「いいのいいの。遅かれ早かれ見る事になるんだから」
アリカタは正式にレンリの物となった。まだ結婚は出来ないが仮予約という事で書類は提出された。
アリカタは俺が跡継ぎになるのか? と変に勘ぐったがレンリは兄がいるからわたしとアリは自由だよと答えた。
レンリとアリカタはビルの1室で同棲する事となった。仮とはいえ書類が提出されているのだから一緒に住めや、と軽いノリで。
その部屋(3LDK)への引越し祝いでパーティーが行われていた。
主催したのはレンリ。参加者はふたり。レンリの友人だ。女性3男性1なのでアリカタは肩身が狭い。
「レンちゃんっ。その人が
両手をふりふりレンリに話しかける少女。レンリの親友1号、セナ。
「本当にアリっぽい。興味が引かれる。触っていいいか? レンリ」
眼鏡の奥からじっとアリカタを見つめる少女。レンリの親友2号、ハシュカ。
「そう。わたしの
レンリはアリカタを触ろうとしていたハシュカから腰に抱きつき威嚇しつつ離した。
「ひゅーひゅー!」
「ふむ、男の生態には興味がある。やはり私も
(逃げて! 世の中の男超逃げて!)
とセナはレンリをおだて、ハシュカは間近で見る”男”と言う生物に興味津々だった。
ハシュカとレンリの攻防はパーティーが終わるまで続いた。
セナはアリカタと言うよりもアリカタを懐に入れた状態のレンリに絡んでいた。
まだ未成年である為パーティーは18時にはお開きになりセナとハシュカは送迎車に乗って帰っていった。
「うー、年下の女の子ばかりだったから精神的疲労がひどい」
アリカタは大人が3人くらい入れそうな湯船で身体を伸ばした。
浴槽に背をゆだね温かい湯に浸かっているといきなり風呂場の扉が開いた。
「来たぞ」
そこには一糸まとわぬ姿で仁王立ちするレンリがいた。
前を隠す事もせず腰に手を当てて立つその姿を見てアリカタはすっと足を立てた。
「お、お嬢。前を隠して、隠して」
「いいのいいの。遅かれ早かれ見る事になるんだから」
「いや、心の準備って物が……」
「そんなのいらないよ。はい動いて動いて」
レンリは何事も無かったかの様に身体を洗い湯船に入ろうとした。
アリカタはレンリとは反対方向に身体を向けようとしたが彼女がそれを許すはずがなかった。
あっという間にアリカタの足の間にレンリは収まった。
柔らかい肌が触れる。
胸に頭をつけて心臓の音が聞こえるなどとレンリはアリカタで遊んでいた。
鼻をくすぐるオンナノコの匂いがアリカタのアレを起立させるのは当然だった。
もちろんレンリはすぐに気がついた。
「背中におっきいのが当たってるけど興奮してる?」
アリカタはなんと口にしたらいいのか判らなかった。
ただ、ひとりになりたいとだけ口にした。
「大丈夫。わたしもひとりになりたい。えっちはまだ早いと思うし。すごくドキドキしてる」
そう言ってレンリは器用に背中越しで見えないはずのアリカタのあれを弾いた。
頭の部分を弾かれた衝撃で放射しそうだったが気力で我慢した。だが、限界が近い。
陽に焼けた肌を視界いっぱいに見ていじられて限界だった。
「ごめんお嬢。もう出ないと。のぼせてきた」
「あう、わたしも頭がくらくらしてきたかも」
一緒に出る? とレンリが身体を反転させて首を傾けた。
小麦色の肌が、地味に主張する物が、まだ生え揃わないあれが、アリカタの目の前に広がる。
より一層硬さを増し興奮する自分を抑えてアリカタは無言で湯船から上がり手早く着替えて部屋に逃げ込んだ。
レンリは目の前で動く反り上がったオトコのアレを瞬きせずに見ていた。この瞬間を逃してはいけない。いま目を閉じたら。そう思ってアリカタのアレをじっと見つめた。目はアリカタの背を、出ていった浴室の扉を見つめ続けた。
アリカタのいなくなった浴室でレンリは。
レンリの小麦色を思い出しながらアリカタは。
次の朝がぎくしゃくしたのは言うまでもない。
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