第9話 宇宙人と長い一日②
教室に戻ると一時限目は終わって二時限目が始まる前だった
教室に入るとすぐに亜梨沙が飛んで来た
亜梨沙「ちょっと葵大丈夫?なんか保健室でヤンキーの奴らが騒いでたって話聞いたんだけど大丈夫だった?」
葵「いやぁー今日は朝から大変だよ…朝からあんな怖い思いしたのは小学生の頃に野良犬に追いかけられながら学校まで走って逃げた以来だよ…」
亜梨沙「なんか葵らしい思い出だね… でもさ葵ヤンキーとかめちゃくちゃ苦手じゃんね アイツと二人で大丈夫だった?」
葵「それがさ蒼柳君がヤンキー達を撃退しちゃったんだよね!私もビックリしたんだけどさ 本当に謎だよ蒼柳君は」
亜梨沙「へぇーー!やるなぁアイツ そんなめちゃくちゃ強そうに見えないけどね でも助けてくれたんじゃ意外と良いとこあるじゃん!」
葵「ま、まぁ助けてくれたと言うかなんと言いますかそこら辺は良く分からないんですが… でも蒼柳君もお腹治ったみたいだし良かったよ!」
亜梨沙「あの薬の効力半端無くない? あんな効くなんて思わなかったよ アハハハ ウケる」
葵「もー亜梨沙、ちゃんと謝りなよね 私も謝ったんだからね!」
亜梨沙「ヘイヘイ 謝っときますよーー にしてもあの薬の力凄いなぁ またなんかあったら使ってやろうかな へっへっへ」
蒼柳「なるほど まだあの薬を持っているのか ならば速やかに貴様と薬を排除しなくてわならんな」
葵「あ、蒼柳君!」
亜梨沙「ひゃあ! い、いつのまに… レディーの話の盗み聞きなんて趣味悪いわよ!」
蒼柳「盗み聞きなどしていない お前の声がデカいから嫌でも耳に入るのだ」
亜梨沙「な、なによ!」
葵「ちょ、ほら亜梨沙 ちゃんと謝んなきゃ」
亜梨沙はムスッとしながら渋々謝った
亜梨沙「ま、まぁあの薬があんなに効くとは思わなかったの でも騙して飲ませたのは私が悪いわ それは謝るわ それに保健室で葵をヤンキーから守ってくれたみたいね ちょっとアンタの事誤解してたみたい それもありがとう」
蒼柳「ふん そんな顔で謝ってもらっても気持ちが伝わらんわ 土下座でもしたらどうだ 土・下・座」
亜梨沙「はぁー?なにコイツ!やっぱムカつく!
撤回よ!撤回!絶対また腹壊させてやる!」
蒼柳「それに星宮の事は助けたつもりはない
ただあの不良供より星宮の方が強かった 俺が居なくてもなんとなっただろう 俺からしても目障りだったのでな ちょっと脅しただけだ あまり派手に動くと学校では目立つからな」
亜梨沙「え、ちょ葵の方が強いって意味わかんな…」
葵「私もそれはわかりません…」
蒼柳「お前達にはわからんか ポンコツだな 強い弱いは腕っ節や力で決まる物ではない いかなる状況でも自分を持っていられるかだ 自分の思いを貫き通せるかだ 自分より強い相手に勝てないと分かっていても立ち向かえるかどうかだ あの時の星宮にはそれがあったのだ」
亜梨沙「へ、へぇー すごいじゃん葵」
亜梨沙はポカーンとして驚いていた
葵「んーそうかなぁ 自分では分からないけど
私は亜梨沙に守って貰ってばっかりだから
自分でも頑張らなきゃって思ってさ あははは」
亜梨沙「葵… そんな無理しなくていいのに
大丈夫!なんかあったら次こそは飛んでくからね!」
葵「うん!ありがとう亜梨沙!」
二人でニコニコ微笑んでいると
蒼柳「はしゃいでいる場合では無いぞお前達」
二人「へ?」
蒼柳「お前達二人は俺の腹を壊した その罰として
今日は俺に一日付き合って貰うぞ覚悟しろ」
二人「え、は、はい…」
私と亜梨沙は何も言い返せなかった
さすがの亜梨沙もションボリしていた
そんなこんなで気付けばお昼の時間である
朝から色々あってお腹がぺこぺこだ
亜梨沙「ふぁー授業疲れたー お腹空いたねぇー」
葵「もう今日は朝からクタクタだよ 帰って寝たいよ…」
亜梨沙「葵は今日は朝から災難だよね とりあえずお昼だしご飯食べに食堂いこ! 今日お弁当忘れたんだよね」
葵「あー!私もだ!久しぶりに食堂で食べよっか!」
やっとお昼だ 今日は疲れるし長く感じるなぁと
思いながら食堂に向かっていると更に疲れる奴が来た
宮田「星宮さん!おはようございます!と言うべきなのかもうお昼なのでこんにちわ!と言うべきなのか!」
星宮「あ、あぁ宮田くん おはようこんにちわ じゃ」
宮田「くぅぅぅ 今日も素気ない完璧な塩対応!
