第2話

それはシャノワールさんの聞いているところから始まる。

「えっ?シャノワールさんの依頼って?」

「実は………。」

シャノワールさんは神妙な顔つきになり…話し始めたんだ。

「ここ一ヶ月くらい前から妙な話がこの辺りで流れたんだけどギルドとかテレビとかで聞いた事あるかしら……?怪盗『 ピンクルビー 』って今、世間を騒がせている者の事……。」

それはちょっと前からテレビニュースで僕達も目にはしていた事件で…この街のお宝を狙う盗人だ…。

「噂は聞いてましたけど……それが何か……。」

シャノワールさんは、ふぅ…とため息を着くと怪盗の話を僕達に聞かせてくれたのでした。

「実はね…その怪盗はこの街に来る前も世界を渡り歩く怪盗だったらしいのよ……。」

「えっ?世界ですか?」

僕が聞き返すとシャノワールさんは頷き、また話を続けたんだ。

「そう……気が向くとかそういったレベルで盗みを働くらしいからとか、強盗だとか殺人だとかそういう障害は起こすわけではなく単純に盗みだけ…しかも…義賊という噂もあるくらいなの……。」

「義賊……ですか?」

らいとが義賊という言葉に食らいついてくる……らいとって確かそういった話も好きだったりしたな……。って事でらいとは当然こうなるよね……。僕はらいとを見ながらそんな事を考えているとシャノワールさんが依頼をしてきたのだ。

「そこで!……君達にお願いというのは…これを見てくれる?」

僕達に差し出した物は一通の手紙だったんだ。

「これって……。」

僕が渡された手紙は白の便箋に宛先はシャノワールさん……そして…差し出し人は『猫の肉球マーク』っぽい印がそこには印されていたのでした。

「これって……どこかで見た気がするなぁ……」

僕はどこかで見た気がして口からもれたんだ。「えっ?それは…どこで見たか覚えてる?」

僕は考えて見たけど中々思ないでいると隣にいたらいとも顎に手を当てて考えていたんだ。

「ぅーー…。」

らいとが考え混んでいるとハッと我に返って叫んだんだ。

「そうだ!さっき、ここに来る途中怪しい奴にみらが吹き飛ばされたじゃねえか!?あの時の奴の首に一瞬だけそのマークが見えた気がするぜ!?」

僕はハッとした…確かにぶつかられてあまり見えてなく忽然と消えたしよく覚えてなかったけど…僕も心のどこかで引っかかっていたのは確かにそれだった。

「あなた達怪盗『ピンクルビー』を見たの……?」

「ここに来る途中偶然出くわしたんです…。そう…きっと間違いなくそいつが怪盗『ピンクルビー』です。」

そう言うとシャノワールさんは顔を少し曇らせ

言ったんだ。

「それでね…そいつの噂はずっと聞いていたんだけどね…等々今日ね。私の屋敷にその怪盗の予告状が届いたって訳よ…。」

僕達は顔を見合わせるとシャノワールさんに先程の出来事を伝えたのだ。

「そうだったのね……。年齢は10代後半くらいの娘って感じで素早い身のこなし、そして忽然と消える技……ミステリアスな怪盗って感じね…。」

「でも…あいつを特定するとすれば…奴の首にあった肉球マークがヒントになりそうだな?」

らいとは目を輝かせながら言っていた。そう…らいともそういう推理物の話も好きだったりするのだった。すると、シャノワールさんは口を開く。

「そうなのね…私の依頼って言うのはね…その子…怪盗『ピンクルビー』を捕まえて私の元へ連れてきてほしいの……。」

「えっ?」

驚きと動揺で僕は固まっていると…らいとがシャノワールさんに話しかけるのだった。

「シャノワールさん…もしかして…」

らいとのそんな質問にシャノワールさんは長い下ろしていた髪を背中にふわりとかけたのです。そして首筋を僕達に向けると、なんとそこには……あの怪盗の首筋にあったあざと同じ肉球マークがあったのです!

