第255話 おくさん風邪編:ナポ

 僕は彼女に朝ごはんのスープを作ったり、買って来たゼリーとかプリンを冷蔵庫に詰めたり、廊下で寝てる人をリビングまで引き摺ったりして一段落迎えたが、講義までまだ時間があるからもう一仕事することにした。


「お昼ご飯も作り置きしとくよ。何か食べたいものある?」

「ナポリタン……」

「ナポリタンね」


僕はナポリタンを作ってしばらく彼女の様子を見てから大学に行った。



 講義直前、一度彼女にLINEしてみた。


『大丈夫? ご飯食べれてる?』

『苦しいけど頑張ってあなたのナポリタンをナポナポしています』


隣の席の牛丼(第141話参照)が変な声を出した。


「うほっ、なんかエロいな」


エロいって思うこいつがヤバいのか、普通に「文面的に元気そうで安心した」とか思った僕が洗脳済みなのか分からなくなった。

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