でもそれもまた!たまりませんね!食堂でお昼ですか? ご一緒に宜しいでしょうか?」
あーこんな疲れてる日にめんどくさいなぁ
断ってもゾンビみたいに蘇って来るからな
星宮「あーまぁうん…」
宮田「星宮さんとランチなんて何気に初めてですね!今日は宮田白馬記念日とカレンダーに書いておきますね 二人でお昼なんて実に高校生らしい青春!」
星宮「あ、二人じゃ無いよ 亜梨沙もいるよ」
亜梨沙「おい 宮田 うるさい 消えろ」
宮田「ん、ぎぁぁぁぁ 桐ヶ崎さん、、居たんですね… で、ですが今日は負けませんよ!星宮さんとのランチチケットを手に入れたのは僕なのですからね
桐ヶ崎さんはあのうるさいちびっ子と一緒に食べたらどうで ぶっっっ!」
亜梨沙の華麗な回し蹴りが宮田の顔面を直撃した
眼鏡だけがその場に残った
亜梨沙「相変わらずうっさいわね そんなチケット無いっての 全く 葵あんなバカはほっといて早く行こ」
葵「う、うんそうだね!宮田君ごめんね!」
亜梨沙の回し蹴りは相変わらずすごい
この光景を私はなんど見たことか
宮田「ふ、ふふふふ 甘いですね桐ヶ崎さん 今日の僕はしぶといんですよ 何度あなたの回し蹴りを食らった事か もう慣れました 僕にはもう耐性があるんですよ 不死鳥の如く蘇りますよ!」
亜梨沙「うっわめんどくさ 不死鳥じゃなくてゾンビだろが」
宮田「さぁ星宮さん 今日は僕と一緒に優雅なお昼の時間を過ごそっブッッッッッ!」
瑠璃香「邪魔なんだゾ!メガネゾンビ!」
後から宮田君後頭部を飛び蹴りして登場した
ルリルリ この光景も何度見た事か
それにしても宮田君って身体頑丈だな…
次の日にはピンピンしてるし
瑠璃香「どーせまた葵っちに付き纏ってたんだろ!
良い加減諦めるんだゾ!」
亜梨沙「瑠璃香ナイス!私の回し蹴りと瑠璃香の飛び蹴りのコンボなら致命傷ね スト2のリュウとケンの昇竜拳と竜巻扇風脚を同時に食らった様なもんよ!」
亜梨沙って時々わっかりにくい例えするよなぁ
私達世代じゃ無いし…
葵「ま、まぁまぁ宮田君このままだと死んじゃいそうだから早く食堂行こうよ!ルリルリも食堂?」
瑠璃香「今日は食堂だゾ! 今日はおにぎりに餡子とお餅を入れたの持って来たんだけど授業中にお腹が空き過ぎて食べてしまったんだゾ…」
葵「あ、うん、そうなんだ…」
亜梨沙「相変わらずアンタのお弁当気色悪いわね…さ!早く食堂行こうか!なに食べようかなー」
三人でルンルン気分で食堂に向かっていると
また面倒な人が来た
蒼柳「おい!お前達待て」
葵「あ、蒼柳君…どうしたの?」
蒼柳「今から飯の時間だろ 食堂は何処だ 腹が減った 案内しろ あとお金が無い 奢れ」
葵「あー食堂に案内するのは良いんだけど お金今日私あんま持って無いんだよねぇ…」
亜梨沙「ちょっと蒼柳 あんたお金無いって いつもなに食べてんのさ 一日あんたに付き合うのは仕方ないしいいけど お金まで出してあげないわよ」
蒼柳「なんだと お前のあの薬のせいで昨日から何も食べて無いのだぞ お詫びに飯ぐらいご馳走するのが筋ではないか」
瑠璃香「んー?誰なんだコレ」
葵「あールリルリ知らなかったよね 私のクラスに転校して来た 蒼柳君だよ すごい変人で怖い人だから気をつけて…」
瑠璃香「ふーーん 転校生かーー」
瑠璃香は蒼柳をジーっと見つめた
蒼柳「なんだこの小さい生物は 本当に高校生か?」
葵「私と亜梨沙の友達の瑠璃香だよ!ルリルリって呼んでるけど」
蒼柳「ルリルリ?なんだその変な名前は」
瑠璃香「ムッ!ルリルリは変で無いぞ!君と同じ高校2年生なんだゾ!」
蒼柳「なんだコイツは まるで子供ではないか」
瑠璃香「子供では無いゾ!失礼な奴だなコイツ!」
亜梨沙「でしょ!コイツは嫌な奴なんだよ!
宮田と一緒で葵に付き纏ってるんだよコイツも!」
瑠璃香「ほーう!葵っちはモテるなぁ! 変な奴に!」
ルリルリ…それ全然褒めれて無いよ…
瑠璃香「おい!転校生!お前もしかして!」
瑠璃香は蒼柳の目をマジマジと見つめた
蒼柳「な、なんだ、?」
瑠璃香「なにか隠しているんだゾ! 秘密があるんだゾ! 私にはそれが分かるゾ! 顔を見れば分かるゾ!」
亜梨沙「え?隠してるってなにを?」
瑠璃香「んームムムム」
蒼柳(な、なんだ、コイツは まさか俺が宇宙人だとバレたか この眼差し まさか能力?コイツも地球人では無く宇宙人か…?ゴクリ)
瑠璃香「宇宙人とかUFO好きだろ!」
三人「はぁ?」
瑠璃香「ルリルリはなぁ目を見れば分かるんだ!
そんな顔をしているんだゾ!蒼柳君よ!君も是非私が部長を務める宇宙部に入るべきなんだゾ!
君はきっと来るべきしてこの学校に転校生して来たんだゾ!宇宙部に入部する為に!」
葵「あ、蒼柳君 食堂あっちだよ」
蒼柳「うむ あっちか 腹が減ったな」
瑠璃香「あ、ありゃ…」
亜梨沙「瑠璃香ー!置いてくよー!あんた部員居ないからって適当な事ばっか言ってんじゃないよー!」
瑠璃香「あ、あぁぁぁ 待つんだゾーーー」
なんやかんやで四人で食堂に向かい
食堂の入り口で不死鳥再び
宮田「いやぁー待って居ましたよ星宮さん!」
亜梨沙「げっ 宮田…本当今日はしぶといわね…」
瑠璃香「本当にゾンビなんだゾ!」
葵「宮田君ってお昼にこんな事してるなんて友達居ないんだね…」
宮田「友達?そんな物は星宮さん 貴方が居れば要りませんよ ところで さっきから気になる事が一つ」
葵「え?」
宮田「なんですか!この男は!!!」
葵「あー 同じクラスに転校してきた転校生の蒼柳君だよ 食堂まで案内してあげたの」
宮田「なんと…星宮さんと同じクラスなんて羨ましい! 蒼柳君と言いましたかな!僕は宮田白馬と申します 星宮さんとは大の仲良しです どうもよろしく」
葵「別に仲良しでは無いんだけどな…」
蒼柳「ふん なんだお前は 俺は腹が減っているんだ 邪魔だどけ」
宮田「な、なんですか!貴方は!失礼な人ですね!こんな男が星宮さんと同じクラスなんて心配です!
星宮さんこんな奴とは今後関わってはいけませんよ!」
葵「宮田君もストーカーみたいなもんだから
あんま人の事言えないけどね…」
宮田「て、星宮さんとはどうゆう関係で?」
葵「ちょ!宮田君!別になんも無いってば!」
蒼柳「星宮か 星宮は奴隷だ」
葵「ど、奴隷って…」
宮田「星宮さんを奴隷扱いするなんて どんでも無い奴ですね 貴方は!」
蒼柳「お前には関係なかろう さっさとどけ」
宮田「いーーや 蒼柳君 星宮さんを解放してください きっと彼女は嫌がっている筈です」
葵「嫌だから別に奴隷では無いんですけど…」
蒼柳「お前には関係なかろうが お前は星宮のなんだ」
宮田「なんだと言われましてもね 星宮さんの友達です 今は!ですがね」
蒼柳「なんでも良いが早くどけ これ以上邪魔するならタダでは済まさんぞ」
宮田「それはこっちの台詞ですよ これ以上貴方の様な人と居たら星宮さんの綺麗で青い瞳が汚れてしまいます」
蒼柳「青い眼?」
蒼柳は葵の目をジーッと見つめた
葵(え、ちょなになに、そんな見られたらちょっと恥ずかしいんですけど…)
宮田「蒼柳君 貴方はきっと一筋縄ではいかないでしょうね 私と勝負してください」
蒼柳「勝負だと?お前では相手にならんぞ」
宮田「なにも喧嘩しようって訳じゃありませんよ
ただ私が勝ったら星宮さんを奴隷から解放して貰いますよ」
葵「いや、だから奴隷じゃないって!」
蒼柳「ほーう 面白い どんな勝負だ」
宮田「今日は何の日かご存知で? 転校生だから知りませんよね 今日は月に一度の食堂特別メニューの日なんですよ!」
蒼柳「特別メニュー?」
宮田「この学校伝説の地獄ラーメンの日なんですよ!」
蒼柳「ふん それが勝負となんの関係があるんだ」
宮田「名付けて!地獄ラーメン完食デスマッチです!」
一同「は…?」
時は同じくして学校校舎裏
ここはこの学校の不良達の溜まり場になっている
不良達「知ってるか?三年の三人保健室でやられたって話し」
「聞いたぜ、なんでも二年だかの転校して来たばっかの奴にやられたらしいぜ しかも瞬殺って話だぜ」
「あの三人それ以来怖くてビクビクしちゃってあんま学校来て無いらしいぜ」
「そんな強い奴が転校して来たのか その話が本当ならこりゃこの学校の覇王もどうなる事やらだぜ」
「馬鹿野郎!烈君がそんな転校生に負ける訳ねぇだろ!実際もう烈君はもう覇王みたいなもんだぜ」
「確かに烈君の強さは半端ねぇからな!ありゃ誰も勝てねぇよ」
赤城「お前らー なんの話ししてんだーー?」
「あ!烈君! あの転校生の話聞いた?」
赤城「あーあの三人ボコった転校生の話?」
「そうそう!話によるとかなり強いらしいぜ
俺たちは烈君を応援してるけどな!なぁ!みんな!」
「あったりめぇだよ! 烈君が最強だよ!」
赤城「あー そだなぁーーー」
「な、なんだよ烈君 興味ないのか?」
赤城「いやさぁその転校生は近いうちに挨拶行くから良いんだけどさ もう一個ぶっ飛ばさなきゃなんない奴見つけてさぁ」
「え、なに?まだそんな強い奴が」
赤城「強いもなにも強敵よ お前ら今日何の日か知ってる?」
「え?今日?ジャンプの発売日?」
赤城「ちげぇよ ばーか 今日は食堂の特別メニューの日だよ」
「特別メニュー?ってあの誰も完食した事無い
地獄ラーメンの日?」
赤城「そうだよ 今日はあの学校創立以来誰も完食した事ない地獄ラーメンの日だよ 俺も食った事ねぇけどさ」
「その地獄ラーメンがなんの関係があるってんだよ」
赤城「だってよぉー 誰も完食した事無いって 誰も倒せて無いって事じゃん それもう覇王じゃん」
「え、、、れ、烈君まさか…?」
赤城「そんな強い無敵のラーメン この赤城烈様が倒すっきゃないでしょ!」
「えっーーーー!…」
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