第3話 今日から地球人


墜落した衝撃によりアポロは記憶を断片的に失っていた

目が覚めた場所にあった生徒手帳を拾いその手帳の持ち主である星宮葵 その人間に何かを感じたアポロはその人間に会えば何故自分が地球に居るのか思い出すかもしれないと感じ星宮葵を探す為に動き出そうとしていた


アポロ「なるほど…地球と言う星には高校と呼ばれる教育機関があるのか そこにホシミヤアオイは在籍している様だな ならば俺も高校に行くしかないか だが誰でも高校に入れる訳では無さそうだな

正式な手続きを済ませないと行けないのか」

アポロは地球で言うところのスマートフォンみたいな役割を果たしている宇宙の電子端末G.Iで地球の日本の事を調べてみた

この電子端末G.Iは地球のスマートフォンとは違いなんでも音声機能により出来るスーパーコンピュータの様な物でこの機器一つで現在の地球の文明を軽く凌駕するくらいのスペックを持っている優れ者だ

墜落した際に唯一無事だったのがこのG.Iで幸いであった

アポロ「なるほど 高校生と呼ばれる職業があるのか 恐らくこのホシミヤアオイの職業も高校生

将来新たな職業に就くための勉強をそれぞれ高校と呼ばれる学舎で各々が勉強しているのだな

入学する際の手続きは試験と呼ばれるテストか

ふむ、俺ならば人間の知能など余裕で超えている

それにさえ合格すれば良い訳だな」

しかし入学する際には日本で戸籍が必要であった

国が認めた個人情報の様な物が無いと入学試験も受けられ無い様だ アポロは宇宙人な為日本でアポロとは名乗れない その為日本で使える名前から考えた

アポロ「G.Iよ 日本人として生活する上で俺に相応しい名前を考案せよ」

普段のアポロなら力を使い欲しい物を手に入れてきたが今回は違った 冷静に日本のルールに従いながらホシミヤアオイを探す事にした 何故かは自分でも分からないが慎重であった

アポロ「解析が終了した様だな 名前は蒼柳シュウヤか、まぁピントは来ないがこれでいいだろう

今日から俺は地球では蒼柳シュウヤだな」

アポロは不満そうに見せたが満更でも無い顔をしていた

G.Iはなんでも出来るので国のサーバーに侵入して

存在しない戸籍を製作し蒼柳シュウヤがあたかも前から地球に存在していたかの様に偽装した

これで晴れてアポロは地球人で日本人の蒼柳シュウヤとして誕生した

シュウヤ「よし、こんなとこだな 後は高校の入学手続きだな 星間高校か 転校して来たと言う設定にしておこう」

シュウヤはG.Iの力により日本の言語や知識を脳内にインプットした これで誰が見ても地球人の日本人になった 

シュウヤ「手続きは完了した 後は現地にて試験を受けるだけだな 待っているがいい高校よ

ふはははははは」

高笑いしながらシュウヤは山を降り街の方へと向かった


翌朝

ジリリリ、ジリリリ、ジリリリ

葵「う、うーん む、」

ボーっと昨日の事は夢だったのかと考えながら

葵は眠い目を擦った

葵「あれは夢だったのかな? それとも現実?」

葵は携帯で撮影した写真を思い出した

葵「あーこりゃブレブレで何も見えないや…

ふぅ とりあえず今日は昨日みたいに遅刻しそうになるとやばいから早めに学校行こ また亜梨沙に怒られちゃう」

元気が無い訳では無いが葵は上の空だった

亜梨沙「葵っ!おっはよ!」

葵「ん?あ、亜梨沙おはよ!」

亜梨沙「あんたどうした?そんなボケーっとしてまた寝坊でもした?」

葵「ち、違うよ!今日は寝坊なんかしてないよ!

寝起きでボケーっとしちゃってたかなぁーあはは」

亜梨沙「んー本当にー?また髪の毛ボサボサだし

怪しいなぁーー」

葵「あ、いやぁーまた忘れちゃった ボーっとしてたら時間なくて…」

亜梨沙「葵なんかあった?」

亜梨沙はこうゆう時勘が効く 私がなんかあって落ち込んでる時にいつも励ましてくれたり甘えさせてくれたりした 私が色々溜め込んでしまうタイプと分かっているからだ でも今回の事は話して良い事なのかわからない 私の勘違いかもしれないし

