第7話 宇宙人と看病


翌日私はビクビクしながら今日教室に入った

そーっと教室に入ると普段の朝の教室の風景だった

大丈夫かなぁーあの人に居たら何されるか分かんないよー てか昨日あの後ちゃんと帰れたのかなぁ

ビクビクしながらちょっと心配してみる私であった

まだ蒼柳君は来て居ない様だ

ふぅーでも絶対今日なんか言われるよなぁーなんて考えていると肩をガシッと後ろから掴まれた

ぎぁぁぁぁぁぁ私はこの世の終わりの様な叫び声を上げた

亜梨沙「よっ 葵なにそんな叫び声上げて…大丈夫?」

なんだ…亜梨沙か…

葵「う、うんうん大丈夫大丈夫 ちょっとビックリしただけ お、おはよ」

亜梨沙「めちゃくちゃ苦笑いだけど 調子でも悪いの? 私のがビックリしたっての…」

葵「いやぁーまぁちょっとねぇ…」


亜梨沙「ふむふむ なるほどね 昨日の転校生に会うのが気まずいとな」

葵「そりゃそうだよー まぁ確かに向こうも乱暴な人ではあったけどさ あんな下剤飲ませて終いには放置して逃げる様に帰っちゃったんだからさ

やぁ!おはよ!なんて爽やかに来る様な人でもないしさぁ 絶対私達恨まれてるよぉー」

亜梨沙「そんなの向こうが悪いじゃない 天罰よ天罰 大体いきなりあんな態度取られたら誰だって腹が立つわよ それに葵も困ってたんだし あの位がしつこい男には効くのよ あっはははは」

葵「まぁそうかもしれないけどさ 同じクラスだしさ ちょっとやり過ぎた感はあるよね…」

亜梨沙「えー じゃあ私が悪いってことーー」

亜梨沙は頬を膨らませ拗ねた

普段は大人っぽいがたまにちょっと子供っぽいとこがある それもまた可愛いのだ

葵「いや亜梨沙にはありがとうだけど もうちょっと話聞いてあげれば平和に済んだかなぁーみたいな」

亜梨沙「わかったわかった 葵は平和主義だもんね まぁあの転校生が来たら私も一緒に謝ってあげるわよ それなら大丈夫でしょ」

葵「うん!ありがとう!」


朝のチャイムが鳴り響いた

担任「よーし朝礼やるぞー お前ら早く席付けー」

担任がチャイムと同時に教室に入って来た

担任「えーっと 今日は休みは居ないなぁ ん?

