吐き出すとスッキリするタイプ
れーこさんは強い人だ。そして、俺は弱い人だ。そう思っていた。
だけど人間は完璧なんて無い。
れーこさんだって完璧に見えるだけで完璧じゃないんだ。泣く事だってある。
俺の胸に頭を押し付けて嗚咽をあげるれーこさんをどうしたらいいのか困惑していた。
頭を抱いてあげたほうがいい? それとも撫でる?
くるくると回る思考が色々な出来事を思い描く。
そうして絞り出したのは
「大丈夫」
の一言だった。
れーこさんはその一言に体を震わせてより強く頭を押し付けてきた。
えぐえぐと泣くれーこさんは失礼ながら非常に艶めかしかった。
普段が普段なわけでこういう姿ははじめて見たのだからしょうがない。
落ち着いた所でれーこさんの話を聞いた。
話し上手よりも聞き上手。
なるべく遮らない様に彼女の話を聞いた。
話を終えた彼女の顔は俺に告白をした時の様なスッキリとした顔だった。
その顔で俺の胸に頭を軽く押し当てて来るのは反則! 反則だって!! もんもんが今夜のもんもんが!!
俺が泣いてからというもの彼女からのスキンシップが多くなっている気がする。
これは、どういう事なんだってばよ?
俺たちは付き合っているんだよね?
付き合うの階位が上昇するとどうなるんだ?
同棲?
結婚?
え? まだまだだって思っていたけどもう秒読み?
そこから妊娠?
もう妊娠?
俺が目を開いたり閉じたりしていると彼女は俺の頬を撫でて言った。
「そう言うのはまだ早い、かな」
ねえ、心読んでないです?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます