第3話
──オギャー、オギャー
「はーい、元──おと─の子─すよー!」
「あ、あり───う──います…あなた」
「あぁ!よく──張っ───ティ!」
目が見えない、体も動かない、ただ薄っすらとこんな声が聞こえてきた。
「…あなた、こ─子の名前は決──てるの?」
「ああ、実はもう決ま──いるんだ。
…この子の名前はアレク…アレク・フォン・シーフリットだ」
♢♢♢♢♢♢♢♢
俺がこの世界に生を受けて1週間がたった。
「はーい、アレクー、ご飯ですよー」
こう言いながら授乳にしてくれるのは俺の母である、ルティア・フォン・シーフリット。
俺が現世を含め見た中でトップクラスに美人な人だ。
黄色みがかった髪で絹のような髪は肩甲骨辺りまで伸している。普段はおっとりしているが父には少し厳しいとても暖かい人だ。
前世の俺とあまり年齢は変わらないが、恥ずかしさはあるものの、そうした気持ちが沸かないのは不思議なものだ。
「ははは、いい飲みっぷりじゃないか」
人差し指で俺の頬を撫でながら笑うのは父であるライター・フォン・シーフリット。
茶髪は短く整髪されており体も少しガッチリした長身の美青年だ。俺には少し、いや結構甘々だ。
貴族の当主のようで、俺がいるこの部屋だけでも豪勢で、よく出入りするメイドのような人も見かけるので結構すごい貴族なのかもしれない。
「任せたわよ」
「おまかせください」
授乳が終わり、少しじゃれあったあとで、ルティが部屋内のメイドに一声掛けて両親が部屋を出ていったのを確認した俺は検証を開始した。
神様に言われたとおり『ステータス』と唱える。
「ぶーうぁぶ」
✱
アレク・フォン・シーフリット
(人間─0歳)Lv1──0/100
職業───
〔HP〕 100
〔ATK〕10
〔MP〕50
〔ユニークスキル〕
〔スキル〕アイテムボックスLv1
〔加護〕────
この世界では5歳になると教会に行き加護を授かるのだそうだ。
おそらく〔ユニークスキル〕が先天的なスキルで〔スキル〕が後天的なスキル。つまり俺が持っている〔スキル〕は神様がくれたものなんだろう。
スキルの詳細だが、簡単に説明すると……
『
…これは一言で言えば理解をするスキルだ。
いわゆる、鑑定のように対象の人物の情報を理解したり、書物の内容を素早く理解したり、さらに、対象の動作を理解し模倣することもできる。
『
……大量のMPを消費する代わりに自分が想像する魔法を創れる。
規模によりMPの消費量が変わるそうだ。
また既存の魔法や作った魔法を保存することで、今後その魔法は、詠唱破棄、MPの消費量の軽減ができる。
これは保存できる数が決まっていてLvとともに増えていく。
そして『アイテムボックス』は言わずもがな収納するスキルだ。これもLvに応じて容量が上昇する。
最後に『
『
これらもLvに応じて能力が上昇する。
なかなか使い勝手が良さそうなスキルだと思う。
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