第5話 魔王と魔族


「魔王が現れました!!!!ブランデン王国は、戦時体制に入ります。市民の皆さんは家に避難してください!!!」

俺は、その放送で叩き起こされた。

「魔王?というか、こんな夜中なんだからみんな家にいて寝てるような・・・」

「魔王か、100年ぶりだな。おい小僧。魔王について知ってるか?」

この世界のは

「知りません。」

「魔王は子供の童謡に出てきたりして結構有名なんだが、、、」

口をつぐんでおこう。

「この世界の魔族、、、つまり人間のように独自の言葉を持ち、魔法を使うこともある種族なんだが、わかりやすく言えば、その王みたいなもんだ。」

大体、今持っている認識であってるのか。

「魔王が現れたからには、間違いなく人間と魔族の戦争が起こる。戦況次第では、この町も、もちろん攻め込まれることが全然あり得る。」

かなり真面目な顔で言っているミリオンさん。

「俺は、慣れ親しんだこの町を守るために戦う。お前はどうする?正直今のお前なら首都で魔物を狩って生きていくということもできると思う。」

・・・優しいな。ミリオンさん。

「いや、戦いますよ。少なくとも町が残っている限りは。俺もこの町が第二の故郷みたいになってきたところですから。」

ミリオンさんいなくなったら、飯食わしてもらえる人いないし。

「そうか、そうか。・・・ありがとな。流石俺の弟子だ。」

小さいからだで思いっきりだきしめられた。どうやら、弟子になってたらしい。師匠って呼べば喜びそうだ。


魔王が現れてから、町で恒常的に衛兵が巡回するようになった。少し動きづらい。

「今日は森まで?」

「はい。森に薬草を取りに行きたくて。師匠と。」

「あーなるほど。ここは内地なので大丈夫だと思いますが、一応魔族には用心してくださいね?」

「ははは、大丈夫ですよ。では。」

話しているのは衛兵の中でかなり偉い方の人だ。確か、どっかの隊長だとか。名前はフランクだったかな。きさくで、市民にも人気がある。


「市民の方は、お集まりください。お知らせがあります。」

その夜、また放送が鳴り響いた。

「なんだ?今度は魔王自らここに攻めてきたりしたのか?」

「それは、、、、あり得ないとは言えないな。過去、何度か魔王自身が最前線に立って戦ったことがある。そういうタイプの魔王だったら、あるかもしれない。」

もし今攻めてきたら対抗できるだろうか、、、、僕は震えあがるかもしれない。

「ただ、四天王という魔王配下の強い魔族たちなら攻めてくる可能性はぐっと高くなる。魔王より強いなんて、でたらめな奴もいやがるからな。」

「勝てますか?この町に攻めてきたら。」

師匠はそれを聞いて、口角をあげた。

「人間、負けると分かってもやらなきゃいけない戦いがあるもんだ。少なくとも、俺にとってはそういう戦いになるはずだぜ。」


「皆さん、落ち着いて聞いてください。」

広場に集められた市民たちに、衛兵が呼びかけていた。

「魔王軍に、隣国アテマ帝国の国境が突破されました。」

騒がしかった広間に静寂が広がる。

「我が国は、アテマ帝国の人命を優先し救援に入ります。それに伴い、この町の防衛は手薄になってしまいます。」

兵隊が不足しているんだな。

「そこで、皆さんから義勇隊を募ろうと思っています。この町を守ろうという気概があるかた、腕っぷしに自慢があるかた。ぜひ、入っていただけないでしょうか。」

沈黙は少し続いた。

「お、おう。」

「危険な仕事だが、、、、」

「この町がなくなったら俺は困る。」

「負けなしの喧嘩しの実力!!!!見せてやるぜ。」

次々に男達から声が上がる。

「俺は義勇軍に入るぜ!!!!!!!!!」

「俺もだ!!!!」

「僕も!!!!」

「俺も!!!!」

この町は、どうやらそれなりにあったかいらしい。

「小僧、もちろんお前も入るよな?」

「もちろん。」

俺は、命を懸けてこの町を守ることにしたのだった。



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――絶対に怯ませたいトゲキッスです。読んでいただきありがとうございます。年が明けまして、そろそろ会社も開始いたしました。なんでリモートにならないんですかねえ、満員電車はストレスなんですが。まあ、そんなことはどうでもいいですね。



次回!!!!vs魔王軍!!!!

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