蒼柳はどうした? 居ないじゃないか 誰か知ってる奴いるかー?」

誰も知らない様だった みんなあの転校生は取っ付きにくいので仲良くなった生徒も居なそうだった

担任「誰も知らないのかぁ お前らもうちょっと気にかけてやれよなぁー まぁいいや とりあえず今日の朝礼お終い 誰か蒼柳来たら教えてくれ 以上!」

相変わらず適当な担任だなぁ

去年と変わらず同じ先生だけど去年と変わらず適当です


蒼柳君は大丈夫なのだろうか

よく分からない人だが転校して来たばかりだし

まぁ下剤が原因だし大丈夫か

亜梨沙「なんか転校生居ないねぇ さすがに下剤3錠はやばかったかなぁー 今日は来ないかもねぇ」

葵「まぁあの下剤強力だしね まぁまた明日来たら謝ろ」

そんな話をしているうちに一限目が始まった

いつもと変わらない退屈な授業だ

早く終わんないかなぁーなんて考えていると

教室のドアがガラガラと空いた

蒼柳「ハァハァ… すまん遅れた」

そこにはげっそりした蒼柳君が居た

フラフラしながら教室に入って来た

先生「あ、蒼柳くん!遅刻ですよ!転校して来たばっかりだからって気持ちがたるんでてはいけませんよ!」

先生はガミガミ喋って居たが本人の耳には入って居ない様だ

蒼柳「うるさいぞ 黙れ 俺は腹が… ぐはっ」

先生を睨み付けるとお腹を押さえて倒れ込んだ

蒼柳「ば、馬鹿な! あれだけ放出して置いて

まだ放出する気か もう何も放出する物は無いぞ こんな苦しみは初めてだ 宇宙戦争でもこんなダメージは受けたこと… うぉぉぉぉぉ」

よく分からない事をブツブツ言いながらジタバタして居た

怖かった昨日の蒼柳君は居なかった

そこに居るのはジタバタ動き回るイモムシだった

先生「ちょ!ちょっと蒼柳君大丈夫!? 誰か保険室に連れてってあげて! えーっとこのクラスの保険係は あ!星宮さんね! お願いね!」

あ、私保険係だった…

葵「え、 あ、はい 分かりました…」

がーっぁぁぁぁ いきなり気まず!

そもそも私が腹痛の原因だし 原因作った私が保険室連れてくのかぁぁぁ

蒼柳君先に謝っときます心で

すいませんでした…


イモムシな蒼柳君をなんとかクラスの外に連れ出した

保険室の道のり蒼柳君は半分白目を剥くくら

の表情で無言だった

あの下剤そんな恐ろしい物だったのか

亜梨沙、後で謝ろうね…

心でそんな事を思っていると

蒼柳君がなにかブツブツ小さい声で喋っていた

葵「あ、蒼柳君!大丈夫?」

蒼柳「キサマラ、オボエテオケヨ…」

激痛の中片言になった言葉で私は脅された

あ、終わったー すごい顔怖いよー

出来る事なら保険室でずっと寝てて欲しいなー

なんて考えながら

葵「ス、スイマセン…デジタ…」

私も恐怖から片言で返事を返した


保険室に着いたが保険室の先生は不在の様だ

こんな時なのに いつも肝心な時には居ない

とりあえずベッドに横になって貰うか

葵「蒼柳君 とりあえずベッドに横になれる?

ちょっと私先生呼んでくるか!」

ベッドに横にならせると私の袖をグイッと蒼柳君が引っ張った

葵「え、、、?」

蒼柳「貴様、また逃げる気か もう逃さんぞ

星宮、お前は俺が治るまでここで看病しろ」

葵「え、私が…看病するんですか…?」

蒼柳「当たり前だろ 変な物を飲ませたのもお前らだろ 俺がこうなったのもお前にも責任はあるだろ

お前は今日から俺の奴隷だ それで全て水に流してやろう」

蒼柳君が言ってる事は正論過ぎてなんも言えなかった 私はとりあえず

葵「は、はい わかりました…」

と涙目で答えた

私の新学期、新学期そうそう終わったーーー

蒼柳「うむ それで良い とりあえずそうだな まずは う、うごぉぉぉ」

葵「え、え、え、え、?ちょっと大丈夫?蒼柳君!」

蒼柳「ダ、ダメだ… これ以上放出する物など無いぞ… 星宮とりあえずトイレだ!俺をトイレに連れて行くんだ!じゃないと此処は血の海になるぞ!」

すごい顔で私を見て怖い事を言い訴えるが

お尻を押さえながら言われても怖さ半減だ

この人本当はバカなのかなぁーなんて私は思い始めた

とりあえず葵柳君をトイレに連れて行く

私は外で待っていた

あーもう結構時間経っちゃったな

早く戻らないと怒られちゃうなぁ

ジャーっと水を流す音が聞こえた

げっそりした蒼柳君が出てきた

蒼柳「よ、よひ 戻るじょー」

もはや全然覇気も無い蒼柳君だった

これならもう私教室帰ってもいいんじゃ無いと思ったが

まぁ私が悪いもんなーなんて思ったりもしたので、とりあえずまた保険室に連れて行った


蒼柳「ふぅ この俺がこんな無様な 宇宙での俺の威厳が台無しだな」

葵「あ、あのー蒼柳君って宇宙好きなの…?」

蒼柳「ん?好きも何も俺は宇宙人だぞ 星宮お前も宇宙人だろ?俺達からしたら地球人が宇宙人だがな ハッハッハッハ」

葵「いやぁー私は宇宙人とかじゃなくて宇宙大好きな地球人かなぁーなんて…」

蒼柳「ふん、わかったわかった その青い瞳は宇宙人に決まっておろう 隠さんでも良い 地球人には宇宙人ってのバレてはいけないルールだからな

だが俺もお前も宇宙人だ 問題無かろう それより記憶が曖昧でな、星宮お前は俺と会った事な無いか?」

星宮「え、私と蒼柳君が? 昨日が初対面だと思うんだけど」

蒼柳「ふむ そうかその瞳 俺は何か見覚えがあるのだがな 俺は宇宙を色々旅して来たからな どっかで会って居ても不思議では無いのだがな 星宮とは初めての感じかしないのだ」

