第21話 学業と訪問?

会社に行った事を由姫は里奈達に報告した。もちろん今はまだ

デビューしないとも言った。


「でも珍しいね由姫が直接行くなんて」

「なんとなくね。ま、いつかはデビューするから下見に

行くのも悪くないわ」

「相変わらずの自信だね。ま、それぐらいの気持ちがないと

デビューなんてできないしね」

「そうです。そして、その自信を確信にするのがこの大会で

優勝する事」

「その通りよ。学園祭も終わって、あとは予選を勝ち上がる

だけ」

「なんだけど、私達にはまだ敵がいるわよ由姫」

「敵?」

「テスト」

「さぁ練習するわよ」

「話題を逸らした!」


由姫は勉強が苦手なわけではないが、好んではしないタイプだ。

だからいつも里奈に言われてやっている。他のメンバーも

洋子以外は不安があった。しかも今はライブで時間をとって

いるため、勉強はあまりしていなかった。


それが現れてるのがたまにある小テストで、里奈と洋子は

大丈夫だが、由姫達は少し危なかった。


なので洋子と里奈が勉強を教える事になった。昼休みは

屋上で、放課後はファミレスや誰かの自宅でしたりと

テストが終わるまでは勉強が中心になった。


その中でもライブはあるのでその時はしっかり練習をして

ライブに挑む。新曲も披露したり、さらにアレンジを

したりと勉強との両立をしていた。

それは由姫達だけでなくアストレアのさくら達、そして

楓達も同じだった。


楽屋で全員が集まっている時、由姫が楓に聞いてた。


「勉強?」

「ええ。もうすぐテストだから勉強はしてるのかと思って」

「お前はしてないのか?」

「私はこっちが優先だから」

「まぁそうだろうな。でも、やる事はやっとけ。後で

後悔するからな。やってダメなら仕方ないからな」

「そうね」


二人が話している中、他のメンバー達も勉強をしている者達

もいた。特にアストレアのメンバーは全員が勉強をしている。


テストがあるのは来週の後半からだ。テストは由姫達だけで

なく他の生徒もしたくはない者は多いが、やらなければなら

ないので、誰もがやっていた。


テスト前夜、里奈は由姫の部屋で一緒に勉強していた。


「里奈、トイレに行ってくるわ」

「さっきも行ったでしょう。それとも一人エッチ?」

「しないわよ」


由姫はトイレに行った。しないと行ったが、少しだけ

した。里奈が帰ってから続きをする。最近は里奈が

いてあまりできていなかったので、テスト前に発散

しようと楓を思いながらした。


そうしてテストが始まり、どうにか全員赤点を取ることは

なかったが、美麗はギリギリだった。


テストが終わると由姫は練習に打ち込んだ。練習以外でも

普段の日常でも今までと少し違う行動をしていた。


これまではずっと音楽だけをしていたので、あまり他の

女子高生がしている買い物や遊びをしていなかったが

今は少しどこかで遊んだりするようにした。それも

リフレッシュする目的でだ。それは倒れてから里奈に

言われてからする様にしていた。


放課後、一度家に戻り、着替えてから街に出る。普通に

しているとファンに見つかるので、一応帽子とメガネを

していた。髪型もいつもと違い、結んでいる。


「何か食べて行こうかしら」


由姫が立ち寄ったのはラーメン屋だった。楓と行って以降

よく行くようになったが、やはりラーメン屋に変装を

しているとはいえ美少女女子高生がいると一気に店の中が

華やかになる。由姫は気にせず注文し食べる。


食べ終わるとすぐに店を出る。他の店にも行くが、どこに

行っても目られて声をかけられる。由姫とわかってて声を

かけてくる者もいた。今までは声をかけられても無視を

して来たが、今はしっかり対応をしていて、それが評判に

なり、よくS N Sでそれが取り上げられていた。


夜になり家に帰ってくる。すると今まで仕事で出張していた

母親の美波沙苗みなみさなえが帰ってきていた。

家族が揃うのは久しぶりで、由姫は今の活動の事を二人に

話した。二人共由姫を応援してくれていて、この前テレビで

見た事も話して喜んでいた。


部屋に戻って少しすると沙苗がやってきて、孝弘の事を

聞いてきた。これまでも電話で聞いていたが直接聞こう

と思って由姫に聞いた。


「そう。もしかしたら記憶がないかもしれないのね」

「うん。そう思いたくないけど、これだけ親しくなって

来ても彼からは何も言ってくれないの」

「本当に別人なのか、それとも記憶がないのか。どちらも

あまり良い方向ではないわね。でも、あなたは彼が孝弘君

だと思ってるんでしょう?」

「そう思ってるわ。どんなに変わっても私が孝弘を見間違う

訳がない。私は彼のお嫁さんになるんだから」

「そうね。私もその方が安心できるわ。ねぇよかったら今度

彼を連れてきてくれないかしら?私も見て見たいわ」

「来てくれるかはわからないけど、連絡してみる」

「お願いね」


沙苗に言われた通り由姫は孝弘に連絡をした。土日はライブが

あるので平日の放課後に来てもらうことにした。そしてその日

孝弘は由姫の家にやってきた。沙苗だけでなく父親も一緒にいて

楓は美波家と対談?した。


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