第3話―四つの前悪03―

翌朝、宿泊施設をチェックアウトして外に出る。雲ひとつもない快晴が彼を迎えられるが心の内に霧わだかまるままに。

陽光に外も内も目を細めるシザーリオは、地図を広げて歩き目的の場所へと歩き進む。

ギルドは村の端っこに、ひっそりと周囲に怪しい建物と並んで佇んでいた。


「ここが、ギルドか…分かってはいたが活気とは真逆だな。ここは」


古きよき木材を昔ながらの加工して建築されているのが窺えれるとシザーリオはギルドとい施設を見上げて感じた。

ここへの労働環境は決してよくない。引き返すなら今だぞ――そうシザーリオの奥から俯瞰して眺める自分の忠告を掛けられる。


(けど、行くしかないんだよ。遠出するには武器や防具が足りないし呪いがある。

騎士として復活するならやるしかない。

ここで復帰するんだ!)


騎士になった瞬間から覚悟は決めていた。

いついかなる時も命をかける。弱き者を助け手を伸ばす。そんな希望の具現化した存在になるとシザーリオは強くその夢を抱いているからだ。

重々しいドアを押して開く。ギッギギと不気味な重音感が鳴る。

そして、彼を出迎えるは醜悪な視線と気配。


「――ッ!?」


危うくシザーリオは剣の柄を握るところだった。法として無闇にさやを抜いてはならないとある。もし仮に鞘を抜かず柄を握って抜くような構えなんか取れば、その場で斬って捨てることも珍しくない。

刺激してはならない、シザーリオは掴みそうになった手を引っ込める。まず戦意を消した彼は散歩するような気楽さで受け付けへと足を向けた。


「今日はいい天気ですよね。すみません

失業してしまって。ここで働きたくて登録したいのですが」


「登録ですか?少々お待ちくださいませ」


よかった。受け付けの対応はしっかりもして普通だ―彼は安堵した。

ポニーテールをした若き受け付け担当者は丁寧に頭を下げて奥にある5段もあるたなの上から二番目にある一枚の書類を取り出して戻ってきた。


「これに指名だけ記載してください」


簡易な羽根ペンと置いて喜色満面な表情を浮かべて言った。彼は頷いてペンを手にして氏名だけで統一された言語で書いている途中で違和感を覚えた。


(氏名だけ?なぜ、名前だけを書くんだ)


騎士にいたときはギルドを軽く調べたことはある。けどその細かい内情と経営は把握はしていない。


(まぁ余所者でも罪人でも働ける職場がここだし。怪しい身分とか確認を取る必要がないんだろう)


どうせ尋ねても、たかだか受付を担当者では答えれる範囲を超える。

これを作成するよう指示をした者か村長など尋ねないとならない。

気にする事はないと文字をスラスラと走らせて書きつづる。


「これで、いいですか?」


「確認させていただきます……ええ。確かに確認しました。それでは最後にこちらをお付けください」


チェックを終えると次の手続きが最後と聞いて、いくらなんでも簡単すぎないかとギルドの運営に不安、そして不満が起きる。

受け取った書類を手元の机で引き出しの中へ、それを入れ替わるように腕輪を取り出して机の上に置いた。

シザーリオは、置かれる腕輪から本能的にこの異様な力を感じて頬から汗がながれる。


「これは?」


「魔物を撃退した数をカウントしてくれる不正されない対策です。

これさえ身につけてくれれば正当な報酬を我々も払えれる仕組みになっています」


「そういうことか……でも」


「でも?」


そうした対策はあって必然。しかし居場所を失い絶望に瀕した生者が、さまよってすがろうとする困窮者を使うだけ使って突き落とすいく地獄こそギルド。

それが便利性されており健全運営、とても信じられないのと腕輪から放つ異様な気配が決して手にするなと本能が叫んでいるのだ。


「出来ません……失礼させていただきます」


「それは残念でなりません。もしお気持ちが変わりましたら、また訪れてくたさい」


席を立って去ろうとするシザーリオ。

残念そうに落ち込んで対応をしていた彼女を本性を探ろうとして彼はドアノブを握って、すぐ振り返ってみた。

受付の女性は、にこやかな笑顔。

どうやら勘繰りだったかと彼は軽く会釈してギルドを後にするのだった。

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