第5話 初めまして宇宙人


屋上に上がると夕焼けが眩しかった

少し離れた場所に夕日に照らされた転校生が立っていた


シュウヤ「来たか 星宮葵 遅いぞ」

うわぁー なんか早速怒ってない?…

星宮「す、すいません… ちょっと帰りバタバタしてて…」

シュウヤ「ふん まぁいいだろ 早くこっちに来い」

え、なんでそんな偉そうなんだ…まるで王様じゃん…

星宮「えーてか話しってどんな話しですか?私ちょっと帰り用事があってあんまゆっくりしてられないかなぁーって…」

シュウヤ「ん?俺の呼び出しより私用が優先か 全くこれだから人間は」

星宮「人間?何を言ってるんですか?」

シュウヤ「あ、しまった、ゴホン とりあえずお前に聞きたい事がある」

星宮「は、はい」

シュウヤ「一週間前の夜お前は裏山で何を見た」

星宮「え、一週間前?」


私はビクッとした 一週間前私は裏山であの

宇宙人みたいな物を見た 私の中であれは夢だったのか見間違えだったのかと思い初めていた

もしかしたら見ては行けない物だったのかもしれないとも思っていた

私は国家機密規模の秘密を見てしまってこの転校生は政府が派遣したエージェントで私を消しに来たのかもしれないと勘ぐった


星宮「あー一週間前かー あんま覚えて無いけど

友達と帰りにご飯食べて普通に家に帰った様な気がするなー そんな細かくは覚えて無いけどなー」


私はバレないように出来るだけ誤魔化した

そうだ 私は見ての通り嘘が圧倒的に下手くそだ


シュウヤ「ほう、ならばあの生徒手帳は見間違えか

星宮葵と名前まで丁寧に書いてあったが あれは目の前に居る星宮では無く 別の星宮って事か あれは一週間前に夜裏山で拾ったんだがな」

星宮「い、いやあれは私のなんですけど でも裏山なんて普段行かないからなー なんでかなー 勝手に生徒手帳が歩いて行ったのかなーははは」


焦って私の目線はめちゃくちゃ泳いでいた

バレバレだ 私がピノキオなら鼻が何メートルも伸びてるだろう 終わった 私は消される


シュウヤ「なるほど もうわかった お前あの墜落した現場に居たな そしてお前は墜落した飛行船の中身を見てビビって逃げて生徒手帳を落としたな」


全然バレてる まさにその通りだ なんなのこの転校生 


星宮「だとしたら… どうするんですか もしもですけど」

シュウヤ「それが本当なら消すしかあるまいな お前があれを見たのなら」


やっぱりこの転校生はエージェントだ

私を殺しに転校して来たんだ

もうダメだ 亜梨沙も呼べる状況じゃない

あー最後に宇宙人に会って見たかったなぁ


シュウヤ「と言いたい所だが そんな絶望的なお前に提案だ その蒼い瞳 お前も宇宙人だろ!地球には宇宙人がこっそり住み着いてるらしいな」


え、なに言ってんのこの人 宇宙人って お前もってなに? 私は理解出来なかった


シュウヤ「大丈夫だ 誰にも言わないぞ俺は

それにその蒼い瞳 俺と同族か? 実はな俺は墜落の衝撃で記憶を無くしてしまってな 自分が何故地球に来たのか分からなくなってしまってな

わざわざ宇宙戦争中に地球に来るなんてよっぽどだ

だが星宮 お前には俺は会った事があるような気がする その蒼い瞳には俺は何かを感じる 

同じ宇宙人同士俺の記憶探しを手伝ってくれ」


え、宇宙人?この人宇宙人なの?それともただのバカ?どう見ても人間じゃん 宇宙戦争ってなに?

記憶探し? しかも会った事ないんですけど めちゃくちゃ初対面なんですけど もう意味わかんないよ


星宮「えーあーはい」


私は訳が分からず流される様に適当にはいと答えてしまった


シュウヤ「本当か!ありがとう やはり星宮は人間では無かったか 宇宙人だろうと薄々勘付いては居たぞ その蒼い瞳は宇宙人にしか出せん輝きだぞ

俺が惹かれた訳だな はっはっはっ

それにしても同じ宇宙人仲間が居て良かったぞ 気が楽になったぞ 中々隠して暮らすのは大変でな」


私は宇宙人では無く人間だ だけど人間と言ったら本当に消されそうだから今はこのまま宇宙人って事にしとくしか無い



星宮「あははは そうですねぇ 生まれ付きなんでなんとも言えないですけど 

気が楽になってそれは良かったです

ははははは」


シュウヤ「俺はブルーアイ星人だ 星宮はどこの種族だ? お前もブルーアイ星人か?」

星宮「んー 私はなんだっかなー 地球歴長いから忘れちゃいました」

シュウヤ「ん?そんなに長いのか ではとりあえず地球を案内してくれ星宮 俺は地球では蒼柳シュウヤだ 好きに呼んでいいぞ お互い宇宙人って事は他言無用だぞ バレたらまずい事になるからな」


適当に嘘をついたら誤魔化せたがまためんどくさい事になった

消されなくて良かったーなんて思ったら

これから私は自分を宇宙人だとか言う頭のおかしい私を消しに来たはずのエージェントと学校生活を送らなければなら無いのか

正直に人間って言っても消されそうだし

あの日裏山なんて行かななきゃ良かったぁぁぁー

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る