石の日
「今日は石の日なんですって」
皮肉な日よね。長方形の箱で眠る貴方に私は言う。貴方は何も言わず、寝息も立てず、息もせずに眠っている。大きな窓から入る紫色の月光が私たちを照らしていた。
私は片腕を伸ばして貴方の長い髪に触れ、流れるようにその頬に手を当て、唇にそっと口をつける。固く冷たい感触が唇越しにつたった。それでも、貴方の睫毛は動かない。
「王子様にはなれないみたい」
おやすみなさい、愛しい貴方。彼女に別れをつげ、今日も私は一人眠る。
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