王位継承戦

第11話奴隷

奴隷、主人に絶対逆らうことができない契約をかけられている者。犯罪者、または地位が低いものがなる。その子供も大抵奴隷になってしまう。


「奴隷~。奴隷だよ、」

そんな声が脇道から聞こえてきた。

「どうした?奴隷に興味あんのか?」

失礼な。

「そんなわけないでしょう。奴隷という制度は一生好きにならないですよ。」

今、俺とミリオンさんは狩ったイノシシやら牛やらを少し大きい都市へと売りに来ていた。いつもの村だと、キャパオーバーになることが多々あるので、時々こうやって大きな町にも売りに来ている。

「そうか、俺も好きじゃねえな。」

奴隷という遅れた制度を使っているこの国には吐き気がするが、いま俺がそれをどうにかこうにか止めることはできない。いつも住んでいる町では幸いなことに見かけないが、この都市では胡散臭そうな金持ちや、鼻持ちならない貴族たちが連れている。

「誰も買わなかったら、自動的に消滅する職業ではあるんですがね、、」

そんなことには残念ながらならなそうだな。

「今の王が生きているうちは無理だと思うぞ。」

うーん、気にしないのが吉、なのだろうか。


「冬ごもりの準備だ。」

「イエーイ。」

異世界に来てから半年が経とうとしていた。その間に、春が過ぎ夏が過ぎ。ついに、冬を迎えようとしていた。

「この町の冬は寒いからなあ。しっかり準備するぞ。」

そうらしい。俺は日本でも南の方に住んでたからな、そういうのに慣れていない。おとなしくミリオンさんに任すのが一番だろう。

「そういえば、ギルドってなんですか?この建物の看板に書いてありますが。」

あの古いボロイ建物は僕とミリオンさんがただ、生活をするだけの場所になっていた。

「あーーー、そういうのはまたいつか説明するぜ。」

そうらしい。言葉からある程度の想像はつくけどね。

「とりあえず、いるものは水と食いもんと、、、なるべく一週間分は備蓄が欲しいな。あと、小僧の分の冬装備と。こたつは今家にあるからいいとして、、」

ミリオンさんはぶつぶつ呟きながらポンポン物を籠に入れていく。

「よし、これで十分だろう。あとは、こたつだな。」

そういえば、こたつというものがこの世界にあるんだな。いまいち、違和感に気が付かなかった。やはり、同じ人間(たぶん。)どうし、同じような世界線になるんだろうか。

「よし、じゃああとは冬を待つだけ。」

「冬ー。」



多分ね、これは俺があったかい方に住んでたからだと思うんだけど。冬ってきついね。大雪は一週間に一回は降るし、ずっと家のこたつにこもってたい。ミリオンさんは、年も年だからずっとこたつにこもってんな。魔法、使いたいな。使えたら一発であったかくできるのに。

「失礼しまーす。」

建物に訪問者がやってきた。初めてだな。

「お客さんですよ、師匠。」

「お客さんだぞ、小僧。」

ミリオンさんと数秒見つめあった。

「ミリオンさん、めったにないお客さんだと思いますよ、出なくていいんですか?」

「周大、お前若いんだからちょっとぐらいこたつから出ろよ。」

・・・無言の取っ組み合いが始まった。

「くそ、勝てねえ。」

「体術はまだまだだな。」

こたつから足をそっと出す。

「寒!!!寒すぎか。」

外は豪雪だった。建物の外に雪がたくさん積もっているのが見える。こんな時に来客、、、、借金取りとかじゃないよな?

「はーい。」

ひんやりと、というか氷のように冷たいドアの取っ手。無理やりそれをこじ開ける。

「どうも、お久しぶりです。」

「だ、、、、、地味眼鏡さんか。」

ドアの目の前には、あの地味な、眼鏡をしたまるでサラリーマンのような男が立っていたのだった。


「しかし、地味眼鏡ですか。みなさん、私を見て考えることは一緒ですね。」

結構呼ばれている名前らしい。そらそうだよ、というしかないが。

「で、何の用だ。このギルドに。」

すごんでるとこ悪いけど、そのギルド、所属人数二人だけどな。

「ギルド、、、、つぶれたと思ってましたが残ってたんですか。しかし、ギルドは本筋とは関係ありません。」

少し悲しそうな顔をするミリオンさん。どんだけ思い入れあるんだよ。

「単刀直入に言います。魔法どこで習いましたか?」


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絶対に怯ませたいトゲキッスです。今回は以上ですが、毎度のごとくご愛読ありがとうございます。pvが100を超えてうれしい限りです。どんどんこれからも更新していく予定なので、宜しくお願い致します。


次回   魔法








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