恋と天罰、落ちるのはどっち!!
他山小石
晴れ時々くもり、ところにより降ってきた天使!!
俺の部屋に天使が現れた。
え? お迎え来ちゃった?
天使が部屋の窓からこんにちわ。曇り空から光の筋が差して神々しい。
なんて、きれいなんだ。
「天罰が落ちますよ!」
「え! それ、マジすか!」
形のいい唇が不吉を予言する。
「落ちるかも?」
「どっちだよ!!」
「落ち、るといいな?」
「願望か!」
待て待てコイツどうなってる。しゃべればしゃべるほどイメージが崩れる。
一瞬でも、この天使ならいいや、ってなった15歳のハートを返せ!!
「落ちるといいよね!」
「俺は良くない!!」
「落ちなくもない!!」
「さっきから一体なんなんだよ!!」
宙に浮かんだ、とぼけた天使のヤツ。唇に人差し指を当てて。
「天罰、嫌いですか?」
「好きな人間はいないよ!」
「うーん。じゃあ、落ちなきゃいいんですか?」
指をおでこにつけて、考えるようなしぐさ。
「天罰上りますよ!!」
「上ってどうする!!」
ぴろぴろ、どこかから着信音。
「あっ、待っててください」
「スマホ持ってんの?」
「天界スマホですよ?」
「それなんGなんだよ」
「G? 神の名はみだりに唱えちゃだめですよ」
おい、そうじゃないだろ!
「はい、もしもし? え? そうですか……はい、じゃあ帰ります」
「人違いでした」
「謝罪!」
「ごめんなさい! じゃ!!」
高速で空に逃げ出そうとする天使。
「ぶっ!!」
何かにぶつかったようだ。そのままひらひらと落ちてくる。
「なんです……何見てんですか」
「いや、連絡してみたら?」
恨めしい感じのジト目。
諦めたようで、すぐに天スマで連絡する。
「えっ、あ? はい。はい……、わかりました。では」
こちらに笑顔で振り返る天使さん。
「一緒に善行積みましょうね!」
「なんの話をしてる」
「いやぁ、堕天ポイント溜まりすぎて天界に入れないっぽいんですよねぇ」
「だからなんの話だ」
「それで、罪深い君に朗報! あたしが一緒に善行積む指導をしてあげます」
「まずは常識を覚えろ!」
「天使はありがたい存在です! はい常識!」
ダメだ、頭が痛くなる。
「常識がコースアウトしてんだよお前は!!」
「天使と同居できるなんて、人生の幸運を全部前借した感じですよね」
「やめろ!」
はぁ~~、壮大なため息が出る。
「ため息してると幸せ逃げちゃうぞ!」
ウィンク、数分前の俺なら一発で恋に落ちてるよ。
はぁーーーー、コイツーーー。
「おま!! おま!!!」
「おま? おまかせ天使ちゃん!!」
「オーーマイゴット!!」
堕天使との強制同居生活が始まった。
恋と天罰、落ちるのはどっち!! 他山小石 @tayamasan-desu
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