第22話 楓と由姫が!?

美波家のリビング。そこに由姫と父親の宗、母親の沙苗、そして

楓が座っていた。沙苗が料理を作り、それを食べている所だ。


食べ終えてから沙苗が楓に聞いた。


「じゃぁあなたは孝弘君じゃないのね?」

「何度も言ってるが違う。俺は霧沢楓だ。その孝弘とか

言う奴が俺と似てるのかは知らないが」

「霧沢君、君は頭を打ったりした事はないかね?」

「さぁな。少なくとも俺の記憶にはない」

「あなたの両親は?」

「知らんな。ただ、親代わりはいる。親というにはまだ

若いけどな」

「その人が霧沢さん?」

「そういうことだ。ともかく俺は孝弘じゃない。あと

俺は楓でもない。あまり俺には関わらない方がいいぞ」


楓は席を立ち、皿を洗いに行った。沙苗がいいと言ったが

楓は続けた。いつもしているので習慣でしてしまっている。


それから一応由姫の部屋に行った。初めて楓が入ってきて

由姫はそれだけで少し興奮していた。


「楓、座って」

「いや、すぐ帰るからこのままで!?なんだ?」

「帰らないで。あなたは孝弘じゃないかもしれない。でも

そうじゃなくても一緒にいてほしい」


由姫は楓の後ろから抱きしめた。すぐに解こうとしようと

したが楓はなぜかしなかった。ベッドに座り、由姫は

楓の膝の上に座っている。本当はエッチをしたいがそれを

して嫌われるのが怖かったので今は抱きついているだけに

していた。


「いつまでそうしてるきだ?」

「ずっとしてたい」

「それじゃ何もできんだろう」

「ねぇあなたは女の子に興味はないの?私、それなりにその

おっぱいは大きいけど」

「悪いが、人に興味がないんでな。女も同じだ。だが」

「だが?」

「メンバーあほどもがいつもそういう話をしてるんでな。知っとか

んと後で色々言われるのも面倒だから知ろうとは思うが

どうすればいいかわからん」

「簡単よ。私が教えてあげる」


由姫は最後まではしないで、途中までは教える事にした。楓の

肌も感じてみたかったからだ。でも、由姫も経験はないので

触らせるのにドキドキしていた。そして初めて楓の手が自分の

おっぱいに触れた。


普通の男子ならそのまま揉みしだくが、楓は触っているだけ

で自分からしようとはしてなかったので由姫が手をとり

揉ませた。どんどん由姫の息が荒くなっていく。


「楓。もっと」

「どうすればいい?」

「こうして」


楓のもう一つの手をお尻の方に当てた。そしてそのまま前に

当てさせた。由姫は決めた。最後まではしないまでもこの

まま絶頂に行きたいと。楓は相変わらず無表情だが由姫の

言われる様にした。そのおかげで由姫は絶頂した。


「おい大丈夫か?」

「大丈夫、ありがとう。気持ちよかったわ」

「これをあいつらはしたいとか言ってるのか。悪いが俺には

何がいいかわからん」

「今はそれでいいわ。いつか、あなたからしたいって言って

くれれば私はいつでもしてあげるから。それを覚えておいて

ほしいの」

「まぁ気が向いたらな。いつものお前と違う顔が見れたのは

なんか面白かったからな。それに」


楓はその後は言わなかった。由姫は着替えて玄関までついて

行き楓を見送った。部屋に戻って由姫はすぐにまた一人

エッチをした。初めて自分の体に楓が触れたのを忘れない

様にしたかったからだ。それだけ由姫は嬉しかった。


「楓。もし孝弘じゃなくても彼なら」


由姫は孝弘としてでなく楓としても好意を持つ様になっていた。


翌日の休み時間。由姫は里奈に昨日の事を話した。もちろん

少しエッチな事をしたのは言わずに。


「じゃぁおばさん達も違うって思ったのかな」

「どうだろう。父さんはまだ疑ってたみたいだけど」

「あの人ならそうだね。それで、最後までしたの?」

「何を?」

「エッチ!抱きついてたとこまでは見てたんだけどね。それから

呼ばれちゃったから見てないんだよ」

「里奈。覗いてたの?」

「少しだけね。由姫が抱きついているからもしかしたらって

思ったけど」

「してないわ。本当はしてもよかったけど」

「流石に今はできないよね。それをしたら孝弘に申し訳ない

もんね」

「そうね」

「でも、抱きついた感触はどうだった?初めてでしょ?男の

人とにそうしたのは」

「すごく安心しできたわ」

「そっか。私もしてもらおっかな」

「里奈」

「大丈夫。その時は由姫も一緒だから」


そんな感じで里奈と話した。それからライブで会う時も

楓を意識する様になっていた。


ライブの方は順調に進んでいた。どの会場も盛り上がり

常にネットで話題になっている。

それもあって、由姫達の所にもこの前のPVみたいな

動画をまた出してほしいとたくさんコメントが来ていた。


学校が平日休みのこの日、珍しく洋子の部屋で集まる事に

した。そこでメールとかを確認したり、これからの事を

話していた。すると、そこに誰かが入ってきた。


「洋子、コーヒー持ってきたよ」

「ありがとう姉さん」

「あなた達が洋子と一緒にバンドしてる子?」

「はい。私が」

「知ってるよ。由姫ちゃんよね。テレビで見てるから」

「それはどうも」

「ゆっくりしててね。何か食べたかったら作るから」

「ありがとうざいます」


洋子の姉の志穂が持ってきたコーヒーを飲んでその志穂の

事を洋子に聞いた。洋子に似ていて洋子がそのまま大人に

なった感じだった。もちろん由姫並みの豊満な胸をしていた。


「それでどうしますか?PV」

「そうね。今から作るのは難しいけど、求められているのなら

しても構わないわ。大会以外の時でもそれは活動をして行く

中で大事な物になると思うから」

「そうだね。また作りたいし」

「それならクリスマスに合わせるのはどう?」

「クリスマス?それってもう予選も終わって本戦に入ってるわよ」

「だからですよ。絶対私達が勝って本戦に行って、そこで

私達のPVを流してもらいましょうよ」

「なるほど。それもありだね。どう由姫?」

「そうね。流してもらえるかわらからないけど、必ず優勝する

為っていう事なら賛成よ」

「私もそれでいいです」

「やった!じゃぁまたどこで撮影するか決めないとね。夕子

手伝って」

「うん。探してみる」


そうしてまた今度は優勝するという目的の為に由姫達は

PVを作る事にした。

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