第3話

僕たちはシャノワールさんからの依頼で正体がシャノワールさんの妹かもしれないという事で怪盗ではなくシャイリスさんを探すこと、できればシャノワールさんの元へ連れていくという事になったんだ。

さて、そんな僕達は犯行予告のシャノワールさんの自宅。彼女の部屋に通され犯行時刻を待ちながら準備をすることにしたんだ。まずは進入路、退出路を一つにし、お屋敷に入れるのは関係者のみにしてパトロールを厳重強化したんだ。

「これだけ厳重にしていたら入ってこれないよね…」

僕が辺りを見回しながら言うとらいとは難しい顔をして考え込んでる。

「なあ…みら…シャノワールさんは妹を改心させたいだけだよな…きっと……。」

「えっ?らいと…もしかして…。」

僕には…らいとの考えがわかってしまった…。

そんな話をしているとシャノワールさんが来たんだ。

「君達、本当に、ここまで来て手伝ってくれてありがとう……。」

そう話す、シャノワールさんの目から涙が…こぼれた…。

「シャノワール…さん……。」

「僕達がシャノワールさんの力になるから!」

僕がそう言うとシャノワールさんは語り始めたんだ…。

「私達は倭国の財閥に生まれたの…そして幼い頃から私も妹もトップレベルの学業を受けさせられその世界しか知らない私達はずっとそれが幸せだと思って育ってきたの…でもそんな幸せは長くは続かなかったわ…。」

シャノワールさんはため息をつくと話を続けたんだ。

「私達の家はある意味幸せだったのかもしれないけどそれはハリボテの幸せだったんだなと思わせる出来事が起きたの…。」

らいとを見るとじっと話を聞いている。

「ある日、私が家に帰ると母と妹が消えていなくなっていて…慌てて父を問いただしたら…あいつらはもう…うちの家族ではないと……。」

そう言うとシャノワールさんは、唇を噛みしめて話す。

「私は…ショックで父を捨て故郷を捨て母と妹の行方を探して…いつの間にかこの街にたどり着き今に至るの…。そして最近…彼女…シャイリスの話題のニュースをみて妹をやっと見つけたの……。」

全てを僕達に話してくれたシャノワールさんの肩にそっと手をおき僕は告げる。

「シャノワールさん…僕達に任せてよ!」

すると、もう片方の肩にらいとも手を添える。

「俺達にまかせなよ!」

らいとも笑顔でシャノワールさんに言ったんだ。

「ありがとう二人とも……。」

こうして僕達はシャノワールさんに誓ったのだった。そして…。その頃…。シャノワール宅、屋根上にて……。

「姉さん……フフッ…。」

その身をゴスロリ風の黒の衣装に包み、静かな笑みを浮かべたその女性はそう一言呟くと彼女は魔力を溜め始める…。彼女の身体は黒い闇に包まれていく…。

『闇魔法…オープンゲート……。』

身体の足元に作られた闇に彼女の身体は吸い込まれていく。そして彼女は屋根から姿を消すのでした。

 僕達はシャノワールさんを残しシャノワールさんの狙われるであろうと予測された雅家に代々伝えられてきたとされる『光の勾玉』が飾られた宝物庫にたどり着いたのだ…。

「ここだな……光の勾玉がある場所は。」

光の勾玉…それは雅家の至宝とされる勾玉でこれは本来はシャノワールさんの父が持っていたものだった。しかし父とも縁を切っていたシャノワールさんは偶然闇世界で流れたこの勾玉を見つけ手にしていたというのだ。僕達が部家に入ると中は闇に覆われ闇の中に小さな光を見つける。

「あれが光の勾玉…か。」

らいとがそう言うと光の勾玉はその光をゆっくり放っていたのだった。


第三話読んでいただきありがとうございました!

シャノワールさんの過去、シャノワールと妹シャイリスさんの行方。

そしてみらいとらいとは彼女を捕まえることはできるのか…。












  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る