第4話 大規模大会 futuristicplayerに参加へ!

会場の控え室。そこにいた由姫達の所に誰かが訪ねてきた。それは今日

一緒にライブをやる他のバンドだった。


「失礼します。今日はよろしくお願いします。アストレアです」


女の子五人がやってきた。白と紅の衣装を着ている。挨拶した子は

髪が紅色で、ポニーテイルだ。


「こちらこそよろしく。crosswiseよ」

「知ってます。今一番話題になってるバンドですから」

「そうなの。まぁそれはい良いわ。あなた達の演奏見せて

もらうわよ」

「どうぞ。楽しんで行ってください」


そう言って彼女達は楽屋を出た。


「由姫、彼女達実力はすごいわよ。このへんじゃ知らない

人はいないぐらいの知名度もあるし」

「関係ないわ。私達は他のバンドに負けない。これは勝負では

ないけど、この出演している中では一番だと信じないとプロ

にはなれないわ」

「そうだね。自分達の事を力一杯やりますか」

「やりましょう」


そうして時間が来て、由姫達の番がやってきた。それまでにアストレアも

他のバンドも見ていたが、由姫はやはり自分達が一番だと信じていた。


その証拠にライブが始まると今日一番の歓声が会場を覆った。しかも

由姫達が今日のトリでもあるので盛り上がりは最高潮だった。

曲は三曲演奏をした。それをアストレア達も見ていた。


「すごいね彼女達」

「ええ。力強いけど丁寧で表現力もある。これならプロから

誘われてもおかしくないわね」

「でも、彼女断ってるんでしょ?」

「そう見たいね。だからその間に私達が先にプロに行くわ」


そうしているうちにライブは終了した。由姫もそれなりに

満足のするライブになった。


ライブ終わり、由姫達はファミレスにいた。ライブが終わった

時は反省会も含めてファミレスに通っていた。

ちなみにこの中で一番食べるのは由姫だった。体力づくりの時に

食事も食べる事を意識したらよく食べるようになった。


「相変わらずよく食べますね」

「これぐらい普通よ」

「これで一番痩せてるんだから羨ましいわ。まぁどうせ

栄養はおっぱいに行ってるんだろうけど」


里奈が由姫の後ろに周りおっぱいを揉むがすぐに叩かれ

怒られた。それから店を出て解散した。


それから数日後、学校内がざわついていた。それはこの間の

ライブで由姫達が音楽雑誌などで取り上げられてまた知名度

が上がったからだ。しかもそのライブは動画配信されて

その再生回数が数十万と見られていた。


それを知って由姫達は昼休み、屋上で集まり、スマホでその

ライブを見ていた。


「本当にこんなに見られてるんだ」

「すごいですよね。今じゃぁ動画で音楽活動してる人も

いるぐらいですから」

「由姫はどう思う?」

「論外よ。ただのエンターテイメントでなら良いけど本気で

歌うのはやはり生のライブよ」

「でしょうね。デジタル使ってるからもしかしたらって

思ってたけど」

「あれは人数がいない時の手段よ。私はあくまで演奏と

声で勝負するわ」

「そうですね。私も賛成です。このような動画で頼っても

私達の本当の演奏を聞いてもらえないですからね」

「そうだね。まぁ私達はそれで良いかな」


その動画の効果を由姫はまだ知らなかった。


あのライブから数週間経過していて、由姫達はいつも通りの

学生生活をしていた。他の人と違うのはあのライブでさらに

有名になり、外に出ると声をかけられたりするほどだ。


それ以外でも里奈のパソコンのメールにたくさんライブに

出演してほしいと良いう依頼のメールが毎日きたりしていた。


その中には当然有名音楽会社もあったりするが、由姫は全部

断っている。それでも依頼は後を絶たない。そういう依頼を

どうしようか由姫は全員を集めて話し合った。場所は由姫の

部屋だ。


「それでこれからどうするの由姫?こんなに依頼が来てるよ」

「良い迷惑ね。私は自分が納得したらすぐにプロに行くわ。今は

まだ納得しないから契約しないだけ」

「でも、ライブに出るぐらいなら良いのでは?経験をしておくのは

悪いことではないのでは?」

「それはわかってるわ。だからライブの依頼は今確認してる」

「どうせ出るなら大きい会場がいいよね夕子」

「そ、そうだね。いきなりプロでそういうと頃をやるより今

経験してた方がやりやすいし」

「そうですね。美波さん、どこか大きい会場からの依頼は

ありますか?」


由姫はメールの確認をしていた。ずらっと一覧から探して

いると、ある一通のメールが目に止まった。


「これは大会かしら」

「大会?ああこれ、今話題になってる大会だよ。この大会で

勝ったらプロにもなれるし一気に有名人にもなれるからね。出れる

のは皆素人だからね。それに私達も出てほしいってこの前この

メールがきたのよ」

「返事は?」

「当然断ってるよ。由姫が全部断ってって言ったから」

「そう」


由姫はそのメールの内容をじっくり見た。この大会、futuristicplayer

に出たらもしかしたら孝弘も出てくるかもと思った。


「里奈、この大会に出るわよ」

「え?出るの?もう断っちゃたけど」

「まだ時間はあるわ。明日私から交渉する。皆もそれでいいわね」

「いいですよ」

「私も出たいです」

「そうでね。私も全力やります。もちろん優勝目指しますよね

美波さん」

「もちろんよ。出るからには勝つ。それじゃこれからはそれに

向けて調整するわ」


そうして翌日、由姫は大会運営に自ら連絡を入れて参加を

希望した。

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