日が変わる寸前の

わ、ごめんなさい、喋り過ぎちゃいました……。

もう日が変わってしまいますね。

では――


お誕生日、おめでとうございます。


あれ、どうしたんですか? そんな素っ頓狂な声を出して。

え、今更すぎる? 忘れられてると思ってた?


あなたが生まれてきた日を、忘れるわけがないでしょう。


じゃぁなんで、日が変わった時に言ってくれなかったのか、ですか?

だって、一番最初に言えば、そのあと色んな人に上書きされちゃうじゃないですか。


一番最後に言えば、あなたの誕生日を自分で満たせるんじゃないか、って。

そう、思ったんです。


ふふ、そうです。バカなんですよ。

じゃぁ、今度こそ。


おやすみなさい。そして、どうか良い夢を。


……生まれてきてくれて、ありがとう。

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