第5話 これは夢? 現実 ? (5)
そう、実は僕、この場。この大きな竹細工の籠から逃げたい。脱出。逃走を計りたいのだ。
だってこの中? 竹篭の中に、このままいると。僕自身が何だか嫌な予感、というか? 悪い予感がするのだ。
だから僕の周りにいる蜜キンカン達へと声をかけ。
「君達、ここから僕は脱出。逃走を計りたいのだけれど。何か良い策、案はないか?」と、訊ねるつもりでいたのに。今もそうだけれど。僕以外の蜜キンカン達は無反応、「はぁ」と溜息一つ漏らしてこない。
だから僕は、「えい! えい! え~い! やぁ~! えい~!」だ。
僕自身は蜜キンカンだから手も足も無い不自由な状態だから。先ずは己の体を振ってみたのだ。
ピンボールの要領でね。
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