結婚したいのです

「仕事の話は進展するまで一旦置いておいて。別の悩みがあるんです」

『別の悩み?』


結婚したいのです。


「正確に言うと、理想の男性と、ですけど」

『なるほど、その理想の男性ってどんな人? 出来るだけ詳しく、自分に素直にイメージしてみて』

「自分に素直に、」

『偽物の感情が引き寄せた偽物の男性で良いの?』

「いやだ」


理想の相手は、自分に素直にイメージすることが大事らしい。

そんなことを言われたら、真っ先に「イケメン」と「金持ち」と「私を一途に愛してくれる」なんて、素直に欲深い感情が出てくるから面白い。


「結局、私は顔が大事です。イケメンは三日で飽きるとか言うけど、そんなのは現実になってみないとわからないし、飽きたところでイケメンであることには変わりないんですよ。私は誰がなんと言おうと、私が望むイケメンと結婚します。あと、お金持ちがいいです。玉の輿になります。自分が稼ぐことと相手が金持ちであることは別物なんですよ。私が数億稼ごうが、相手も金持ちであってほしいんです。そんな話を友達にすると、強欲だね、なんて言われそうで嫌なので、ここで声を大にして言います。金持ちがいいです。あと、やっぱり愛情が大事ですね。私を一途で愛して、浮気とか不倫とかしない人。それでいて暴力とかもしない、優しい愛情を向けてくれる人。それから相手自身の家族や友達、私の家族や友達も大切にしてほしいです。けれど何よりも私や、これから出来る娘や息子たちを優先してくれる人。身長は173センチ以上、体重はよく分からないのですが、俗に言う細マッチョとかが良いですね。もしくは普通体型で、健康的な体の人。あとは、賢さを持っていて、けれども子どもっぽさも持っている人。勉強ができるかどうかは気にしないです。そうではなく、生きる上での賢さを持っている人に尊敬してしまいます。笑顔で何事も楽しむ人。一緒にゲームをしたり映画を見たりできる人。動物や子どもを愛することの出来る人。漢気のある人。ユニークな人。清潔感のある人。ありのままの私を受け入れてくれる人。まだまだあるんですけど、残りは自分で紙に綴ることにします」

『自分に素直に、ね』


人間、誰だって愛されて生きていたいのです。



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