考え方の変化。

「今日は掘り下げの仕事編二をやろうと思ったのですが、嫌なことがあったのでそっちの掘り下げをすることにしました」

『嫌なこと?』

「簡単に言うと、後輩の裏切りですね。私を悪役として園長に話をしたみたいです」

『なるほど。それでどう思った?』

「先輩として信用されてないことへのショックとか、ナメた真似してんなっていう怒りとかあります。普通に腹が立ってます。けど、最近、メンタルとか心理学とかスピリチュアルとか、たくさんの動画を見て自分なりに未来について研究して、それと同時に見つめ直したり考え方を改めたりしてるんです。その成果なのか、最終的に行き着く結論は『まぁ所詮、今だけの関係だし』なんですよね。勿論、目の前の関係性を蔑ろにするわけじゃありません。ただ、物事を大きな視点で捉えることが出来ている気がします」

『というと?』

「極論かもしれませんが、私の友達は『バツが何個ついても構わない』と言って、それなりに好きな人と結婚し、離婚しました。バツが何個ついても自分は自分だから、らしいです。さらに言えば、バツがあるかないかで人を判断するような人は友達にいないから大丈夫、と。

人生における嫌なことも、それと似たような部分があると思います。確かに嫌だという気持ちはありますけど、それは職場の中だけの、しかも一部の人間との関係性にすぎません。私があの職場を辞めたら、連絡を取るどころか記憶からも薄れていくような関係です。

離婚と似た話ですが、前の前の園長は横領していて自主退職という名のクビになりました。勿論、それは悪いことであり、クビになるのは当然の流れだったと思います。けれど、その人が次の職場で働いた時、前の職場でどんな人間だったかも知らなければ、横領してクビになったことも知らないのです。つまり、職場の人間というのはその程度の関係なのです。勿論、法で裁かれるよな大きな罪を犯したのなら話は別です。ただ、今の私が受けた程度の『嫌なこと』は、随分と小さなことだなぁって思いました」

『考え方の変化は大きな進歩だね』

「それと、もう一つ。こっちはスピリチュアル要素が強いかもしれませんが、嫌なことがあった時って、神や宇宙から『道間違ってますよ!』っていう合図らしいです。あなたはそこにいるべきじゃないよ、みたいな。まぁ、こっちに関しては、信じるも信じないもあなた次第、といったところですかね」


私としては『道間違ってますよ!』ではなく『この道に進みなさい、大成功するから』とか『この人と結婚しなさい、幸せになるから』とか教えてほしいのですが?



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