横乳事件 ~馬鹿野郎お前俺は勝つぞお前~

 年始恒例の格ゲー大会が、我が家で始まった。


 親戚のモモチが、今のところ連敗中である。

 

「あ~暑っちい!」



 ゲーム中にモモチが、半纏とジャージを脱ぐ。

 タンクトップに包まれただけの巨乳が、オレの眼前に現れた。

 

負け続けて、あまりにヒートアップしたため、モモチは羞恥も忘れて気合を入れている。


 この勝負には、お年玉の半分がかかっていた。


 勝てば、そのお年玉で好きなものが買える。


 賭けに負けたくないあまり、勝負に出たのだろう。


「服を脱いだところで、オレに勝てるわけがなかろう」


「うるっせ、キヨ! あたしは負けねえ!」

 

「馬鹿野郎お前俺は勝つぞお前」

 

 モモチが、コントローラーを握った。


「オレも脱ごっと」


 デスクヒーターが、思いのほか眩しい上に暑い。


 ヒーターを消し、オレもタンクトップ一枚に。


 しかしオレの目線は、モモチのポッチに釘付けになる。


「くそ、負けそう」



「いいからあたしに、お年玉を吐き出せキヨ!」


 爆乳を揺らし、モモチがこちらにのしかかって来た。


 必殺技と一緒に、モモチの身体も曲がってきたではないか。


 そのせいで、モモチのモチモチしたボインが、オレのヒジに。


「よし。勝った……ええっ!?」


 モモチが、オレの方を向いて驚く。

 

「わ、バカ!」


「えっひゃああ!」


 オレとモモチの操るキャラが、二台同時にクラッシュ、リングアウトする。


「へへーん。やりー」


 結局、優勝したのはオレの妹だった。


「くっそ。負けたーっ」


 やはり、モモチのバストに動揺したから。

 

「あーもう。でもいいもん見られたよ」


「なにが?」


「キヨのおっぱい」

 

 お前、男の乳首見て悦んでんじゃねえよ!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る