もし昨日の出来事が事実なら他に話してはいけない気もしたからだ

葵「う、ううん!大丈夫だよ!朝ご飯食べるの忘れちゃってさぁ 脳みそがまだ寝てるのかも」

私は精一杯の笑顔を振り撒いた

亜梨沙「ふーん 大丈夫ならいいんだけどさ

ちゃんとご飯食べなきゃダメだよ あんた細いんだからぁ」

葵「亜梨沙の方が細いって!でも朝ご飯はちゃんと食べるね! いつもありがとう亜梨沙」

亜梨沙も笑っていたのでとりあえずは大丈夫かな

嘘ついてるみたいで嫌だけど今はなにも言えない

瑠璃香「おっはよーーだゾ!二人とも!」

教室に着くと珍しくルリルリが遅刻ギリギリでも無く私達より先に学校に居た

葵「おはよルリルリ!」

亜梨沙「へぇーあんたが私達より先に学校に居るなんて珍しいじゃん いつもギリギリなのに」

瑠璃香「フッフッフ 今日はいつものルリルリとは違うのだゾ!」

亜梨沙「へぇー なんかあったん?」

瑠璃香「そんなに何があったか知りたいかー?

ありさーー?」

ルリルリはニヤニヤしていた

亜梨沙「いや、別に興味ない」

瑠璃香「なんでだゾー!興味あるだろ!なんでか聞くんだゾー!」

ルリルリは喚き出した 子供みたいに まるで小学生低学年だ いや見た目からしてやっぱり本当は小学生なんじゃないかって未だに思う事はたまにある

葵「ルリルリ!私はなんでか知りたいなー

教えて欲しいなーー」

瑠璃香「本当かっ?葵っち!」

ルリルリは目をキラキラさせた

いつも大体こんな流れで私がルリルリが喚いたらなだめる係を担当している 亜梨沙は説教役だ

でも子供みたいで可愛いから私はいつも甘やかしてしまう

瑠璃香「実はな!葵っちにとってもいい話なんだゾ!」

葵「私にとっても?」

瑠璃香「うむうむ 実はな…」

ルリルリは真剣な顔でこっちを見つめた

瑠璃香「昨日二人と別れた帰り道にUFOをルリルリは見てしまったんだゾ!」

葵「え、、?」

私は今まで自分だけが目撃者だと思っていたがあの時私も普通に空から墜落するまであの飛行物体を完全に目視出来ていたし雲から出て来てからは恐らく誰でもなんか飛んでない?くらいには思っただろう

スピードはかなり早かったがあのタイミングで空を見た人ならきっと気づいたかもしれない

その瞬間は私は少し怖くなった 昨日の事は夢では無く現実だと気付かされた事ともしも私だけが目撃者で無いとしたらあの宇宙人は人間に捕まえれるか殺されてしまうかもしれないと思ったからだ

昨日は怖くてなにも出来なかったが私にメッセージをくれた宇宙人かもしれないのに、と恐怖と心配で頭の中がよく分からなくなった


瑠璃香「いやぁーな 実はな、あの後そのUFOを追ってみたんだがな裏山の方に消えてしまったんだゾ!」

やっぱりだ 私の昨日見た物は全部現実だ あの裏山で見た飛行機にあの緑色の血 あれは宇宙人だ


瑠璃香「でな!葵っち!ルリルリと葵っちは宇宙人に会ってみたかっただろ!さすがに昨日は暗かったし夜の山は怖いから行けなかったんだが今日学校が終わったら一緒に見に行って見ないか?」

