第2話 サマダ魔王化

 勇者一行が帰還してから1週間が経った頃、サマダと姫様ピーマンの結婚式が執り行われた。この式は、サマダの希望通り少人数で行われ、オノ、アイ、クロと王族だけのひっそりとしたものだった。式が終わると、いよいよ勇者一行はそれぞれの故郷へ帰るため、離れ離れになる。サマダは結婚して、ここの王族に入り、クロの故郷はニンジン城からテンジン山を一つ超えた麓にあるため、2人は気が向けば会うことができる。しかし、オノとアイの故郷はニンジン城から遠く、海や山をいつくも越えなくてはならない。最後の顔合わせだと思い、4人は深い握手とハグを交わした。

 オノ、アイ、クロが去った1週間後、サマダは、王に研究室の提供を依頼した。王は何用かと尋ねると、「王様、まだ何も言えませんがこの国を強くするための研究です。姫と結婚して、次の王となる私ですが、その時のために準備が必要なのです。」とサマダは返答した。

 王は感心し、地下の使われなくなった訓練所を改築し、サマダの希望通りの器具を設置させた。完成すると、すぐにサマダは研究室に閉じ籠り、飯も通さないようになった。そして、常に中から物音が聞こえているような状態だった。

 心配になったピーマン姫の要望で王は、サマダを研究室から出すため、わざわざ地下に降りて、こう言った。「ごほん、サマダ殿!国の未来のために働くのは殊勝だが、飯を食わぬではいざという時に失敗する。この扉を開け、今すぐ出てきたまえ。」

「王様ですか。心配をお掛けして申し訳ありません。しかし、これは極秘中の極秘でしたので、身内の者にもお見せすることは出来ませんでした。しかし、丁度、研究が終わり、そろそろ扉を開けて、姫に顔向けしようと思っていましたところ、王様がやってこられた訳ですので、お望み通りこの扉をお開けしましょう。」と、サマダの声が聞こえ、スーッと扉が開いた。

 中から、サマダがスッと顔を見せ、こう言った。「王様、ピーマン、私の研究を見せたいので、どうぞ中へお入りください。まだ、身内中の身内にしか見せれるものでないので、護衛の方は扉の前で待機しておいて下さい。」

 それを聞いていた護衛兵1、2はハッと元気よく敬礼して、部屋を守るような格好で扉の左右それぞれ立った。

 王様は、「でわ、見せてもらおうか。」と言うと、ピーマン姫と中に入り、扉を閉めた。

 サマダは、念入りにも扉のロックを再びかけ、しばらく奥へ進むと、こう言った。「研究と言っても、人体実験なのです。しかし、これは人をゾンビ化されるたり、遺伝子組み換えをするといった非人道的なものではございません。これは魔物を体内に人の身体に取り込む実験です。私は、魔王の部屋からとんでも無いものを見つけて来ました。魔王の日記です。前半は、魔王の退屈話ばかりでしたが、後半になると、とある研究の内容に入り、読むのが止まりませんでした。その研究とは、魔物の中に魔物を取り込むものです。魔王は強過ぎました。そのため、日々の生活が退屈で退屈で仕方のなかったと日記に書かれています。その時に、この研究をしていたそうです。そして、年老いて、弱ってからやっと我々が討ち取れたわけです。しかし、その強さの理由には、この研究も関係していたわけです。魔王は、各地に散らばっている最強魔物達を自身の身体に取り込んでいました。バハムート、リヴァイアサンなどなど、そして、取り込んだ魔物の力を取り込んだ者は、取り込んだ魔物の力を使うことができると日記に書かれています。私は、これについて自身の身体を使い、研究していました。」「ほう、わざわざ自身の身体を使うとは、死刑囚にやらせればいいものを。」「しかし、魔物を取り込んでしまうと、その者は、大幅に強化されると書かれています。信頼の置ける人にしか、任されないでしょう。」と王の発言にサマダは焦りを見せたが、王やピーマン姫には不審がられないのを感じとり、説明を続けた。「そして、魔王の日記の中には、魔王の体の一部と共に、こう書かれていました。

(次期魔王に捧げる。この研究資料を元に、ここにある私の身体を取り込み魔物最強時代を存続させてくれ)

 研究資料とは、日記のことでしょう。つまり、魔物に渡るはずの日記が人間側に渡ってきたのです。」「ほう、それでは、これで魔物に脅かされる時代も終わるのであるな。その力がサマダ殿のような人徳の高い青年に渡って良かった。」この王の発言を嘲笑うかのように、サマダはこう返した。「ふっ、愚かな王よ、貴様はまだ気づいていないようだな。俺は、貴様らのためにこの力を使うつもりはない。俺には殺したい男がいる。そいつを殺した後は、不幸だった俺の人生に花を咲かせるため、暴虐無人に遊びほうけるつもりだ。」

 王は怒った。「サマダ殿何を急に寝ぼけたことを言ってる。研究で、疲れておるのだな。ここ3日3晩寝ていなかったからだな。すぐ、ホカホカの食事とフカフカのベッドを用意しよう。」と、憐れむように言った。しかし、サマダは顔一つ変えず、肌がだんだんと黒紫色になってきたかと思えば、急に両肩から、黒紫色の腕を生やした。

 びっくりした顔の王とピーマン姫に向かってその両手は伸び、指が先がとんがり、王の首をズバッと切った。

 ピーマン姫に伸びた手は彼女の手前で巨大化し、彼女を胴体を縦に握り、その腕は縮み、ものの数秒でサマダの元へ引き寄せられた。

 王は、悶えるように「ぎざま、しょうぎでわなくなっだのだな。」と言葉を吐き捨てた。

 「くくく、これからは俺の時代だ。魔物も人間も全て私の支配下だ。魔王の力を手に入れた俺には、誰一人として敵わない。」

 サマダはそう言うと、ポロポロ涙を流すピーマン姫の服を、サマダ自身の手でビリビリに破き、姫の大事な部分が露わになった。

 ニヤニヤ笑いが止まらないのか、サマダは気持ち悪い顔のまま、更に腕は生やし、計6本の腕を使って、ピーマン姫の両腕、両足を引っ張り、持ち上げ、彼女の体を宙に浮かした。サマダはズボンを下ろし、***した彼の***で姫の***に**した。生えた腕を器用に使い、サマダは激しく****しながら、*は姫の**に吸い付いている。姫は苦しく、おえつを漏らしていたが、次第に**も見せ、しばらくすると何も反応しなくなった。

 事が済んだのか、サマダは姫を投げ捨て、「俺様の子を大切に育てるんだ。時期が来れば、必ず取り戻しにくる。」と言い残し立ち去った。

 王が呼んだ護衛兵1、2をもろともせず、生えた手で平手打ちで吹っ飛ばし、地上への階段を登って行った。

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