星宮「う、宇宙を旅してたんだ…」

やっぱこの人は自分が宇宙人だと勘違いしてる頭のおかしい人なんだと私は思った

星宮「うーん私は蒼柳君とは初対面な感じしかしないけどなぁ」

蒼柳「そうか、そう言えばお前宇宙が好きなのか」

星宮「う、うん!宇宙は大好きだよ!良く近所の河川敷で星見たりしてるんだよね すっごく星が綺麗に見える場所があってさ!」

いつの間にか私は蒼柳君が怖いとはあまり思わなくなっていた

寧ろ自然と喋れてる感じがした

蒼柳「ん?河川敷だと?」

星宮「うん!河川敷がどうかしたの?」

蒼柳「星宮、お前、」


ガラガラ 保険室のドアが開く音がした

やっと先生帰ってきた!なんて思ったが

「なんだよー先客居んのかよー」

そこに居たのは学校の不良達だった

この学校はあまり頭の良い学校では無い為

一部不良と呼ばれるヤンキーの生徒は居た

彼らは授業中は保険室に溜まったりしている時もある様だ

不良A「なんだお前ら 授業中にサボってイチャイチャタイムかぁー?いやぁーいけないねぇ」

不良B「いやいや、俺らもサボってんだから

人の事言えねぇって」

不良C「でもイチャイチャしに来た訳じゃねぇからなぁ とりあえずお前らそこどけよ 俺ら調子悪りぃんだよ」

最悪だ…こんな時に私はずっと関わらない様にして来たヤンキー達だ…

亜梨沙も居ないし 授業中だし先生も居ないし…

どうしよう…

星宮「あ、あのす、すいません… 今ちょっとお腹壊してるクラスメイトが居てもうちょっと保険室借りたいなぁって思ってまして…」

不良A「あぁ?俺らも体調悪りぃんだよ なに君?俺らが倒れても良いって事?」

不良B「まぁまぁ落ち着け この子見ろよ 地味そうだけど よく見たら可愛いぜ 目とかめちゃくちゃ綺麗じゃん」

不良C「お!本当だ!ねぇねぇ 俺らと遊ぼうぜ」

不良A「俺らと遊ぶならそこのお腹ピーピー君に保険室使わしてやるよ な?良いだろ? とりあえず遊び行こうぜ」

え、どうしよう… この状況…ヤンキーに逆らったら怖いし…でも連れてからきっともっと怖い事されそうだし… 蒼柳君だってこんなお腹も壊してるのにヤンキー達は怖いはず なんとかしなきゃ

葵「い、いやぁ、私授業もあるんでちょっとそれは無理かなーなんて とりあえず保険室の先生が…」

ガシャン!不良の一人が保険室のドアを蹴飛ばした

不良A「ん?なに?俺らと遊ぶの嫌なの?」

私はビクッとして一気に怖くなった

ダメだ 怖い 多分歳上だし力で勝てっこ無いし

どうしよい… 私は涙目になり今にも泣きそうだった

不良C「おいおいこの子泣きそうじゃんかよ!

可愛いなぁー お前やり過ぎだって」

不良B「大丈夫大丈夫、ただ遊ぶだけだって

さぁ行こうぜ」

不良A「よし!んじゃ行くか!」

ヤンキーの一人が私に手を伸ばした時

蒼柳「おい、お前らさっきからうるさいぞ

俺は今腹が痛くてな 虫の居所が悪いのだ」

不良A「あ?なにお前?」

ちょ、蒼柳くーん!ダメだってーーー


教室

亜梨沙「葵遅いなぁー 大丈夫かな?」

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