他の人には本当はあまり見られたく無いと言う気持ちもあったけど夢じゃ無いとわかった以上もう一度確かめるしか無いと思った 宇宙人は怖いけど

真相を確かめたかった

葵「え、それUFOかもしれないね!私も気になるから一緒に行こ!」

亜梨沙「瑠璃香それ本当なのー?あんたに言われて昔見に行ったらただの飛行機とか蛍の光だったじゃん…」

瑠璃香「あれは本当に本当だゾ!あの頃のルリルリで無いゾ!今では立派なオカルトマニアだゾ!瑠璃香様に間違いはもう無いのだ!」

亜梨沙「ふーん どうだかねぇーーー」

瑠璃香「うるさいゾ!亜梨沙!そんなに疑うなら亜梨沙も来て自分の目で確かめると良いんだゾ!」

亜梨沙「はいはい あんた達二人じゃ心配だから私も行きますよーーっと」

瑠璃香「うむ!それで良いゾ!む!そろそろ朝のHRが始まってしまうな!では二人とも放課後な!」

瑠璃香はダッシュで教室に走って行った

亜梨沙「アイツは朝からいつも元気だねぇーー」

葵「あははは 本当だね」

こうして私達三人は放課後私が昨日居た裏山に行く事になった 私が昨日その裏山で体験した事は二人には言えなかった


放課後

瑠璃香「おーい!二人とも!宇宙人に会いに行くんだゾー!」

瑠璃香がダッシュで教室まで来た

相変わらず目はキラキラしている

遠足前の小学生だ

亜梨沙「わかったわかった 行くから落ち着きなって」

葵「全くルリルリは子供だねぇー 急がなくても

宇宙人は逃げないって」

亜梨沙「そう言ってる葵も目のキラキラが瑠璃香と一緒だけどね…」

帰りの荷物の支度していると私はある事に気づいた

葵「あれ?生徒手帳がないなぁー 知らない?」

来週は月に一度の荷物検査の日である

生徒手帳は常に鞄に入れておかないと罰則があるのだ

亜梨沙「生徒手帳?来週持ち物検査の日じゃんね

今気づいて良かったねぇ また寝ぼけて家にとかにでも忘れたんじゃないの?」

葵「あー確かに 朝の弱い私ならあり得るかも…」

瑠璃香「二人とも遅いゾーー!早くするんだゾーー!」

葵「あ、今行くね!」

生徒手帳の事はきっと家に忘れんだなと思ったが

それよりもまだ宇宙人が居たらどうしようなんて事ばかり考えていた 凶暴な宇宙人だったとしたら私以外の二人も危ない けどあの後どうなったのかも知りたかった私は知らぬ顔で三人で山に行く事にした 嘘をついて騙してるみたいで二人に罪悪感はあったけれど どうしても宇宙人が気になった


宮田「あ!星宮さん!今帰り? 良かったら美味しそうなケーキ屋さん見つけたんだけど一緒に行かない?星宮さん甘いの好きだよね?」

葵「あ、宮田くん… ごめん今日はちょっと用があって…」

宮田「そっかー 星宮さんいつも忙しいよね

たまには僕との時間も作っ ブッッ!」

宮田はすごい勢いで吹っ飛んだ

シンクロ選手みたいなポーズで綺麗に吹っ飛んだ

瑠璃香「うっさいんだゾ!宮田!今から大事な用事が我々はあるんだゾ!ケーキなら一人に食べに行け!この平凡メガネ!」

宮田を綺麗に吹っ飛ばしたのはルリルリの

ハイキックだった

ホームも完璧だった

宮田「く、黒川さん… こんにちわ 相変わらず僕には乱暴だね君は… 悪口も乱暴だね 平凡メガネってなんも言い返せないよ…」

葵「ちょ、ちょっと宮田くん大丈夫? ちょっと

ルリルリやり過ぎだよ!」

瑠璃香「コイツはゾンビみたいに葵っちにアタックしては振られてを繰り返しても死な無いからこんくらいでいいんだゾ!この平凡メガネゾンビ!」

宮田「ゾンビまで付け足すなんて口の悪さは健全ですね黒川さん ミニマムのお子ちゃまの癖に そうですとも僕はゾンビです!何度でも甦り星宮さんに振り向いて貰うまで僕は蘇生し続けますとも! さぁ星宮さん僕と一緒に帰りましょう!是非ともその青く綺麗な瞳を僕に…」

