JAN.2, 2022

 私はすっかり祝日を満喫した。17時まで寝た。起きると既に薄暗く、外からはパトカーのけたたましいサイレンが響いていた。正月早々ご苦労さまです。銃声や悲鳴は聞こえてこないし、大した犯罪ではないだろう。せいぜいスピード違反とか。私はゆっくり歯を磨き、すすいだ。いま使っている500円以上する歯磨き粉は歯茎とかにも効いている気がする。

 昨晩の食べ残し、台所に放置したアボカドペーストは表面がすっかり黒ずんでしまっているがかき混ぜればまだ余裕で食べられる。短い冬に感謝。適当なパンをトーストで焼いて、賞味期限が昨年末の牛乳でチャイを沸かす。この家にはどういうわけかチャイ用のアッサムが1キロあり、シナモンやカルダモンの粉も500グラムはある、GABANのやつが。砂糖少なめで沸かして、大麦パンをまず食べる。バケットにはアボガドを塗ったやつ、クリームチーズとはちみつを塗ったやつの二種類を用意して、食べる。食べ終わった頃、三賀日が半分もないことに気づいた。せっかくの休みだというのに、一切のお楽しみをしていない。

 携帯電話を見ると、あけましておめでとうのラッシュ。さっさとコピペで返信する。三賀日後に返信すべき連絡とかも来ていた。ダークエルフとかから。私は無視して飲みに行った。警察は近所の公衆電話を6人がかりで検分して、さらに最寄りのコンビニの前では老人の集団が暴れていた。応援のパトカーがどしどしやって来た。いずれもいまのところ私には関係のないことだ。さっさと飲んで、また夕暮れになったら起こしてくれ。

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