。


「あ?邪魔だ、どけっつってるだろ」


負けじと大男も睨み返す。怖っ!


「すいませんでした!!」


緑髪の男は一瞬でビビってすぐに道を開けた。って弱っ!なんなのあいつ!?うわー、相手に見えないからってあっかんべーしてるし…


「おい!!!お前らぁ!!今日から俺の命令は絶対だからんなぁ!いいかぁ!!」


大男は少しこちらまで歩いてくるとそう大声で叫んだ。ヤバい、この学園ヤバいよ。何なんだよあいつ!!


それだけを言って山田?は帰ろうと後ろを向く。


緑髪の男がビクッとしていたが、僕の内心も彼と同じくらいビビっている。


「おい、1年」

「あ?」


教員達が動く前に一人の生徒が山田?に声をかけた。


「入学式滅茶苦茶にするなよ。こういう奴見てると虫酸が走る」


声をかけた生徒はまさかの女子生徒だった。美しい黒髪のロングで滅茶苦茶美女。ピアスも開けてるし、僕みたいな人とは関わらなさそうな、まあ所謂ヤンキー……かな?


「あ?……ふっ、いい女だな。俺の女にしてやるよ」

「嫌に決まってるでしょ。お前みたいな猿となんか」


山田?はカチンときて分かりやすく青筋が浮き立っている。


「女だと思って殴らないとでも思うか?そういう生意気なやつはーーっぐぶ!」


そう言いながら山田?は殴りかかる。


が、それより速く金髪の女子は山田?の顔面を蹴り飛ばした。体格差もあるのに瞬殺だった。


「もう、威張るなよ、雑魚」


そう言って彼女は席に戻っていく。帰る途中で緑髪の男も蹴り飛ばしたけれど……。仲間の人達は一目散に自分の席に……って先輩だったの!?


戻っていく席が二年生の席だったのだ。僕はこの学園この先大丈夫なのか、本当にかんがえてしまった。
























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