Date Writing
菅谷聡
JAN.1, 2022
年始早々Twitterのスペース欄をさまよっていると、たまたま相互フォローの美術家のスペースにたどり着いた。彼はオルタナティヴスペースをやっていて、そのメンバーのパートナーという関係の人からストゼロをもらったらしく、それを片手にスペースで何かを話しているようだった。私が闖入すると、早速スピーカーとして迎えられた。彼とは実際の面識はないものの数十名の共通の友人がおり、話の糸口はすんなり見つかった。二時間あまり美術談義、業界の裏話、いけ好かない奴への悪口などでたいそう盛り上がった。なんでも来週には私の住む沖縄へリサーチでやってくるという。また当地で会おうと約束をして、スペースは閉じられた。
美術稼業はハスラーである、悪い言い方をすれば詐欺まがいのようなやつもいる、と私は先程の話題を反芻しながらメモに残した。そして別の寄生先のスペースを探した。すぐに見つかった。読書クラスタのスペースだった。ものを書く人、本をよく読む人などがおり、丁々発止の読書談義が深夜にも関わらず繰り広げられていた。中に実作に長けた人がいた。作品を紹介され、カクヨムというサイトに案内された。無数の作品群に驚きつつも、自分もこのプラットフォームに足跡を残したいと色めき立った。読書クラスタのスペースもやがて終了し、一人新規ログイン画面と向き合う。
さて、どうしたものか。やる気ほどの話題がない。しかし、書かなくてはならないという強迫観念にはおかげさまで囚われている。私は別タブでTwitterを開いた。先程とは別の友人の投稿が目に入った。今年愛知県で催される大規模な美術展の公式サイトが貼られていた。すごいね、頑張ってね、と思いつつ参加作家を見ているとそこには鬼籍に入った作家の名前があった。なるほど愛知県出身の日本を代表するような美術家だった。横のカクヨムのタブに戻り、なんとなしにその人の代表作を想起させるような題を付けた。代表作はその作家が33歳か34歳の頃に開始したもので、以後亡くなるまで50年近く制作され続けた。
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