亜梨沙「おい、宮田」

宮田「え、?」

亜梨沙「邪魔だ 失せろ」

宮田の顔は青ざめて一気にゾンビみたいになった

宮田「き、桐ヶ崎さんい、居たんですね!いやー居るなら居るって早く言って貰わないと あ、僕はこの後用事があるの思い出した!じゃ星宮さんまた明日!」

宮田は猛スピードで逃げて行った

宮田は前から渋谷代表ギャルみたいな亜梨沙が天敵なのである

以前宮田がしつこいのを亜梨沙に頼んだら

めちゃくちゃ亜梨沙に脅されてからトラウマになってしまった様だ どんな脅され方をされたか誰も知らない ただその翌日から宮田のメガネは新しい

メガネに変わっていた

瑠璃香「アイツは本当ゾンビだな また明日になったら復活して来るんだゾ」

亜梨沙「葵またなんかあったら私に言うんだよ」

葵「う、うん!ありがとう!」

この二人が居ればきっとゾンビ相手でも負けないんだろうなぁーっと思った


そんなこんなで裏山に向かう道中宮田の話をした

亜梨沙「てかさ宮田あんな見た目なのに下の名前知ってる?」

葵「あー名前かー 言われてみれば宮田君の名前って知らないかも」

亜梨沙「白馬って名前らしいよ めちゃくちゃ名前負けしてない?白馬って名前ならもっと王子様らしくしろっての」

瑠璃香「正確には白馬と書いてはくばでは無く

はくまって読むんだゾ!」

亜梨沙「へぇー瑠璃香詳しいじゃん」

瑠璃香「一応同じクラスだからな 名前くらいは知ってるゾ!」

葵「そっか ルリルリ同じクラスなんだもんね

宮田君ってクラスだとどんな感じなの?」

瑠璃香「静かだな!特に私は興味無いから見てないが頭だけは良いって感じだゾ! 友達も居なそうだしな!」

葵「ふーんそうなんだ なんかハイテンションっぽいけど大人しいんだね 悪い子では無いんだけどねぇ」

亜梨沙「よく分からん奴だよね 葵の目がお気に入りらしいけどね」

瑠璃香「葵っちの目なら私だって好きだゾ! 誰にも渡さんゾ!将来は葵っちの目をホルマリン付けにして部屋に飾るのが夢だゾ!」

葵「ちょっと…ルリルリ怖い事言わないでよ…」


そんな話をしてるうちに裏山に三人は着いた

夜とは違って道がよく見える

私はUFOと思われる物が墜落した場所までの道は何となく覚えていた

瑠璃香「よっし!着いたゾー!早速UFO捜索を開始なんだゾ!」

亜梨沙「こんなとこに本当にあんの?ニュースにもなって無いしさ やっぱ瑠璃香のまた見間違えなんじゃないの?」

確かにニュースにもなって無いし噂話も聞かない

昨日の出来事だが警察が動いていたらそれなりの情報は出回る筈だ

たまたま目撃者が私とルリルリしか居なかったのかそれともあれはUFOとかでは無かったのか私自身もよく分からない

だけどあれが宇宙人であの蒼い光と関係あるならちゃんと確かめたいし宇宙人と話して宇宙の事を知りたいって気持ちもあるし

もしも映画のエイリアンみたいに凶暴な宇宙人で

裏山の何処かに潜んで居たとしたら私以外の二人にも危険が及ぶから正直に話して行くのを辞めたいけどもし話したら騒ぎになってしまっても嫌だなって気持ちで私は葛藤していた

でもきっと宇宙人だとしてもきっとあれは死んでいる緑の血液みたいな物を見たのを私は覚えている

宇宙マニアとしてちゃんとまた見てみたいって気持ちもある

亜梨沙「葵どした?さっきまで目キラキラさせてたけど浮かない顔してなんかあった?」

葵「う、ううん大丈夫大丈夫!生徒手帳どこいったんだろうなーって考えてた!はははは」

瑠璃香「葵っち!生徒手帳なんて後でいいんだゾ!葵っちも宇宙人に会ってみたいだろ!さぁ!捜索に行くんだゾ!」


ルリルリのテンションに押されて三人は裏山に入って行った

どんどん奥に進んでいく

私はドキドキしたワクワクよりドキドキの方が強かった

どちらかと言うと恐怖のドキドキだ

徐々に墜落地点に近づいて行く

だが不思議に思う事もあった

この辺りから木が折れていたりした筈だが木は一本も折れていない

本当にこの道かな?なんて思ったりもしたが間違えはない 木々を抜けると少し広場みたいな場所があるそこに墜落して居たのを覚えている

もうすぐその広場だ

木々を抜けると私はハッ!とした

そこには何も無いのだ 片付けられたとかでは無く 明らかに何も無いのだ 最初から何も無かったかの様に あの出来事が無かった事になっている

私は混乱した 色々考えた もしかしてあれは夢なのか? でも写真は確かにある でもボヤけてよく分からない 私が寝ぼけて撮った写真? いやでも日付時間は私の記憶と合っている たった一日でこんな痕跡までも消えるとは思えない

瑠璃香「うーん 無いんだゾー なんでだーー!」

亜梨沙「やっぱあんたの勘違いじゃない! どーせまたあんた飛行機とかと見間違えたんでしょ!」

瑠璃香「おかしいゾ!本当に裏山に落ちてく光を見たんだゾ!」

三人はもっと奥まで探したが何も無かった

裏山はそんなに広くは無い山だ 人が行ける場所は全部見た筈だ

亜梨沙「はぁ疲れた 高二にもなって私ら放課後に何してんのよ もう夕方よ 日も暮れたら山は暗くなるからもう帰ろうよ」

瑠璃香「むーーー 私は納得しないんだゾ!絶対見たんだゾ!」

亜梨沙「わかったわかった 瑠璃香を疑ってる訳じゃないわよ でも暗くなるでしょ お腹も空いたし今日は帰ろうよ」

ぐぅぅぅーー 瑠璃香のお腹の虫が無いた

瑠璃香「うむ 確かにお腹は空いたな! 諸君今日の捜索はここまでだ ご苦労であった!続きはまた後日なんだゾ!」

亜梨沙「葵さっきから大人しいけど大丈夫?

