第17話

「正彦君は私のこと嫌い?」


 白星さんは俺から一旦離れると、前に回ってきて、少し前屈みに俺の顔を覗き込んだ。

 その亜栗色の瞳は返事を待っているかのように、俺のことを真っ直ぐに見つめていた。


☆☆☆


 好きか嫌いか・・・・・・。

 もちろん嫌いではない、と思う。

 自分勝手でわがままで困らされることもあるけど、なんだかんだ一緒にゲームしてる時は楽しいし、あんまり気を遣わなくていいから楽だ。だけど、白星さんのことを好きかと言われれば、どうなのだろうか。 

 俺は自分の気持ちが分からないでいた。

 だから「嫌いではないと思います」と当たり障りのない返事をした。

 

「そっか。まぁ、今はそれでいいや!嫌われてないって分かっただけでもよかった!てか、絶対に私のこと好きにさせてみせるから!」

「よっぽど好きなのね。彼のことが」

「まぁね!」

「そうなのね。じゃあ、私は開店準備があるから、後は2人でどうぞ。好きに遊んでくれていいから」

「はーい!正彦君何やる〜?」


 月森さんはカウンターに戻って行き、白星さんに手を引かれた俺はゲームソフトがたくさん並んでいる棚の前へと連れて行かれた。


「そうだ!今日の2周年祭でペアで参加するゲーム大会があるんだけど、それに参加することになってるから頑張ろうね!」

「えっ?」


 ゲーム大会だと・・・・・・。

 俺の頭の中は一気にそのことで埋め尽くされた。

 ゲーム大会と聞いてはゲーマの血が騒がないわけがない。

 白星さんの自分勝手は今に始まったことじゃないし、参加が決まってしまっているのなら仕方がない。

 しかし、参加するからにはガチでやる。

 もちろん、目指すは優勝だ。

 

「あはは。いいねその目!かっこいい!」

「ちなみに何のゲームなんですか?」

「スマ○ラ!もちろんやったことあるよね?」

「当然じゃないですか。そんな大人気ゲーム俺がやらないわけがないですよ」

「だよねー!して、その実力は?」

「戦ってみれば分かるんじゃないですか。ちょっど、ソフトもありますし」

「そうだね!じゃあ、スマ○ラやろっか!正彦君の実力を見せてよ!」


 白星さんがスマ○ラのソフトを手に取ると、それができるゲーム機のあるテーブル席に座った。

 

「言っとくけど、私も結構強いからね!」

「それは楽しみですね」

「その余裕そうな顔を悔し顔に変えてやるんだから!」

「できるものならどうぞ」


 俺は余裕の笑みを白星さんに向けた。

 

「これでも私総プレイ時間100時間超えてるんだからね!」

「俺はその3倍ですよ?累計でですけどね」

「さすがだね!でも、負けないから!」

 

 お互いに使うキャラを選択してバトルが始まった。

 ルールは大会と同様3ストック制。

 どっちかが3回落下した時点で勝敗が決まる。


「へぇ、なかなかやりますね。白星さん」

「でしょ!」

「でも、まだまだですね」

「あー!落とされたー!」


 店内に白星さんの悔しそうな叫び声が響いた。

 俺が白星さんのキャラを落として、1機減らしたところだった。

 ちなみに俺が食らったダメージはまだ数回だけ。 


「これで残り2機ですね」

「ほんとにゲーム上手すぎ!ちょっとは手加減してよ!」

「それじゃあ、面白くないじゃないですか。ゲームは本気でするから面白いんですよ」

「そうだけど!女の子には手加減してよ!」

「無理ですね。ゲームに男も女ありませんから」

「あー!また落とされたー!」

 

 そんな話をしている間にも俺は白星さんの2機目を落とした。

 さすがにパーフェクト無理だった。

 俺が1機落とされて、すぐさま白星さんの3機目を落として勝負はついた。

 もちろん俺の勝ちだ。


「くやしー!なんでそんなに上手なのよ!?」

「ずっとやってましたからね」

「もう一回!てか、私が勝つまで付き合ってもらうから!」

「何回やっても一緒だと思いますよ?」

「それでもやるの!」


 白星さんは悔しがる子供のように頬を膨らませて、勝手に次のゲームを始めてしまった。

 

☆☆☆


 皆さんはゲームしますか?

 私は最近はスマホゲームばかりになってしまいました(笑)

 あ、でも今月発売されるポケモンはやるつもりです!

 

 まだまだカフェ編は続きます!

 てか、こんなカフェがあったら行きたい!

 


 

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