第14話 予選開始!由姫達の順位は?
prayerの予選が始まる二日前の放課後、由姫達は最終調整に
入っていた。今週土曜日から始まり、そこからやく三ヶ月に
及ぶ予選を勝ち上がって、十二月二十四日の本戦へと進む。
そして、今まで明かされてなかった本戦の会場が発表された。
そこはなんとアリーナだった。その発表により、さらに
活動が活発する。それ由姫達も同じだった。
練習をしている時にその発表があったのでより集中して
練習に励んだ。
「それにしてもアリーナか。プロでもないのにできるのかな」
「この大会はそれだけの規模です。その中で勝ち上がった
上位ならそこでライブができてもいいぐらいのファンはいると
思ったんでしょう」
「そうだね。それに約三ヶ月も予選があるからその間にどんどん
ファンを増やせれるもんね。しかもそれがちゃんと投票で
現れるからよりリアルに見えるわ」
「だからこそ予選は重要よ。この地区の事だけじゃなく他の
所も見てないとここで通過できても他の方が票が上だったら
その時点で負けるわ」
それにより予選を真剣に行わなければいけなくなった。
予選前夜。由姫は色々準備していた。その途中で電話を
した。その相手は楓だった。ただ今どうしてるかを
聞きたかっただけだった。
「そう。特に変わらないのね」
「俺が変わると思ったか?どこでライブをやろうと
いつも通りにするだけだ」
「そうね。それは私も同じよ。でもできればまた一緒に
ライブをしたいわ」
「それは本線でできる」
「そうじゃない。同じメンバーとしてよ」
「あれはあの時だけだ。俺は他の奴らの面倒まで
見るつもりはない」
「わかってる。いるだけでいいの」
それから少し楓と話しをした。そして、予選が始まる
当日になった。学校は休みで、由姫達は朝から集まり
ライブに向けて話し合った。
「じゃぁこれでいいわね」
「衣装も新しくしました」
「朝倉さん大丈夫ですね?」
「もちろん。ちゃんと集中するよ。何せ勝てばアリーナで
ライブができるんだもん。テンション上げないと」
「それもいいけど、冷静になる事も忘れないでね。これからは
一つのミスも許されないのだから」
「洋子の言う通りよ。私達は絶対優勝するわ。そして本戦に
出てプロになる」
由姫達は会場に向かった。昼過ぎからライブが始まるので
それまでに会場でのリハをする。一組三曲演奏し、最後に
お客の投票が行われ、翌日に結果が出る。
ライブが行われるのは主に土日だ。学生の参加も多い為
休みの日にライブが行われる。なのでその間に別の事で
ファンを増やすのもありになっている。
会場に入って楽屋にいると他の組み達が挨拶に来ていた。
それからステージで合わせて後は時間になるのを
待つだけだ。
三十分前、由姫達は衣装に着替えた。その衣装は左右で
色が違い、白と黒でできていた。衣装のデザインを
考えたのは夕子だ。由姫達crosswiseはこの日のラスト
になっていた。なので始まる時は楽屋のモニターで
ステージの様子を見ていた。
そして時間が来てライブが始まる。会場は満員で外にも
大勢ファンが集まっていた。
由姫達はここと別の会場の様子もスマホで見ていた。全国で
同時に開催されるので、色んなメディアが取り上げているから
どこの動画でも見る事ができる。
そうしているうちに由姫達は呼ばれた。ステージ裏で
待機をする。
「いい、この最初で全てが決まると言っても過言じゃないわ!
絶対ミスはできない」
「わかってます。成功する為に練習をして来たのですから」
「そうだね。由姫も皆も頑張ったからね。絶対いけるよ」
「私もいけると思います」
「私だって、もう迷ったりしない。始まったら最後まで
やり遂げる」
「それじゃ行くわよ」
前の組みが終わり、いよいよ由姫達の出番がやってきた。
客もこの日一番の盛り上がりを見せ、由姫達もそれに
応えるように全力で演奏をする。そうして三曲やり遂げて
無事に最初のライブを終えることができた。
そのライブが終わった直後に由姫は自分達が優勝すると
宣言もした。それが話題になり初日が終わった直後に
ネットのニュースにもなっていた。
翌日、昨日と同じように由姫の部屋に集まり、昨日の
集計結果を待っていた。結果はprayer公式のホームページ
でわかるので美麗がその画面をずっと見ていた。
「あ!来たよ」
美麗の声に全員がスマホの画面を確認した。そこには
ランキングがあり、下から順位が上がっていく。
そして、由姫達のcrosswiseの名前は二位のところに
載っていた。
「私達が二位?」
「い、一位は!?uranosだ」
「由姫」
昨日、同じ会場でライブをやったuranosが由姫達を抜いて
一位だった。uranosはトップバッターだった。それを
由姫は楽屋で見ていて、実は勝てるかわからなかった。だから
あの勝利宣言をしたが、それでも届かなかった。
「仕方ないわ。これはファンが決めたものだもの。でも
諦めない。必ず追い抜いて見せるわ」
そうして会場に向かい、二日目のライブが始まった。由姫達は
この日は二番目になった。順番はランダムなので、その日に
なるまでわからない。
順番が来てステージに向かおうとした時だった。前から
楓達が来て、由姫達は止まった。
「昨日は負けたけど、今日は勝つわ」
「そうか」
そう言って由姫達はステージに立った。
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