オタクに優しいギャルが「ほれほれ膝枕だぞ~」と太ももを見せつけて誘ってくる

 オタクに優しいギャルなんて、幻想だと思っていた。



 だが、リンカさんは僕に優しくしてくれる。 


「ほれほれ、膝枕だぞ」

「え、えええっ」


 太ももをポンポンとしながら、リンカさんは僕を誘惑してきた。

 僕のベッドに寝転びながら。


 このお膝に頭を乗せられるのは、たしかに光栄だが。

 

「なにを遠慮してんだ? いいって言ってるじゃん」

「そうはいっても」

「ビビってんじゃねえって。部屋に入れた時点で、実質エッ……な展開になるっての」

「どんな理屈なんですか!?」


 リンカさんが謎理論を展開する。


「いいから、ほらジュース持ってきたよ」

「ありがとー」


 下着が見えそうになるのを隠そうともせず、リンカさんが起き上がった。


 ギャルって、みんなこんなカンジなのかな?

 

 リンカさんは胸が大きく、太ももだってパッツンパッツンだ。それをニーソで包んでいる。


「あの、部屋まで来ちゃってよかったんですか?」

「だって、ウチら付き合ってんじゃん」


 たしかに、「彼氏面してくる不良につきまとわれるのヤだから、交際していることにしてくれ」と、リンカさんから言われたんだっけ。



「あんた一途じゃん。二次元は浮気に入らないって、ウチも思ってるし。だから、遠慮すんなって」

「そうはいっても、僕、幸せすぎて死にそう」

「アッハ。幸せなくらいで人は死なないって。それこそ、どんな理屈っての」


 僕が入れたりんごジュースを、リンカさんが喉を鳴らしながら飲む。



「あーっ、いい。これ、果汁100%中の100%ってだけあって、1000%の味がするね」

「ありがとう」


 我が家でリンゴをミキサーして、果肉を絞ったものを用意した。

 リンカさんの評価は、ナゾだけど。


「普通、人のお家で飲む自家製ジュースって微妙なんだけど、これ最高。これを飲みにきてもいいくらい」

「ジュースでよかったらいくらでも飲みに来てよ。実家から大量に送られてくるんだ」

「ラッキ。あんがと」


 リンカさんが、アップルパイを頬張った。

 

 リンゴ会話で、なんとか場をつなぐ。

 ヘタなことを言うと、また膝枕どうぞってなりそうだし。


「いいね、シャリシャリで珍しい食感だね。でも、これってさっきのリンゴだよね?」

「うん。ウチは、絞りカスは捨てないでアップルパイに入れるかジャムにするんだ」

「うっわ。最高じゃん」

「持って帰ってよ」

「いいの? ありがと。お礼にほら。えいっ」


 いきなり、僕はリンカさんにハグされた。

 凶悪なバストの弾力を感じるまもなく、僕は膝枕をされる。


「気持ちいい?」

「うん」

「リンゴのお礼だよ」

「うん。でももったいないよ。リンゴだけでこんな思いをしたら、バチが当たりそう」

「あっは。そんなの考え過ぎだっての」

 


 数秒が、永遠に感じられた。


「ねえ」

「ん?」

「いつかさ、絞りカスにしてあげるよ」


 ナニを絞るつもりなの!?

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