第4話魔物
「そろそろ行くか、魔物討伐にでも。」
魔法の修業を始めて、半年ぐらいたったころ、ミリオンさんは突然そう言った。
「やっとですか。待ちわびてましたよ。」
「近場の弱い魔物だと、衛兵に見つかる危険があったからな。ちょっと、強い魔物を退治することになる。」
今の俺は、ある程度操作魔法も物質魔法も使えるようにはなっている。
「お前は炎と水出すのが得意だが、山火事にならないように炎はなしだ。わかったか?」
「了解!」
どんどん山の奥を進んでいく。その間の魔物はすべてミリオンさんが倒してくれた。最初は気づかなかったが、この人かなり強い。魔法を使うと目立つから、大体を肉体戦闘で倒している。魔法を使ったのは一回きりだ。
「そろそろでるかもしれない、準備しろ。」
「はい。」
今日狙う獲物はイノシシだ。畑を荒らす害虫だが太もものところの肉は引き締まっておいしいらしい。ぜひ、食べてみたいな。
「新しいな。」
「新しいですね。」
足跡を追ってきたイノシシが、横道に糞をしていた。まだ温かいのでかなり新しいな。近くにいることは確実だろう。うまく、イノシシにとどめをさせるだろうか。緊張して、つい手のひらを握ってしまう。
「大丈夫だ、大丈夫。」
遠くから当たるだけだ。当たらなければすぐに逃げて、他の場所からまたやればいい。
「どうしたんですか?」
前にいたミリオンさんの足が止まった。
「おかしい。足跡だと、目の前にいるはずなのに目の前にいた気配がしない。」
至極冷静そうな顔でそう言った。
「どういうことですか?」
「・・・まかれた。相当頭がいい個体かもしれない。」
「尾行に気づかれたってことですか?じゃあ今どこに、、」
慎重に周りの木々たちを見回す。そら、見まわしてわかるところにはいないか。
「おい、いたぞ。あそこだ。」
ミリオンさんの指の先に・・・いた。
「ここから狙い打てるか?」
「当てるだけならどうにか。」
「よし、打っていいぞ。」
合図を聞いて、俺は頭の中でイメージをする。指からあふれ出る水。イノシシまで飛んで行って、軽い打撃起こすぐらいの水。
「はっ!!!」
大量の水が、イノシシに向かって飛んでいく。
「あ、威力強すぎたかも。」
今まででも出したことがない量の水が出てしまった。イノシシは激しい勢いの水に打たれて、そのまま気を失った。
ミリオンさんは、僕の魔法を見て一瞬呆然としていた。けれど、次の瞬間俺の頭を勢いよくたたいた。
「ばか!!!!こんな威力出せるんなら早くいえ!!!土石流でイノシシ埋もれただろうが。しかも、衛兵はすぐやってくるぞ。逃げんぞ!!!」
結構本気で怒ってんな、これ。
「は、はい。すみません。」
「全速力で俺についてこい!!」
そういって、見たこともないスピードでミリオンさんは走り出した。
「速い!!!速いです!!!ミリオンさん。」
「うるさい!!!速くしろ、衛兵が来るぞ!!!」
「くっそー!!!!」
死ぬ気で力を振り絞った。今なら、クラスの誰よりも足が速い自身がある。
「はあ、はあ。はあ、はあ。はあ、はあ、はあ、はあ、」
マラソンの起源になった人って、走った後死んだって聞いたけど多分こんな感じなんだったんだろうな。今なら死ねる気がする。
「小僧、大丈夫か。ここまで来たら流石に大丈夫だろう。」
ミリオンさんは汗一つかいてない。この人、魔法とかつかってたけどさては肉体派だな。
「ほら、見てみろ。もう衛兵が来てる。」
「え?」
山から下りて五分ぐらいしかたってないぞ。
「ぐっぐるー――――――――――――――――――ぐるっ!!!!ぐるっ!!!」
つんざくような鳴き声が聞こえた。ばさっ!!!ばさっ!!!翼のはためく音がする。
「こっちだ!!!!魔法が使われた可能性がある場所は!!!」
「なんだ、土石流でも起こったのか?」
「いや、水が大量に発生したって話だ。」
にわかに上空が騒がしくなってきた。町の方向から、大きいハゲタカが飛んできているのが見える。その上に青い制服を着た男たちが乗っていた。
「あれが、、、衛兵。」
「ああ、そうだ。アイツらは、どこにでもあれですぐに飛んでくる。この国に安全な場所なんて存在しない。」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
どうも、絶対に怯ませたいトゲキッスです。読んでいただきありがとうございます。
星評価とコメント、、、くれてもいいんですよ?
次回!!!!魔族と魔王
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます