第10話 抗う僕……(4)
「何とか? 何とかしないといけない……」と、独り言を漏らしながら思案を始める。僕ではあるのだが。敵である黒き者……。暗黒色で、己の目だけをギラギラと青? 緑色なのだろうか? 光り輝かしている闇の王。魔王の一人である。蠅王【ベルゼブブ】は、己の手を『シュワ、シュワ』、『ソワソワ』と、誰か? 誰かに? 諂うような奇妙な動きで僕【蜜キンカン】へと、じわじわと接近。近づいてくるから僕は畏怖、恐ろしくて仕方がないのだ。
でも、このまま、何もしない状態。蠅王【ベルゼブブ】に対して僕は、無抵抗、抗う事もしないまま敵である蠅王【ベルゼブブ】の手に落ちるのは嫌だ。嫌なのだ。
だから僕は何かしら抵抗を試みようとは思う。思うから。また「さてさて、どうしよう?」と、独り言を漏らす。漏らしたと同時に今度は、「やぁ~!」と、僕の口から漏れる。と、いうか? 吐かれると同時に、僕は己の仲間達の丸肢体についている。付着をしている。白く透明な結晶を蠅王【ベルゼブブ】へと投げた。と、言っても。僕の丸い肢体には、腕や脚はない。付属をしていないから。この白くて透明。甘い結晶を、己の口に含んで、『ピュー! ピュー!』と。蠅王【ベルゼブブ】へと向けて飛ばしてやったのだ。鉄砲の弾丸のように、連続で飛ばしてやった。やり続けたのだ。
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