具合いでも悪い?顔色悪いよ」

私はあれが夢なのか何なのかよく分からなくなっていた だけど確かに記憶はある 夢にしては鮮明だ 凶暴なエイリアンに遭遇しなかったのは良かったが なにも無さ過ぎてなんだが気持ち悪い感じがした

葵「え!だ、大丈夫!なんかお腹空いたなーって山なんて普段歩かないら疲れちゃった」

亜梨沙「本当よねぇ 女子高生は放課後は山よりファーストフードで喋ってるのが一番よね さ!帰るわよーー」

瑠璃香「裏山はまたリベンジなんだゾ!待ってろ!UFO!宇宙人!」

とりあえず今日は下山して解散した

色々考え過ぎて私は疲れたのか帰ってご飯も食べずに寝てしまった


あれから一週間後

朝、いつもの様に目覚ましの音で目が覚めた 

あの事に付いては考えるだけで疲れるので考える事を私は辞めていた 夢だったと思う事にした

それと同時に宇宙への興味も薄れていった

宇宙人なんて本当は居ないかもなんて思う様にもなっていた

携帯に亜梨沙からLINEが入っていた

今日月一の荷物検査だよ 生徒手帳あった?

忘れない様に!

葵「あ!そうだ!生徒手帳!完全に忘れてた!

どこにも無い!生徒手帳なんて普段使わないから鞄に入ってる筈なんだけどなーー 時間も無いし正直に無くしましたって言って再発行して貰お…」


教室に着くと私より早く亜梨沙が居た

亜梨沙「おっはよ!葵!生徒手帳あった?」

葵「それが無くってさー 謎なんだよね 生徒手帳なんて普段出したりしないから鞄にある筈なんだけどさ 早めに先生に言って再発行して貰うよ…」

亜梨沙「あらら 見つからないか でも正直に言えば罰則無しにしてくれるでしょ!葵は先生受け私と違って良いしね! ほら!先生来たよ!早めに言っときな!」

担任「はーい!みんな席着いて 今日は月に一度の荷物検査の日です 鞄の中身チェックと生徒手帳の確認しまーす」

星宮「あ、あの先生…」

担任「ん?どうした星宮? あ!そうだ!今日は転校生がこのクラスに転校して来ます! 星宮悪い 話しは後でな!」

星宮「あ、はい」

生徒達「え、転校? こんな時期に? 入学式の後だぜ? 女かな?男かな? 可愛い子がいいなー

男子ならかっこいい人がいいなぁーー」

教室はざわめいていた

私はそれよりも早く生徒手帳の話を先生にしたかった

担任「おーい!みんな静かに!荷物検査の前に転校生を紹介しまーす! さぁ!入って来て!」

先生がそう言うとガラガラと教室の入り口が開いた

男の子だ 見た目は背が高めで目付きがちょっと悪くて綺麗な顔をしていて 最近のモテる男子高校生って感じだ 私は絶対仲良くなれないなーなんて思っていた

担任「はい じゃあとりあえず自己紹介して」


シュウヤ「今日からこのクラスに転校して来た蒼柳シュウヤだ よろしくな人間共!  じゃなかった!諸君! いや、みんなか?」

クラスは謎の転校生のよく分からない挨拶にザワめいた

担任「あ、いや蒼柳大丈夫か? とりあえずみんな彼は蒼柳シュウヤだ 仲良くする様に」

シュウヤ「ゴホン! 先生とやらもう一つ言いたい事あるんだが一つ良いか?」

担任「え?あ、はい どうぞ」

その謎の転校生はポケットから何かを取りし出した

シュウヤ「この生徒手帳の持ち主 星宮葵はこのクラスに居るか!」

そう それは私が今の今まで探して居た生徒手帳だ…

シュウヤ「ん?居ないのか?このクラスじゃないのか?」

葵「あ、あのー わ、私です その生徒手帳の人…」


今日から私の学園生活は一変していくのだった







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