ワタシニコイ

近代日本の子供達は私を嫌いというんだ


古い時代に望まれた私はもうその中にいない


私のいない日を待ち望む彼らは


いつの日だか私を楽しみにしていたはずなんだ


それが何故変わってしまったか


周りの世界をよく見てみなさい


私が本当に助けたいところにはいくら手を伸

ばしたって届いてくれない


何人も何人も私がいるのは有難いはずなのに


大人も子供も文句を言う


平和ボケしたあんたらにはわからない


私のいない世界でどれだけ人が苦しんでいるか


どれだけ虐げられているか


これは私が偉ぶっているんじゃないことが


何度も言わないぞ私に来い



喧嘩をしたから


何となく嫌だから


そんな修復可能な気の迷いで


簡単に私を見捨てる


そんなのよりも苦労している人たちは


汗水垂らして努力している


与えられた幸福を噛みしめず


降伏ばかりしているあんたらに私の価値など一生わからない


私は私のことを愛してくれる人のところに存在したい


でもそれには手が届かない


私は生意気なあんたらの元にいるしかない


望まれなくても嫌われても


どれだけ言ったらわかるんだ?


私があるのは奇跡なんだから


学校に来い


どうして私がいる奇跡を踏み躙る


私がいない方が嬉しい顔をする


だったらいなくなってやるよ


ほら、困るだろ


行きたいところに自力で行けず


堕ちて堕ちて困るだろ


戻って来て欲しいか


それならな


今まで溜めてたその愛を


渡しに来い

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る