第254話 おくさん風邪編:魚
僕は急いで彼女の下宿に向かった。
流石に布団で大人しく寝ている姿を見て安心した。
廊下に布団を敷いて、玄関開けるなり「お出迎え」と言ってきたのは無視した。
熱は三十八度と少しくらいで、結構あった。
気怠いながら謎のオーラがあるご尊顔も、ただ気怠いだけになっている。
「大丈夫?」
「病院でもらっちゃったみたい……」
「病院行ったの」
「あい……」
「あの病院、ロビーで熱帯魚飼ってるの……」
「次からはマスクして見に行くこと」
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