でんじゃら!
千夜一夜nnc
第1話
私立千夜一学園
日本でも有数の学力を誇るURクラス、スポーツをするために全国から集まってくるようなスポーツ推薦のクラス、三ツ星レストランシェフをも輩出する料理専門クラスといった多くのクラスがあるザ名門校。
その学園に通う俺、咲夜成瀬は高校2年生だ。
「僕さ、思ったんだ」
俺の親友である久保昇利は机に両肘をつけ深刻な趣で話し始める。
「なんで僕には彼女が出来ないのか」
「………なんでだろうな?」
「確かにな」
もう一人の親友の山崎聡志も混じって考える。
確かに俺達には今彼女がいない。周りはあんなに青春を仰いでいるのに、俺たちにはまだ春が訪れていない。理不尽だな!
山崎聡志は一番上のクラスであるURクラスであり、その中でも学力は常に上位。眼鏡をかけたザインテリ系でまあまあ顔も良い。モテないはずがないのだが……
そして久保昇利は……頭は中の下で、運動もそこまでで………あれ?こいつ何ができるんだ?たまに奇跡を起こすから勝手にミラクル久保と呼んでいるくらいで……うん。わからん
「私はこの世界が絶望に染まる、黒い眼差しが見えた。そのためにパートナーは要らない。私が必要としているのはあなた達相棒!」
横からショートヘアーの水樹朱里が顔を出してくる。朱里は俺と久保と同じクラスでだいたいこの4人で集まっていることが多い。ちなみに俺達のクラスはNRクラスという至って普通のクラスだ。
あ、ちなみに水樹朱里は眼帯を付けている所謂厨二病を患っている。
「なんで世界が絶望にそまるんだ?」
「よく聞いてくれた。なんと、ダークドラグナーの軍勢が攻めてくるのだ。私もこの邪眼を使わなければきっと勝てない」
「じゃあ使えば?」
久保が至極真っ当なことを言う。
「それは出来ない。この力を使うには真実の愛で結ばれたパートナーが必要。つまり、今私が使えば無事には済まない」
「じゃあ彼氏いるじゃん!」
「………ふっ。あなた達以外盟友と呼べる存在がいないのにどうやってパートナーを作る」
朱里は指を3本おでこにつけて格好をつけて言っているが要約すれば俺たち以外に友達がいないってことだ。
まあ、朱里はこんな性格していて実際は人見知りだからな〜
キーンコーンカーンコーン
至ってシンプルなチャイムが鳴った。
「もうチャイムか。急いで教室に戻らないとな」
「おう、またな」
「ああ」
聡志は教室を出ていく。それと入れ代わりのように担任の松永先生が入ってきた。
松永先生は30歳独身の所謂行き遅れた女だ。
顔、スタイルはいいのに性格が災いして彼氏がなかなか作れない。
「ホームルーム始めるぞー。取り敢えず有岡、号令」
きりーっつ、と間延びした声から今日新学期が始まる。
俺はビシッと姿勢を正し、礼をする。
やはり新学期最初はビシッと決めることが大切だ。そうじゃないとなんにも締まらない。
「じゃあ春休みの宿題を回収するぞ。忘れた奴は…いないよな?」
みんなが姿勢を正して静かにしてある中、俺はビシッと一人手を挙げていた。
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