「そう…らいと君の推察通りよ…。あの怪盗の正体はきっと…私の幼い頃に昔に生き別れた妹…シャイリス、雅…よ。」

シャノワールさんはそう言うと髪を整え僕達に急に頭を下げる。そして言葉にする。

「お願いします…私の妹を捕まえて私にあの子の人生を変えるチャンスを与えて欲しいの!」

「シャノワールさん…。」

「僕達に任せてよ!シャノワールさん!」

らいとも僕もシャノワールさんにはいつもお世話になってるんだ。絶対シャノワールさんの依頼叶えるんだ!僕達の答えはお互い決まっていた。

「ありがとう二人とも…。」

僕達は行ってきますの代わりにシャノワールさんに笑顔を返して早速聞き込みに先程の警察の元へ向かうのだった。

「ねぇ…らいと?よく見ていたね?あの子」

「ん?まぁな…お前にあの時ぶつかって離れた時見えたんだよ。」

「でも…シャノワールさんの妹…か。」

僕はぶつかられてそこまで見てはいなかったけどそこはさすがらいとだ。しばらく僕達が歩くとこの街の警察署が見えた。この『ポリス』と書かれた建物がこの街の治安を守る警察署なのだ。僕達はあまり来る事はない場所だった。

「さっきは途中で帰ってきたけど…ね?」

「まぁな…まさか来る事になるとはな…」

そんな話をしながら僕達は警察署へと入っていくと先程の警察官に先程の追いかけていた男がまだ話していたのだった。丁度良かった僕達は声をかける。

「こんにちは!先程は失礼しました。」

僕が声をかけると警察官が気づき声をかけてくれた。

「ああ!さっきの少年たちか…。どうしたんだい?」

「僕達もさっきの件で話を聞きたくて来たんですけどいいですか?」

僕の提案に警察官はちょっと微妙な顔をしたんだけどシャノワールさんの名前出していいという許可はもらっていたので使うと二つ返事で了解を得て僕達は刑事本部へ通されたのだった。

「それで、全体的な流れが僕達走りたいのですが…。」

「わかりました。では状況を説明します。彼女は一月程前の闇夜から満月が現れた時…ふと…この街のアリメシア邸という御屋敷に現れたんです。」

警察官はそう言うとゆっくりとまた語ったんだ。

「アリメシア邸はこの街では一二を争うほどの豪邸で警備は万全で常に要人が雇われ警備は万全なはず…だったのです…でもその日の夕方、屋敷に犯行予告が送られてきたのです。」

僕がゴクリと唾を飲み込む。

「犯行予告には、今宵の月が陰る時、貴方の大切な物は私の手の中に……。」

今宵の月が陰る時…これは月が沈んでいく夜更け過ぎの時間…かな?そして大切な物を奪いに来る…という犯行予告…これまでも犯人の『ピンクルビー』はこうして犯行を重ねてきたんだ。でも一度も捕まってはおらず…警察も手をやいているという事らしい…。事実僕があの時ぶつかった彼女が犯人なのだろうけど本当に煙のように消えたんだ。

「犯人の犯行予告は定期的に来たりするのか?」

らいとの質問に警察官は答える。

「前は月に月に一度くらいの頻度だったのですが最近は三日に一度という頻度で来てます。」

警察官の情報にらいとは顎に手を当てながら考えをまとめているようだ。

「じゃあ次の犯行予告時には僕達も協力したいんだけど…どうですか?」

僕が提案するとらいとも警察官の言葉を待つ。

「それは私としては有難い。あの時ぶつかった君達は有力な協力者になってくれると私も思います。」

「じゃあ次の犯行予告に連絡お待ちしております。」

僕達はそう言うとひとまずその場を去り家に向かったのでした。そして……。数日後、犯行予告が届いたという知らせが入り、僕達も

向かう事になったんだ。それがなんと…シャノワールさんの家という事だった。僕達がシャノワールさんの家に着くと中へ通されたのでした。



第二話目読んでいただきありがとうございました!

シャノワールさんの妹の可能性のある犯人。そしてみらいとらいとはその犯人を捕まえることはできるのか……。

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