第25話 1月22日 温泉編
1月22日
「星茂温泉旅館に着いた~!」
趣のある旅館の前、ピンク色のキャリーバックの傍で感嘆の声を出す白星さん。
旅館の駐車場には白星さんの愛車のピンクの車が止まっている。
「めっちゃ雰囲気のいい旅館じゃない!?」
「確かにいい雰囲気ですね」
「ねぇ、早く行こうよ!」
「でも、まだチェックインには早くないですか?確か、チェックインは3時からでしたよね」
俺は腕時計を見て時間を確認した。
現在時刻は14時30分。
チェックイン時間まであと30分ある。
「じゃあ、とりあえず荷物だけ預けてこの周りの探索しない?」
「そうですね。そうしますか」
荷物を預けるために俺たちは星茂旅館の中に入った。
「いらっしゃいませ」
旅館の中に入ると出迎えてくれたのは、背の高い男性だった。
「すみません。本日予約してた白星といいますけども、先に荷物を置かせてもらってもいいですか?」
「かしこまりました。では、荷物は預からせていただきますね。お部屋に運ばせていただいてもよろしでしょうか?」
「はい。お願いします」
俺と白星さんはキャリーケースを預けるといったん旅館を後にした。
「どこに行きましょうか?」
「そうだね~。この県に来るのは初めてだからね~。何があるのかわかんないんだよね。とりあえず、ブラブラ歩かない?」
「白星さんがそれでいなら、俺はそれでもいいですよ」
「じゃあ、そうしよっか!」
そう言って俺の手を握った白星さんと一緒に周辺を回ることになった。
俺もこの県に来るのは初めてなので何があるのか、あまり把握していなかった。
有名なものといえば砂丘くらい。
その砂丘には明日行くことになっていた。
「あ!あそこにタピオカ屋さんがあるよ!」
俺たちが歩いているのは商店街みたいなところだで、白星さんが指さして言ったタピオカ屋は反対側の道にあった。
「タピオカ好きなんですか?」
「う~ん。好きってほどではないけど、せっかくだから飲んでみない?」
「いいですよ」
横断歩道を通って反対側の道に渡る。
タピオカ屋さんには誰も並んでなく、すんなりと注文することができた。
「すみません。これってもしかして地元の牛乳ですか?」
「そうですね。こちらの牛乳とコーヒー牛乳は地元のものを使ってますね」
「じゃあ、そのコーヒー牛乳のタピオカを一つください。正彦君は何にする?」
「う~ん。これだけ種類があると悩みますね」
こじんまりとしたタピオカやだったが、以外にも種類が多くどれにするか迷った。
かといってここであまり時間を使うのはもったいないと思い、俺は地元の牛乳を使ったタピオカにすることにした。
「うん!美味しいよこれ!」
「こっちのも美味しいですよ」
「一口ちょうだい!」
「俺にもそっちのやつください」
「いいよ~!」
お互いのタピオカを交換して一口飲んだ。
お、こっちの方が俺は好きだな。
「そっちの方が好き?」
「ですね。俺はこっちの方が好きかもです」
「じゃあ、正彦君がそっちを飲んでいいよ」
「いいんですか?」
「うん。別に私はどっちでもいいし」
交換したタピオカを飲みながらブラブラと商店街を歩く。
チェックイン時間まで歩くと、美味しそうないちご大福を買って俺たちは温泉に戻ることにした。
☆☆☆
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