第6話 これは夢? 現実 ? (6)

「え~い! えい! えい! やぁ~」と、声を大にして叫びながら。


「…………」


 う~ん、でも、この通りだ。


 僕の丸い肢体は、『うんとも、すんとも』言わない状態。状態なのだよ。僕の丸い肢体が少しでも動けば、『グラリ~』と、言った状態になり。『コロコロ』と音を立てながら。勢い良く下へと転がっていき。その勢い。反動で。竹篭の外へと飛び出していきそうな様子ではるのにね。僕の肢体は全く微動だ、にしない状態なのだ。


 だから僕は困ってしまってワンワンと鳴きたい衝動に駆られるのだ。


 でもさ、このまま、僕自身が、ジィ~ッと、佇んでいる訳にはいかないから。もう一度己の肢体を振ってみる事にするからね。



 ◇◇◇◇◇

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