第一章3 『銃』
――――アスラル共和国。
初めてアルカディアをプレイするプレイヤーはアスラル共和国というエリアに転移される。アスラル共和国はリアルでいう場所の愛知県である。アスラル共和国は、中世ヨーロッパをモチーフにした街でその街のハジマリの広場がプレイヤーのスタート地点だ。
俺はキャラクター名をライトと言う名前にした。前回のキャラクター名がサンだったからな――しかし、安直だが。
全ての新規プレイヤーはステータスポイントを50ポイント貰える。そしてどのプレイヤーも最初はレベルを15レベルまで上げる事を目標とする。冒険者から次の職業になる為である。
レベル15になるとウォーリアかメイジを選択できる。詳しくはこうだ。
まずは冒険者からスタートする。レベル15になると一次職のウォーリアかメイジが選択できる。
ウォーリアがレベル30になると二次職のナイトかシーフが選択できる。
メイジがレベル30になると二次職のウィザードかクレリックが選択できる。
ナイトがレベル50になると三次職のパラディンかバーサーカーが選択できる。
シーフがレベル50になると三次職のアサシンかサムライが選択できる。
ウィザードがレベル50になると三次職のハイウィザードかエンチャンターが選択できる。
クレリックがレベル50になると三次職のビショップかモンクが選択できる。
パラディンかバーサーカーがレベル90になると最高職のバトルマスターが選択できる。
アサシンかサムライがレベル90になると最高職のシーカーが選択できる。
ハイウィザードかエンチャンターがレベル90になると最高職の賢者が選択できる。
ビショップかモンクがレベル90になると最高職の聖王が選択できる。
こういった感じである。
転職可能のレベルに達すると、冒険者ギルドなどで転職クエストが受ける事ができる。そのクエストをクリアすると転職が可能となる。だがこの他以外にも職業が存在する。
それは俺が所属していたギルド白銀の巨塔、そのメンバーのレインだ。レインは勇者という職業で、レジェンダリージョブである。レジェンダリージョブはまたの名を異職と呼ばれ、異職は全ての者の憧れだ。異職はまだ世界で七人しか確認が取れてない。どういう条件でレジェンダリージョブになれるのかは不明だ。
広大な広場に佇んでいる俺はまずやるべき事を実行した。
「まぁ、とりあえずステ振りをするか、ステータスオープン」
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PN:ライト<
LV:1 JOB:ガンナー
HP:3894/3894
MP:9753/9753
STR:53
INT:999
VIT:456
AGI:999
DEX:75
CRT:125
LUK:999
パッシブスキル:限界突破、神のサイコロ、異常耐性<SSS>
スキル:マジックバレット
SP:50
<装備>
左手:ブラッド漆黒
右手:――
頭:冒険者の帽子
体:冒険者の服
足:冒険者の靴
装飾品:――
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俺は眼前に表示されているステータス画面を見て、息を飲んだ。
えっ……。これは……前のキャラのステータス――サンのステータスだ。いやいや……なんだこれ……バグなのか。
そして、見たことのない職業。これは……まさか、レジェンダリージョブか。左手装備されている、武器これは一体――
収納されている武器をアイテムボックス内で確認すると、俺の装備は漆黒の銃だった。
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片手装備:ブラッド漆黒<レジェンダリー>
上昇値:――
アイテム説明:漆黒の銃、他不明。
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アルカディアには銃は存在するがプレイヤーは使えない。アルカディアで銃はNPCの
それがプレイヤー、しかも
俺がどうしてBANをされたのかは未だにわかっていない。それなのに下手に目立ち過ぎるのは得策ではない。しまったな――――それならば現実世界と同じ姿にしなければよかった。
……これは良いような悪いようなだな。まぁ考えてもたらればである。この装備と職業もそうだが、さらに訳分からないのはパッシブスキルだ。――――なんだ限界突破って。
俺はパッシブスキルを選択して内容を確認する。パッシブスキルは永続化スキルのこと言う。
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限界突破<――>
スキル説明:全ての壁を超えるもの。
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えっ、それしか書いてないの――じゃあ、神のサイコロはどうだ。
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神のサイコロ<――>
スキル説明:運命をカエルモノ。
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いやいや――――もっと意味わからん。最後の異常耐性は何となく意味は分かる。しかし、SSSは見たことがない。基本的にスキルやパッシブスキルは上からS、A、B、C、D、E、Fしか存在しない――それなのにSSSって。
「はははっ」と乾いた笑いを零しながら……俺は次に通常スキルを確認していく。周りの音など全く耳に入ってこなかった。
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マジックバレット<――>
スキル説明:プレイヤーのMP10分の1消費する弾丸。威力は消費MPに比例する。
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これは……MPをかなりの使用するな。10発しか撃てないスキルか。威力は一体……どれほどのものだろう――しかし、このスキルは危険だ。
MPが無くなると、変わりにHPで補填される。HPが0になると十二時間再ログインが出来なくなる。このスキルはかなりの諸刃の剣だ。
俺はSTRが低すぎる。この職業、ガンナーは何に比例してダメージが出るのだろうか……。魔力系か物理系か分からない。50のステータスポイントはどれに振ればいいんだ。
STR:物理攻撃に影響。
INT:魔法攻撃に影響。
VIT:最大HPと防御力に影響。
AGI:移動速度と攻撃速度と回避に影響。
DEX:スキル命中と魔法詠唱速度に影響。
CRT:クリティカル率に影響。
LUK:ドロップ率などに影響。
前回のように無知で適当に振ると馬鹿を見る。とりあえず目立たず、サラを探す、それが目標だな。
最後は武器だ。この俺の心を擽る名前。ブラッド漆黒、なんてかっこいい名前であろう。昔存在した病名、厨二病に記載があったような名前だ。
武器などが収納してあるアイテムボックスは誰もが所持をしており、様々のモノを収納出来る。俺のアイテムボックスは初心者と同じで、種類の収納数は30アイテムまでである。アイテムボックスはレベルに応じて変化する。その他はスクロールで変化させることが出来る。
そして、俺はアイテムボックスからブラッド漆黒を取り出し、左手に携えた。
「――――」
心が震えた、まるで長年の相棒のように手に馴染む。――――それは漆黒の大型のリボルバー式拳銃だ。全長は約28センチ、六連の回転式弾倉だった。
アルカディアの銃はレーザー銃しか存在しない――この旧式の銃で本当に大丈夫だろうか。いや……問題無さそうだ。そう芯に伝わってくる。
「ぐっべばぁ――――」
突然――背中に衝撃が走り、俺は膝から砕け落ちた。俺は直ぐに立ち上がり、その痛みをもたらした者に視線を転じた。
「おっお前!! さっきから呼んでいるのに!! ずっとずっと無視とはいい度胸だな!!!」
苛烈だ――――
初対面にもか変わらず、俺に飛び膝蹴りを喰らわしてきた金髪の女。俺はその見た目と行動に唖然としていた。
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