第8話 宇宙人と長い一日
まだ一限目が終わるか終わらないかの時間
なんか今日はすごく長く感じる
そんな一日の始まり
私は今保健室で朝から修羅場のど真ん中に居ます
不良A「なんだお前、腹でも壊して漏らしたか?病人は黙ってすっこんでな 俺らはこの子に用があるんだからよな なぁ葵ちゃん」
葵「あの、すいません 私まだ授業もあるから
戻らないと…」
不良B「はぁー? 授業なんか毎日受けてんだから
たまにいいじゃんかよ なぁ?」
私の肩をガシッとヤンキー達は掴んできた
やばい、囲まれた 普段ヤンキー耐性の無い私は
どうしたら良いのか分からなかった
亜梨沙が居たらきっと助けてくれたんだろうなぁ
私は誰かに守られて無いと何も出来ないのか
そんな自分に嫌気が差して涙目になってきた
不良B「ありゃ?泣いちゃった?」
不良C「お前泣かすなよぉー」
不良B「別に俺はなんもしてねぇだろう」
不良A「おいおい 何も泣くことねぇだろ
どんだけビビッてんのよ 俺らはただ暇に付き合って欲しいだけだって そんなお漏らし野郎と居るよりマシだろ ほら行こうぜ」
腕をグッと掴まれ逃げ道が無い状況
このまま私は蒼柳君を放置して無理矢理逃げるの簡単だ だけどそしたら蒼柳君はきっとこのヤンキー達に何かされるだろう
元はと言えば蒼柳君のお腹を壊したのは私だ
私だって亜梨沙みたいに…
私をいつも守ってくれる、亜梨沙みたいに…
葵「…てくだ…い」
不良A「え?なにぃ?」
葵「やめ……だ…い」
不良A「はぁ?聞こえねぇって」
葵「やめてください!私!あなた達みたいな人達嫌いです! 遊びたくも無いし早く保健室から出てってください! あと!腕掴むのやめてください!」
言ってしまった
私は無意識に声がでた
保健室はシーンとしていた
ヤンキー達はポカーンとしていた
不良A「はぁ?いきなり大きい声出してビックリするじゃねぇか 俺らは遊びたいからお前は来るんだよ
ほらいくぞ」
またグッと引っ張られた
葵「だからそれを辞めてください!
女の子を無理矢理連れてこうとするなんて
そんなんだからモテないんですよ!
このポンコツ不良共ーー!」
自分でも引くくらい大声が出た
やばい… 大分余計な事を言ってしまった
この状況でよく言えたな私と自分を褒めて
だけど後の事は考えて無かった
恐る恐るヤンキー達の顔を見ると鬼の様な顔を三人共していた
ぎあぁぁぁぁ やっぱ怖いよぉぉぉ
調子乗り過ぎたよぉぉ 私はやっぱり亜梨沙みたいにはなれないのか…
不良A「めちゃくちゃ言ってくれんじゃねぇか
もういいや遊ぶ気も失せたわ」
へ?効果あった?私ヤンキー撃退できた感じ?
不良A「でもよ、こんだけ言っといてタダで済むと思うなよ」
不良B「舐めんなよ なにがモテないじゃゴロァ」
不良C「女の子にこんな言われると舐めれてるみたいでムカついちゃうなぁぁぁ」
あ、やっぱダメだった…
ひぃぃぃ、でも言ってやったんだぁぁぁ
でも怖い…蒼柳君色々巻き込んでごめん…
蒼柳「ハッハッハッハッ 言うでは無いか 星宮」
蒼柳君はこんな状況なのに笑っていた
やっぱこの人おかしい…
不良A「あ?なに笑ってんだよてめぇは」
蒼柳「中々面白い事を言うな星宮 お前がそんな台詞を吐ける奴だとは思わなかったぞ 確かに星宮の言う通り貴様らはポンコツだな」
不良A B C 「あぁぁ?なんだてめぇーー!」
蒼柳くんなんで火に油を注いじゃうのさぁぁぁ
この人達年上だし三人も居るんだから挑発したら
ダメだよぉぉぉ…
蒼柳「寄ってたかって一人の女に男三人で囲んで
脅してる様な物ではないか そんなやり方しか出来ん貴様らは弱者だ」
不良B「てんめぇ 調子乗り過ぎだろうがよぉぉ!」
ヤンキーの一人が蒼柳君飛びかかった
蒼柳君はお腹も壊してるしどうしよう
早く先生呼んで…
不良B「ぎゃぁぁぁぁぁ」
先生を呼びにこうとした私は振り返ると
蒼柳君に飛びかかったヤンキーが蒼柳君に首を掴まれて持ち上げられていた
不良B「なんだよ…お前、その力は…」
蒼柳「力?俺はただ貴様の首を軽く掴んでるだけだぞ 中身も軽ければ体重も軽い様だな」
不良C「て、てめぇぇ 余裕かましてんなよ」
もう一人の不良が蒼柳君に殴り掛かると
蒼柳君は空いてる片方の手でヤンキーの拳を掴むと殴り掛かったヤンキーは崩れ落ちた
不良C「い、痛てぇぇぇ なんだこの力はぁぁ」
蒼柳「全く、学が無い奴らだ ただの人間の貴様らが俺に勝てる訳無いだろ」
不良A「な、な、なん、なんなんだよお前は
なんのインチキしてやがる! 大人しく俺らの言う事聞きやげれ! 言う通りにしねぇとなぁ!こいつもタダじゃ済まねぇぞ!」
ヤンキーは私を人質に取った
腕で首をグッと掴まれた
私は蒼柳君にとって人質の価値は無いのだろうけれど
不良A「大人しくしやがれ じゃねぇとこいつも
無事じゃすまねぇぞ」
蒼柳君は私の方をボーっと見つめて
二人のヤンキーから手を離した
不良A「へ、へへへ それで良いんだよ 大人しくしやがれ」
蒼柳「ふっ 貴様はそんな手でしか俺を制圧出来ないのか やはりお前達はポンコツだ お前が今人質に取ってる星宮の方が貴様らよりよっぽど強いと思うがな」
不良A「な、なんだと てめぇー舐めんなよ」
ヤンキーはポケットから小型のナイフを取り出した
不良A「黙りやがれ てめぇは絶対タダじゃ済まさねぇ」
ナイフを突き付けられ私は怖かったけど
なんだか落ち着いていた
目の前に蒼柳君が居るからなのかは分からないけど
なんだか平常心でいられた
きっと大丈夫 そう思えた
蒼柳「次は武器か 全く人間の男はだらしが無いな
だが 武器を出したからには貴様も覚悟しろよ
命の補償まで俺はせんぞ」
ヤンキーを睨み付けると蒼柳君の目は蒼く光った
あの光って…
不良A「ひぃひぃぃぃ なんだこいつ… 人間じゃねぇ 化け物だぁぁ」
不良はナイフを床に落とすと私を離して
保健室から飛び出す様に逃げた
その後を追いかける様に後の二人も飛び出していった
葵「ふ、ふぅーー怖かった、、、」
私は緊張からか身体の力が抜けて床にしゃがみこんだ
葵「あ、あの蒼柳君 助けてくれてありがとう…
お腹はもう大丈夫?」
蒼柳「助けた? そんなつもりは無い ただお前の威勢と強さに敬意を払ってやっただけだ 腹はもう大丈夫だ」
葵「あ、は、はい… でもありがとう 蒼柳君ってあんなに強かったんだね ビックリしちゃったよ!
もうすぐ二時限目も始まるし教室戻ろうよ」
蒼柳「ん?まだそんな時間か 今日は長く感じるな
星宮、あの様な生徒はこの学校にはまだ居るのか」
葵「え?あぁ あのヤンキーの人達みたいのならまだ居るよ 私は関わりたく無いから良く知らないけどグループがあるみたいだよ なんでもこの学校でヤンキー達をまとめ上げてるのが私達と同じ二年生に居るって話だよ」
蒼柳「なるほどな まだあんなポンコツ集団が居るとはな まぁいい星宮俺の腹を壊した罰だ 今日は一日俺に付き合って貰うぞ」
葵「え、、、、」
蒼柳「長い一日の始まりだ」
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