第2話―四つの前悪02―

通告された、その日に荷物をまとめて出ていた。呪われた騎士としてみ嫌われているため追放されることに反対する人はいなく見送ってくれる人もいない。

テントを出て、もう足を向けることないだろう駐屯地の門をもう一度と振り返ってみる。

門番の2人はニヤニヤと俺に嘲笑を向けている陰口の内容はこうだろう――


『アイツよく騎士として剣を振るえるよ。四つの前悪のくせに』


『どうせなら騎士の位も剥奪はくだつなんかすればいいのになあ』


ここに村人の安全を確保するため務めていたが感謝されるどころか職務怠慢など悪罵を吐かれる日々。そして怒りの矛先を常に部下にぶつける上司の存在。

やめることには未練は無い。

けど、未練は無くとも食い扶持ぶちは失ったのは大きい。


(この後、どうすればいいのか……)


ここ村は都市と比べて政治や福祉などが未熟で進んでいない。

なので俺が失業して一時的に移住食されるよう人権の保障はいられていない。

とりあえず残った金銭でやり繰りして乞食こじき(ホームレス)なる前に職を見つけなければならない。

辺境の村で貴族など富裕層をターゲットにした豪華な旅籠はたご逗留とうりゅうされる。もちろんそこに泊まれるはずがなくランクはかなり下がって廃墟のような旅籠に。

宿泊の手続きを済ませ部屋の無愛想にカギを渡されて部屋へと向かった。

ドアノブを回して入るなり最初に飛び込んだのは室内ではなく異臭だ。

しっかり掃除されているのか怪しい、そもそも最後に掃除したのは何時なのだ?


「…我慢するしかないとはいえ、一応は経営するなら最低限のサービスを提供するように心掛けろよ」


今にも崩れそうな木製の椅子に腰を下ろす。

グギギッと不快にさせるきしむ音は木製の悲鳴のように聞こえる。

我慢だ、我慢シザーリオ。

ここで成り上がっていけばいいんだ。俺はまだ騎士でいられている。

騎士団から将兵に配られていた背嚢はいのう(リュックサックようなもの)からスクロール地図を取り出して机の上で広げる。


「こんな俺でも復帰が出来そうな派遣軍に行けば、必要とされるはずだ」


俺がいるのは辺境の村、クア・レディック。

地図上では南南西にある。青色のインクで羽根ペンを付けてキレイな円形を作って今いる場所を印を作る。

ここから離れて次の村や街に行くとしても距離があって路銀ろぎんや武具など必要だ。

それに魔物を戦うのに俺は四つの呪いのせいで十分には戦えない。そのデメリットを考慮すれば夜の時間帯で跳梁跋扈ちょうりょうばっこの魔物を戦うには危険すぎる。

なら、当分の生活するには――


「あのクソ上官の追放で思い浮かぶなんて最悪な気分だよ。

行くしかないか…ギルドに」


これからの方針を決めると俺はランプを消して朝から早く宿を出るよう早々と就寝することにした。

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